- August 1998 -


Follow The Leader KoRn

Follow the Leader 今年のフジロックフェスティバル、もしアメリカで開催されていたならば、2日目のトリは間違いなくこのコーンであったはずだ。それも客の80%以上がコーンファン。イアン・ブラウンなどは、ハードコアな面々の激しいブーイングで退場を余儀なくされただろう。それほどまでに現在のアメリカでのコーンの人気というものは凄まじい。恐らく2日目登場全アーティストの全米でのレコードセールスを足しても、コーンの米国内で売りきったレコードの数には遠く及ばないはずである。そしてまたこのニューアルバムで、他との差をさらに大きく広げるはずだ。

日本においては、去年のフジロックでレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが凄まじいステージを展開してからようやく盛り上がりを見せはじめたこのアメリカ西海岸のハードコアシーン。しかし当のアメリカでは数年前からすでに大ブームで、去年のロラパルーザの実質のトリは、同じ系譜に位置するトゥールだった。そしてそのロラパルーザのチケット売り上げ減の最も大きな原因となったのが、コーンのツアー離脱だったのである。

そのツアー離脱以来初めてのステージとなったのが、例のフジロックフェスティバル。そこではこのニューアルバム「Follow The Leader」からのナンバーが初めて披露された。その後間もなくして日本先行発売されたこのアルバムを聴いて思うことは、ヴォーカル、ジョナサンの声が前面に押し出されてフィーチャーされていることである。バックのアレンジも比較的ポップにまとめられ、この手の音楽の新参者にも非常に聴きやすい作品に仕上がっている。CDでは12曲目まで無音部分が続き、13曲目で初めて曲が姿を現わすところにまず驚かされるが、すなわち、それだけトータル性を重視した結果なのであろう。それはパーティーなどでお気楽に使われないだけの、重い内容を持った作品群がひしめき合っていることとも無関係ではあるまい。日本盤CDに付いてくるジョナサンによる曲解説は必読である。

とにかく先月のレビューと話しは重なるが、今のアメリカでの真のオルタナティブでありメインストリームの音楽(・・・矛盾してるけど。)はマッチボックス20でもなければフーティー&ザ・ブロウフィッシュでもない。それは間違いなくコーンであり、トゥールであり、マリリン・マンソンであり、レイジ・アゲンイスト・ザ・マシーンであるのだ。そのことを高らかに日本のロックファンの前に宣言せしめたのが、去年と今年のフジロックフェスティバルでの、レイジ、コーンそれぞれのステージだったのである。

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Last updated: 8/12/98