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![]() でもちょっと待って! このアルバムって、ちょっと耳障りが良すぎると思わない?? ファーストボールのこととちょっと離れてしまうけど、個人的に断言しちゃうと、アメリカでは「ニルヴァーナ以降」、後世にまで名を馳せるようなバンドって出てきていないと思う。スマッシュ・マウス、サード・アイ・ブラインド、マッチボックス20、ブッシュ、ノー・ダウト、コレクティブ・ソウルなどなどそこそこのバンドがヒットチャートを賑わせているけど、いいことはいいんだけどなんか今一つ。ニルヴァーナ、パール・ジャム、グリーン・デイあたりが作った90年代アメリカンロックの方程式に則って作られたと言えなくもない。なにせラジオなんかで初めて聴いた時の心地よさというか、即効性は絶大なものがある。しかし5回も聴くと飽きちゃうんだよね。きちっとしたメロディーに適度にノイジーなギターサウンド。影響を受けたバンドは、ピストルズにツェッペリンにビートルズ、みたいな。果たして10年後に、「僕らはマッチボックス20に強い影響を受けたんだ。」っていうバンドが果たして現われるかどうか。 ファーストボールもそう。確かに上手いし、ツボは押えてる。でも独特の取っ掛かり憎さというか、バンド自体のアくの強さと毒気がないから、何回も聴いて始めて味が出るような、そんな「都こんぶ」のようなふくよかな味を持ち合わせていないのだ、残念ながら。 恐らく今年のフジロックフェスは、真昼のベイエリアをコーンとガービッジが荒らしまくるはずである。そして、オアシス、ヴァーヴが大ブレイクし、レディオヘッドやケミカル・ブラザーズといったイギリスのバンドがグラミー賞をとるこのご時世だ。テキサス出身で個人的には非常に肩入れしたいこのファーストボールだけれども、音楽的にもう一皮も二皮も剥けてほしいと願わずにいられない。自分が常に求める「得体の知れないもの」。そんな欲求を満たしてくれるだけの個性とクオリティーを持ったバンドへの変貌の道のりはまだまだ厳しい。でも頑張って。
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Last updated: 7/16/98 |