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![]() 3年前の97年8月5日、ちょうど本サイト立ち上げの夜、このバンドとニューヨークのライヴハウスにて運命的な出会いを果たしたことから全ては始った。その数日後、立ち上げ間もないこのホームページに対する初めての感想メールをもらったのも、マンサンファンの女性からのものであった。当時アメリカに住んでいた自分が、日本人から初めてもらったメールがまさにそれだったわけで、海を越え、山を越え、まったく見ず知らずの人が、自分のホームページを読んで感想の声を直接に目にすることができる・・・・・・・・・当たり前といえば当たり前の事実なのだが、実際にそのような状況におかれて始めてその感慨を得る。インターネットを始めて数ヶ月、これほど感動したことはなかったように思う。 そのような出会いを求め、その後も徐々にコンテンツを増やし始めたある日、その初マンサンギグの翌日に観た某大物バンドの大ファンという共通項を持つ女性からメールをもらう。そして帰国して2年が経ち、その大物バンドのミレニアムライヴへ一緒に馳せ参じることになるわけだが、そのコンサート会場で、帰国後にメールをいただいた偶然にもその同じニューヨークでのマンサンギグを観ていたという女性と対面することになる。マンサンのライヴを観なければ絶対にありえなかった、そしてこのホームページがなければ間違いなく見知らぬ人同士で終わった、そんな遥かなる出会いがこんなところにもあった。 だがマンサンを媒介にした出会いの機会はこれだけでは終わらない。2年前にプロモーション来日を果たしたマンサンのインストアイベント時に、やっぱりこのホームページを見て会いに来てくれた女性、間違いメールのやりとりで知り合った大学生、音楽評論に関してはプロ級の筆力を持つ男性など、掲示板での交流のみならず、現在の自分にとってかけがえのない友を得ることになる。彼らとの出会いとその影響力によって、自分の音楽的行動範囲も格段に広がった。そして彼らを核にした交流の輪がドラマティックに広がっていったのも、その中心にマンサンという存在があったからである。 去年のマンサン再来日時に行ったオフ会にて、前述した、最初にメールをくださった女性を含め、これまた様々な方々との初対面を果たした。中には彼氏とともに婚約発表を行ってくれた女性もいた。直後に行われたマンサンライヴのチケット売買が縁で知り合った女性は、今イギリスに留学中だが、その彼女とは来たるレディングフェスティバルで再会する予定でいる。アメリカでの出会いから始まった小さな芽は、日本において大きく花開き、その花粉はイギリスまで飛散し、そこにおいてまた新たな花を開かせようとしている。 ホームページを開設するまでは到底考えることもできなかったことが、今現実のものとなろうとしている。というかそういったことが自分のプライベートな日常の完全な一部となっている。 ここらでちょっとは音楽的な話をしようと思うのだが、マンサン自体はどうなの?と聞かれれば、素晴らしいロックンロールバンドだ、とかいった当り障りのない答えを出すであろう。でもここまで書いてきて言うのもなんだけれど、正直なところ、マンサンってそんなにすごいバンドとも思わない。演っている音楽のタイプからすれば、ミッシェルやオアシスやレイジの方が遥かに自分の肌に合っているし、なんとなくマンサンの音楽にはある種の言いようのない胡散臭さも感じるからだ。おまけにビジュアル的に見ても、ポールはポールで足は短いし、ジャンプは高く飛べないし、服装もちょいと外してるし、ギターはコードしか弾けないし、なんだか無理に自己主張したがっているし・・・・といった風に、自分の憧れるべき対象としてはかなり弱っちいキャラばかりが目に付く。そんなポールの姿は、マンサンというバンド自身の姿でもあり、Katsという自分自身の姿でもある。 客観的に見た自分も、足は短いし、服装はダサいし、ギターは下手だし、自己主張には一生懸命だが中身は大した事ないし・・・・・とこんな風にポールと自分とをアイデンティファイしたりするとマンサンファンの方々には大変な怒りとヒンシュクを買いそうだが、マンサンとともに歩みを始め、マンサンのように自己主張の固まりだったこのホームページも、みなさんとの様々な出会いと体験とをシェアしていくにつれて、自分とみなさんのパーソナルな領域へと徐々に踏み込みつつあることを感じてきた。 最近、掲示板にて「セックスできない女性」についての悩みを打ち明けたが、多数寄せられたそのレスを読むにつけ、このホームページとみなさんとの関わりがより深いものになっていることを痛感させられたものである。 3年という時間の中でよりパーソナルな経験を獲得してきたのはこのホームページだけでなくマンサンも同様に思う。 彼らの最新作「Little Kix」は、以前の作品と較べて格段にパーソナルなものになってきており、歌詞の内容はそのほとんどが失恋を歌ったものばかりだ。それは以前のマンサンなら考えられなかったほどパーソナルな題材であると同時に、それは「恋なんてしたことがない」と言い張って止まなかったポールが、それまでには考えられなかったほどにパーソナルで劇的な経験をしてきた証でもある。 その「セックスできない女性」というのは自分の会社の同僚で、セックスレスが原因で彼氏に浮気されたその辛さから拒食症になり、医者に入院を勧められるほど彼女の病状は悪化した。そしてその彼女が入院してしまったら、自分は彼女の仕事と責任とをすべて負わねばならず、フジロックもサマソニもレディングもすべて参加することができなかった。よって自分自身も、まるでわらにもすがる思いから掲示板にてお伺いを立てたわけである。結果的にたくさんの反応をいただいたわけだけれども、そんな中で自分は、そこに寄せられた厳しい言葉を、敢えて自分なりの言葉で彼女に伝えることにした。ひとつの賭けだったけれども・・・・・。しかしみなさんの想いが通じたのか、俺の話を聞いたその夜から食事が喉を通るようになり、最悪だった体調も徐々に快方へと向かっていくきっかけとなったのである。 大好きなミュージシャンが、我々のパーソナルな経験として、より日常に溶け込んでいく毎日。 そんな素敵な日々が続くよう、これからもがんばろうと思う。 いや、がんばるのは俺だけじゃなくて、マンサンもね。 | Back to Menu | ![]()
Last updated: 8/11/00 |