Fuji Rock Festival 99 in Naeba

GIG REPORT

うぇぶますたー的ベスト10

Field Of HeavenFred standing in the middle

とにもかくにもレポートを書く、なんてことは頭から消し飛んでいたので、それぞれのライヴについて詳細を記述することはできません。 というかバンドが多すぎて忘れちゃいました。 勘弁です。
    1位 スカンク・アナンシー
    2位 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
    3位 ブラック・クロウズ
    4位 ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン
    5位 アッシュ
    6位 リンプ・ビズキット
    7位 ZZ TOP
    8位 ケミカル・ブラザーズ
    9位 DMBQ
    10位 ハッピー・マンディズ

    次点 ロケット・フロム・ザ・クリプト、フィッシュ、ハイ・スタンダード、カタトニア、レイ・デイヴィス、オーシャン・カラー・シーン、バーナード・バトラー




第1位 スカンク・アナンシー (Green Stage: DAY 2)


次にリンプ・ビズキットが控えていることもあり、ライヴが始まった時にはレジャーシートでまったりとしていたのだが、その音を聴いて居ても立ってもいられなくなり、「じゃあ2,3曲だけ」と言い残してステージ前方へ降り立った自分だったのだが、結局最後まで彼らのステージを観てしまった。 とにかく黒人女性ボーカリスト、スキン(名前のまんまスキンヘッド)がかっこよすぎ。 オレンジっぽい靴がかわいすぎ。

以前彼らのアルバムを試聴した時には「なんだかポップだなあ」と思って大して気にも留めなかったのだけれど、ライヴとなるとやはり違うんだなあ、ってことを実感。確かによくあるパターンのギターロック構成で、自分としてはそんなに目を引くようなところはないのだけれど、すべてはスキンのパフォーマンスと存在感で補っている、というかバンドの能力を120%以上魅力的なものに変えているといった感じがする。

1曲目からドラムセットに駆け上りそこからステージ上にジャンプ。 そしてステージ上から3メートルぐらいはありそうな下の段へジャンプ。 最後にはオーディエンスエリアとの境目で仁王立ち&ツイスト&シャウト。 エビのようにジャンプしまくって、吠えまくって、ペットボトル投げまくって、時にエロエロ光線放射しまくり。スクリーンで見ちゃうと彼女の怖い顔がどアップになって引いてしまうので極力ステージ上の彼女を見たほうがいい。

他のメンバーがどんなだったか全然思い出せないところがスカンク・アナンシーの魅力なのかもしれないな。


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第2位 RATM (Green Stage : DAY 1)


「Good evening. We're Rage Against The Machine from Los Angeles, California!!」 とボーカルのザックが言ったとき思わずにやけてしまった自分は不謹慎かもしれないが、どうにもこうにもあのナンバーガールの「こんにちは。福岡県博多から参りましたナンバーガールでございます。」というMCを思い出してしまうんだからしょうがない。 

1曲目でいきなり「Bulls On Parade」。でもなんだかピンクのシャツに黒っぽい帽子をかぶったトム・モレロのギターの音がクリアじゃないなあ。ちょっとモタモタしている感じ。でもどうにもいたたまれなくなって一旦オーディエンスエリアの横に出て、前方への突進を試みる。「Bullet In The Head」の中間部分のダイヴ&モッシュ局面に乗じてぴょんぴょんと中央へと飛びはねながら移動。トム・モレロがニコニコしながらギターと戯れている姿が見えるよー。 ベースもドラムも髪が長くなってなんだかそこいらにいる兄ちゃんぶりに拍車がかかっている。「Vietnow」では「Cut it off!! Turn it off!!」の大合唱。 しかしレイジってアルバムの曲がすべて有名代表曲みたいなもんだからもう全部が全部盛り上がっちゃう。

トムモレロがギターをダブルネックに変えた瞬間、「あー、あれかあ」と思ったらやっぱり「The Ghost Of Tom Joad」。 体をかがめながらツイスト&シャウトなボーカル、ザック・デ・ラ・ロッチャ。ハリウッドゴジラのサントラ収録曲もやって、待ってました苗場でギコギコ「People Of The Sun」。モッシュピットがえらいことになっていたけど、何を思ったかぽっかり空いた空間でジャンプしていたら空中で思いっきり体当たりされて5メートルぐらい吹っ飛んで危うく転びそうになった。「ぽっかり空間が空いたら、そこは危険エリア」・・・というこの鉄則を思い知った瞬間であった。

新曲もいくつか披露していたが、そこでトム・モレロが手にしていたのはちょっとセンスわりいなあ、って感じさせた3色縞模様柄のギター。 でも相変わらずまともにギターを弾かないねこの人は。 汗でびっしょりになった彼の背中もなんだかいい感じ。

「Freedom」を演奏して、「終わりぃ? あの曲は?」と思っていたらやっと出ました「Killing In The Name」。「きりぎんざねーむお!」とシャウトしたはいいものの、歌詞を忘れちゃって口でモゴモゴと適当な英語を並べ立ててしまった自分。 しかしあのフレーズを飛びながら、エビになりながら、クルクル回転しながら演奏しちゃうトム・モレロはやっぱりえらい。 


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第3位 ブラック・クロウズ (Green Stage: DAY 1)


Blurred Black Crowes ブラック・クロウズで合唱する。これほどデ・ジャブな瞬間もない。「Go Faster」「Sting Me」で歌える人達がこんなにいるとは知らなかった。 逆に10分は続いたレッド・ツェッペリンの「In My Time Of Dying」でかったるそうにしていたのが嬉しかった。 みんなクロウズの曲を期待しているのがひしひしを感じたから。 そしてそんなお客さんに向けてまさに「ベスト・オヴ・クロウズ」みたいな選曲はずっぽりハマったように思う。

ファッションセンスがかなりイケているボーカル=クリスを含めて、ブラック・クロウズは外見上かなり変わった。 バンドのソロ演奏の最中にも踊りながら色々ポーズを決めちゃうにその姿はなんだかまるでスティーヴン・タイラーみたいに愛くるしい。 リッチ・ロビンソンのギターはなんとなくガンズ&ローゼズにいたギルビー・クラークやイジー・ストラドリンを思わせたりするんだけれど、やっぱりテクニックは完全に上。 でもなんとなくミスタッチが多かったように感じたのは自分だけ? でもそんなことを気にさせないほど、後ろの一段高いところにいた2人の黒人女性ボーカルの踊りは激しかった。目が釘付けになった。目が点になった。

某しげやんから「Remedyは3カポで弾いている」と聞いていたので、「Hard To Handle」から「Jealous Again」というゴールデンな流れの後、カポ付きのES-335をリッチが持ったときには、やったーと思った。なぜならこの黒人女性ボーカルのコーラスで「Remedy」を絶対に聴きたいと思っていたから。そしてその期待通り、「Remedy」は素晴らしかったー。思い残すことは何もないっす。 レイジがなくてもこ、の1曲だけでも、フジフェス初日はお腹一杯でした。


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第4位 ジョンスペ (White Stage: DAY 2)


グリーンステージのブラーと被っていて、途中から露骨に客が減り始めたジョンスペのステージ。 なおかつこのフジフェス直前にバンドの機材が盗まれてしまい、借り物のギター、ドラムで臨まなければならなかったそんな悪条件も重なった。 なにせギター=ジュダのギターも借り物、ラッセルが長年親しんだドラムセットも盗まれて借り物、ジョンスペのギターも本物っぽいけど実は借り物、大事な大事なテルミンも借り物・・・・・とまあ最悪である。 でもそんな状況でも頑張ったぞジョンスペは! 俺は最後までジョンスペを見届けたぞ! 「2月に観たから今回はパス」・・・・そんなのはジョンスペのファンとは言えないでしょ?

まずアルバム「Orange」から「Bellbottoms」・・・・・かっこいい。 ジョンスペはラメラメっている。 ジュダはなんだかカントリーっぽいちょっと派手な衣装でコーラスを入れる。 そしていきなり「2 Kindsa Love」〜「Attack」のゴールデンメドレー。 でも「Attack」はちょっとオリジナルほどのパンチ(死語)がないかなあ。 ジュダは軽く欽ちゃんジャンプをしたりするが、ジョンスペンサーはまだノリきれていない。 でもほとんどの曲をメドレーのようにして繋いじゃうところはさすがだ。客に「ろっけんろ−!」と叫ばせて自分を高揚させようとしていたみたいだ。

ブラーを観るために客がぞろぞろとホワイトステージを後にし始めたころ、「Talk About The Blues」「Do You Wanna Get Heavy?」などのアクメナンバーが続く。でもなんだか知らない曲もあったなあ。 それに「Extra-Acme」からの曲を期待していたのにほとんど演奏しなかったのが残念、心残り。

50分程度でステージが一旦終わり、ここから怒涛のアンコールが30分以上。「Magical Colors」でまったりして、来ました「Wail」!!・・・・ジョンスペがギターを弾かなかったせいかなんだか薄い音だったなあ。「Afro」も良かったが、やっぱり最後の曲(・・・「Orange」からのだったと思うが、どの曲か忘れた。)でのジョンの弾けっぷり! 半ばヤケだ絶対に。 シャツを脱ぎ捨て、ギターを脱ぎ捨て、半ケツ状態になって、マイクをステージにぼこぼこぶつけまくって、テルミンぐるぐるいじくり倒してのた打ち回るジョン。 マイクのコードがこれ以上伸びない!ってところまで引っ張っていって、逆にコードに引っ張られオットット状態のジョン。 ステージ上からオーディエンスの側に飛び降りて子供のように走り回って、その間中ラッセルはドラムをボコボコ叩きまくり。 きっちり予定の演奏を10分オーバーして合計1時間半。 やってくれましたジョンスペは。 

もう2度とないと思うが、年に2回、新潟でジョンスペを観た。 新潟、と言えばジョンスペでしょ、やっぱ。


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第5位 アッシュ (Green Stage: Day 3)


昔は全然好きじゃなかったどころか、ほとんど生理的レベルで嫌いだったアッシュ。 でもどういうわけだかちょっとづつ好きになっていったアッシュ。 そんなわけでちょっとだけ期待していたアッシュ。

そんでもってやっぱりまったりして観ちゃおうかなあと思っていたこのアッシュだったのだけれど、いきなり「Lose Control」ってことでやっぱこりゃダメだわー、と思い、買ったばかりのビールを右手に持ちながら、日本に来て買ったとしか思えないおしゃれっこTシャツを着たボーカル&ギター=ティムの真正面まで歩を進めてしまった。 なにせマーシャルアンプとティムのフライングVギターの鳴りが良くてビックリしたが、やっぱりお目当てはもう1人のギタリスト=シャーロットさん。 ピンクのお洋服がなかなかかわいいが、彼女のギブソンSGもなかなかどうして。 惚れるねやっぱり。 何せ信じられないほどに客が少ないってこともあって、踊るには好都合。 恐らくイギリスのフェスだったら、アッシュの出番のこの会場のこの位置で、こんなビール片手にふらふら踊ることなど不可能だろうに。 これって最高の贅沢だなあ。

「Girl From Mars」も聴けたし、「これは『普通じゃない』って映画からの曲」と言って始まった「A Life Less Ordinary」は若干テンポが速くてかっこよかったし、「Goldfinger」「I'd Give You Anything」なんかも聴けたし(・・・って自分がファーストしか持ってないことがバレバレ。)、「今夜はハッピー・マンデーズを見に行くよ」と言って始まったラストはやっぱり「Kung Fu」!

あー気持ち良かった、という疾走感を残してアッシュは去って行きました。

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第6位 リンプ・ビズキット (Green Stage: DAY 2)


なにせ期待度ナンバーワンだったこのバンド。 そして実際に観る彼らはすでに超大物の風格たっぷり。 ニューアルバム「Significant Other」の1曲目、その名も「Intro」が流れ、予想通りの「Just Like This」へと続いていく。そしてボーカルのフレッドがのそのそと登場。 でも帽子がお馴染みの赤じゃなくて黒だったことがちょっと残念。 しかし自分のいた場所がアスファルトのエリアからちょっと下がった裸地のところだったため砂ぼこりの舞う量が半端じゃなく、「I like this!! Just like this!!」と叫ぶたびに口の中がイガイガになってもう大変。 そんなもんでモニターの返りが悪くてご立腹なフレッドさんを尻目に敢え無く脱落。 よって再び前方のアスファルトエリアを目指す(笑)。

気が付いた頃には3曲目の「Counterfeit」で、やっぱりみんな跳んでいる。 でもこの曲はジャンプするよりも地を這い回る方が似合っているような気がする。「9 teen 90 nine」「Break Stuff」などのヘヴィメタルな曲も次々と演奏。

しっかし、ギターのウェス! その歌舞伎メイクと黒々コンタクトはすごいけど、この人のギターテクニックもほんとすごいなあ。 「Faith」での荒っぽいカッティングばっかりイメージしているとちょっとやられるね。 弾けるくせにソロは取らない、なにげにリフの中にライトハンドでタッピング、そのくせ適材適所でエフェクト類を素早く切りかえる。 ギターの位置の低さもなかなか尊敬に値する。

「Are you ready for Chemical Brothers?(ケミカルブラザーズを観る準備はいいかい?)」とちょっと皮肉を言われたが、もちろんケミカルは観たいので一応どっちつかずの反応をしておく。「Do you like Tool? Tool? (トゥールは好きかい?トゥールは?)」と言われて反応が異常に薄かったのはやっぱりToolの知名度のせいかとは思うが、「I don't think they like it.」という意味不明の言葉も。 そして「Do you like Metallica?」という誰にでも分かる質問には「いえーーぃ!!」 「Do you like Korn?」という質問には当然「いえーーーぃ!!!」・・・・・するとギターのウェスがコーンの「Blind」のイントロを弾き始める。しかしコーンの曲を演奏しているってことよりも、ダブルギターでプレイされているこの曲のイントロをエフェクトを微妙に変えながらシングルギターでプレイしているウェスの姿に感動した。 そんでギターだけかなあ、と思ったらドラムも入ってきて、うりゃーー、跳ぶぞーーー、となったところで演奏終了。 みんな跳んだ瞬間ストップモーションがかかったようになって笑えた。 すると「Do you like Rage Against The Machine?」と聞くから当然「いえーーーーぃ!!」。・・・すると「Bombtrack」のイントロ(・・・でもやっぱり本家トム・モレロのほうがうまい)。今度は歌入り。 笑かす。 そんで最後はウェスのギターでメタリカの「Master Of Puppets」。この難しいリフを弾きながらウェスは歌まで歌っちゃう。知っている人は「ますたー! ますたー!」のところでこぶしを握る。 以上、余興の時間はおしまい。

このライヴのハイライトは、というか恐らくこのフジロックフェスティバルのハイライトは、ボーカルのフレッドがセキュリティ(or ローディー)に担ぎ上げられて、オーディエンスエリアのど真ん中で歌った場面。 ちょっと辺りが暗くなり始めていた頃で、熱狂するモッシュピットのど真ん中にフレッドがぬくっと浮かび上がる光景はものすごくカッコ良かった。 自分自身に相当な自信がないと出来ない芸当だと思うが、、とことん楽しませたるぜー、といった西海岸根性は非常に気に入った。 タオルやペットボトルなんかも彼の顔面にガンガン当たっていたし。

まったりナンバーが少し続いた後「Nookie」、そして「女の子が叫ぶ声を聞きてえなあ」と言った後「Faith」で締め。 モッシュがクルクル気持良さそうだったので、自分も中に入っていってしまった。 そしてまた周りにぽっかりスペースが空いたところで中指付きたてて、「Get the fuck off!!!!」。 あーー、すっきりした。


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第7位 ZZ TOP (Green Stage : DAY 3)


Blurred ZZ TOP 堂々の大トリ。 ハッピーマンデーズをちょっと観て、まあ時間的に大丈夫かなあ、と思いながらグリーンステージに戻ったら、ありゃ、始まっちゃったよ。 でも前方のブロックを楽々キープ。 ギターとベースともにこれまた見たこともないお揃いのかっちょえーギターを持ってブギを刻んでいる。ブギ・ブギ・ブギ・ブギ・ブルース・ブギ・ブギ、といった感じでガンガン進む。 コテコテにコミカルな動きで笑わせる。  ZZ TOPがそこにいる。 それだけで奇跡だ。 

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第8位 ケミカル・ブラザーズ (Green Stage: DAY 2)


背後に3台の大型スクリーン。その前でケミカル・ブラザーズは乱舞しながら色々と機械をいじくって遊んでいる。 しかし頭から「Hey Boy Hey Girl」〜「Music:Response」〜「Block Rockin' Beats」は大反則である。 本当はレジャーシートのところでまったりゆらゆらするつもりだったのに、思わず前の方に行ってしまったではないか。 それに「Setting Sun」は「おおお!!」と思わせつつビートを切り刻み、それとはまったく違うものに変えてしまっている。 ジョンスペを観るために途中で離れなければならなかったステージだが、出来れば最後まで観たかった、かな。

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第9位 DMBQ(のドラム) (White Stage: DAY 2)


女性ドラムに尽きる。フェロモンだ。白くてエロい。でもドラムは激ウマ。 裏のリズムで入ったと思ったらいきなり表のリズムで刻み始め、いつのまにかまた裏に戻る。オカズは3秒に1回ぐらいぶちかまし、それが全部パワフルで確実。 いやあ、あんな野獣のような男どものボトムを握っているのだから大したタマに決まっているよなあ。 キャラ的にはフェスを通じて日本人ナンバーワン。

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第10位 ハッピー・マンデーズ (White Stage: DAY 3)


グリーンステージの進行が押してくれたお陰で、ZZ TOPの前に観られたこのハッピー・マンデーズ。 かなりの期待度がピット内を埋め尽くし、まったりながらもなんだか緊張感に溢れている。 そしてバンドのメンバーに少し遅れること1,2分ぐらいして、メインのボーカル=ショーン、とダンサー=ベズが登場。 短パン&タンクトップのベズは完全に檻から解き放たれた野獣である。ショーンはやる気なさげにボーカルを取っているが、彼の代わりにベズが手となり足となり動き回って客を煽りまくっている感じだ。 スライドギターがぴゅんぴゅんと天空舞う中、ベズはガニ股でガーガー唸っている。 観られたのは4曲目ぐらいまでだったが、強烈な名残惜しさを感じながら、ホワイトステージを後にしたのは言うまでもない。

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その他 いろいろ


ロケット・フロム・ザ・クリプト(Green Stage: Day 1)
去年の半アマチュア=ミジェットと違い、今年のトップバッターは正真証明のロックバンド=ロケット・フロム・ザ・クリプトだった。 ホーン隊を従えたハードファンクで安定した演奏はタフで力強かった。 バンド側もかなりご機嫌だったと見えて、ボーカルは終始ニコニコ、お客さんもニコニコ。そんで今自分のいるこの場所は、山に囲まれた超田舎。 それらがすべてシンクロして思わず涙が出た。

フィッシュ (Green Stage & Field Of Heaven: Day 1 & Day 2)
突然仲間入りしたアメリカ人に連れられフィッシュをメインステージで観る。「こんな近くで観られるなんて信じられないわ!」と言うのを聞きつつ、その目の前ではフィッシュのテープ・トレーダー達がワラワラと集まり、なんだか事前交渉&作戦会議。 正直言ってビビった。 バンドの方はキメるところはしっかりキメ、インプロはインプロでトコトンまで行く。 2日目にもジョンスペのステージが終った後、Field Of Heavenで4時間の演奏の最後の最後の3分間だけを観させてもらったが、この人達は疲れってものを知らないのね。 あのニコニコの裏で一体何を考えながら演奏をしているんだろう。

ハイ・スタンダード (Green Stage: Day 1)
チベットのNawang Khachongとの共演を果たしてからの登場。しかし2枚アルバムを聴いているにも関わらず、ベースがボーカルを取っているということをこの日初めて知る。「あー、気持いいねー」を連発。マイクに止まったトンボも逃がしてやる。「モッシュ禁止ってのは分かっているけど・・・・みんなでぐるぐる回ってくれるといいな。」と言って始まった「Mosh Under The Rainbow」ではお客さんみんなグルグル。 まさに横でグルグルしているのだが、自分は入れず終い。

トドス・トゥス・ムエルトス (Green Stage: Day 1 & Day 3)
初日はレイジの後に登場。実質の3日間の大トリもこいつらだった。 アルゼンチン出身の「レイジ」との呼び声が高かったが、ギター(ストラト)とベースはヘヴィメタル風である。そしてやっぱりドラムのスネア音はラテン風でもある。 外見上はかなりキツイものがあるが、これが21世紀のミクスチャーロックなのか? 初日は前のほうで気持ちよく踊っていた自分だったが、3日目はグロッキーだったため目を瞑りながら片耳でトドスを聴く。 

レイ・デイヴィス (Green Stage: Day 2)
サポートギタリストとの登場で、まるで去年のエルヴィス・コステロを思わせた。観られたのはほんのちょっとだけだったが、「You Really Got Me」もアコースティックギターでの演奏。予定外(?)のアンコールでの「Waterloo Sunset」は心に染みた。超ご機嫌のレイ・デイヴィス。 若いバンドにも目配り気配りしている模様。

ブラー (Green Stage: Day 2)
ジョンスペ&フィッシュを観てのんびりとホワイトステージ−グリーンステージ間の小道を歩いていたら聞こえてきました「Girls & Boys」。グレアムのフランジャー音もよく聞こえます。そして予想外の「Parklife」。ちょっと投げやりに歌うデーモンの声も聞こえます。サビは歌っちゃいます。山奥の小道で生演奏を聞きながら歌う「Parklife」。思いっきり笑える。そしてグリーンステージが見えてきた頃にグレアムの乾いたギターカッティングで始まった「Song 2」。 丘の上から眺め見ると、3万人の大観衆がライトに照らされてすごくいい感じ。デーモンは帽子&タンクトップというなんだか訳分からんフジロックファッション。「Song 2」が終るとアレックスがベースのストラップを外したのが見えたので、これですべてが終ったことを知る。

カタトニア (Green Stage: Day 3)
頭から2番目という、とてもイギリスでは考えられない早い登場にもかかわらずすごくいいステージだった。ほんとにウェールズ出身のバンドはいいメロディーを書く。ダブルギターで演奏もすごく安定している。スカンク・アナンシーみたいに破錠した危うさはないけれど、ボーカル=ケリスは白いワンピースをまとって、ちょっと太めだけれどフェロモン光線ビカビカ。途中で「日本ではこれが流行ってるんでしょ」と言いながら、タオルを頭に巻きつけてみんなとの一体感を出そうとするが、これもまた自然に行なわれていてすごくいい感じ。 そうか。 イギリスの田舎者が、同じ島国の日本の田舎でステージをやっているんだからハマるのは当然か。 恐らく苗場のステージに一番お似合いだったのはカタトニアだったのかもしれない。

オーシャン・カラー・シーン (Green Stage: Day 3)
「まったり観るかあ」と思っていたのだけれど、1曲目で「Hundred Mile High City」じゃあどうしようもない。ステージ前に駆け寄る。 でもその後はちょっと新鮮味に欠けるような、バンドに覇気がないような感じがして、レジャーシートのところへ戻る。(・・・・だって心地いいんだもん。) 去年の来日公演の時には帽子で気が付かなかったけれど、ギターのスティーヴの頭は相当危ない。 でも彼のレスポールゴールドトップの音はまろやかでかっこいい。 それにレジャーシートで横になりながら観るオーシャン・カラー・シーンもなかなか。お約束の「The Riverboat Song」や、”スティーブがピアノを弾くよ”ってな「Better Day」も結構良かった。 昨年同様黒人キーボーディストとローディーっぽいおっさんをゲストに迎えた「Traveller's Tune」も味があった。「We never leave fuckin' this early.」と言って去って行ったが、「Day Tripper」で戻ってきた。(・・・がしかし途中でギターの音が出なくなったりしていた。) 絶好調とは言えないステージではあったが、とにかくレジャーシートに寝転がって友達と話しながら観るオーシャン・カラー・シーンはやっぱり贅沢であった。

バーナード・バトラー (Green Stage: Day 3)
急遽出演が決まった、言わずと知れたスウェードの元ギタリスト兼メインコンポーザー。 ひょっとしてクリームを脱退した頃のエリック・クラプトン。 でもこの時間帯は思いっきり眠かったので、なんだかウトウトしながらバーナード・バトラーを聴くことになる。 時々入るギターのオブリが気持ちいい。 そんな心地よさで目をつぶってしまい、ちょっと昼寝して起きると、ステージにはまだバーニーがいる。 うーーーーん。最高の贅沢。とにかくこれがセットリスト!(Thanx, Eri-chan!!) 
  1. You Just Know
  2. What Happened To Me
  3. Friends & Lovers
  4. Not Alone
  5. Let's Go Away
  6. Cocoon
  7. Autograph
  1. A Change Of Heart
  2. I'd Do It Again
  3. If I Could
  4. You Must Go On
  5. Has Your Mind Got Away?
  6. Stay




他にも奥田民生、Femi Kuti、Stevie Salas Colorcode、UAなども観たのですが、その辺は割愛させてもらいます。m(_ _)m


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Send comments to: Katsuhiro Ishizaki

Last updated: 8/ 6/ 99