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![]() で、おっしゃる通り、違和感ゼロ。 Hey Bulldogを知らない人はきっと最近の曲だと思ったに違いない。 しかし紛れも無く68年に録音されたこのナンバー。 ちょっと古いけど、同じくプレイリストにあった、The Kids Are Alright / The Who、Video Killed The Radio Star / The Buggles辺りと較べるとその音質の差は歴然。 感触としてはRage Against The MachineのBombtrackみたいに、各楽器の分離がくっきりしている。 その次に流れたParklife / Blurの方が音的には悪く聞こえたなあ。(・・・リクエストカードにsuzukiくん(=ブラー好き)のことをちらっと書いていたのでこの流れになったのではあるまいなあ・・・。)ってことでまずこのアルバムの売りのひとつが収録曲のデジタル・リマスタリングで、音がクリアーになって、前述したように各メンバーの演奏により活き活きとした表情が宿っているってこと。 次に、まあどうでもいいようでどうでもよくないことなのだけれども、ジョージ・ハリスンのナンバーが4曲も入っていること。 よく言われていることだが、ジョージの曲というのは、アルバムレコード1枚辺り2曲まで、という制限がジョン&ポールによって付けられていて、そのことにかなり不満を持っていたというジョージ。 ちょうどこのアルバムでは彼の作曲能力の幅の広さというものをうまく掴めるようになっていて、「Think For Yourself(俺にだってこんなかっちょいいギターラインが弾けるんだぜ)」→「Love You To(インド音楽ってマニアックだろ? シタールだって弾いちゃうんだぜ)」→「It's All Too Much(オルガンだって弾けんだぞ。サイケでもニューロックでもなんでも来いこのやろー)「Only A Northern Song(金ちょろまかしやがって、俺だってキレるときはキレるんだぞ!))」と、これ1枚でジョージ・ハリスンの意地と才能とを窺い知ることができるというかなりお得な内容になっている。でなおかつバックで演奏しているのがジョン・レノンとポール・マッカートニー。 うん、当たり前だけどやっぱりこれってかなりおいしいことだと思う。 そして最後。 いわゆる最も美味しく、なおかつ難解で、ロックの歴史的にも重要な「トータルアルバム」期のビートルズからの曲がチョイスされているということ。 具体的にはオリジナル6枚目の「Rubber Soul」を初めとして、そこから続く「Revolver」「Sgt Peppers Lonely Hearts Club Band」「Magical Mystery Tour」の4枚という、それこそビートルズの変化と進化と深化を語る上で欠かすことのできない傑作中の傑作からの選である。 だからこのYellow Submarine Songtracksを聴いてみて気に入った曲があったらその曲が収録されているアルバムをぜひ聴いてみてほしい・・・・・・・・・・・・・と言いたいところだが、声を大にしてそう言えないところがちょっと辛いところだったりもする。 なにせこの現代的とも言えるビートバシバシのベースズンズンのリマスター音を聴いちゃうと、Revolver収録「Tomorrow Never Knows」は聴けたものじゃないし、「Eleaner Rigby」のマーシャルアンプを通したようなストリングス音の前では、Rubber Soul収録「Here, There And Everywhere」のストリングス音はなんかコンサートホールの壁越しに演奏を聴いているような感じさえしてしまうしなあ。 確かにそういった現代のそれにも劣らないサウンドクオリティは嬉しい反面、これやっちゃったら残りもこうしないと収まりつかないだろう、ということでこれからもまるでこれが流行りのように次から次へとビートルズのアルバムがリマスターされて再発されるのかもしれない。 まあ「Super Live At The Hollywood Bowl」なんていう廃盤になってしまったビートルズ唯一のライヴアルバムをリマスターされたクリアな音で聴けたら最高だが、マニア向けのアイテムにならないとも限らないわけで、なおかつ「リマスターされたビートルズなんてビートルズじゃねえ!」ってことでその頑固なマニアの間で毛嫌いされる可能性もあるわけしなあ。 自分はとりあえず、「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」や「White Album」などがリマスターされ再発され、新しいファンがそれらをどんどん買ってくれて、ひょっとしてCD盤が発売されたときのようにアルバムチャートの上位をビートルズのアルバムが埋め尽くして、このサイトのタイトル引用曲にむせび泣いてくれる人がいたら嬉しいなあと思いつつ、「これって本当に俺が好きになったビートルズの音なのかなあ?」「これをビートルズのアルバムって呼んでいいのかなあ?」なんてことも同時に考えるのだけれど、やっぱり答えは出せないし。 60年代ビートルズのとてつもない偉業を前にして、曲のリマスタリングなどという程度の業で我々はこんなに狂喜乱舞しててもいいのだろうか、という思いもあるし、「ビートルズのことくっちゃべってる暇があったらライヴでもやれ、ジョージ!」と言いたい気持ちもある。 だから彼らの現役としての活動を切に願っている自分としては、ちょっと「ビートルズ」を休ませてあげたいような気もするけど、でもやっぱこのままビートルズネタでずっと盛りあがれるのも心地いいよなあ、なんてことも考えたりする。 でもこんな風に考え続けると、「ビートルズのアルバムを買う金があったら、もっと若い人のアルバム買ってくれた方が業界のためにもいいんじゃないか?」とか、「遠い昔に解散したビートルズよりも、現役でやってるストーンズのアルバム買ってくれよ」とか、「結局オリジナルのイエロー・サブマリンは何だったんだおい」とか、「ノエル・ギャラガー使ってビートルズ再結成しろ」とか、行間なしで色々くだらないことを書きそうなのでこの辺で末筆にしよう。 ツェッペリンもストーンズも、自分の中では普通のメジャーバンドと同じレベルでとらえられるんだけど、やっぱビートルズって「別格」として考えちゃってるからなあ。 これって良くないことなんだろうか? だからなんだかビートルズって難しい。 ![]()
Last updated: 9/28/99 |