■ 日本武道館 - 2/23/94

当時のトレンド・メーカー、レニー・クラヴィッツの4度目の来日公演である。バンドは以前より人数を減らしてシェイプアップしていたが、前年の来日よりもライヴへの動員数、規模はさらに拡大。その神神しい姿を見るために集まったファン達で、ここ日本武道館は超満員の状態である。客電の落ちた時の歓声はものすごいものがあった。

「ウー、イエア!」...レニーである。さらに長くなった髪をなびかして、いきなり最初からぶち切れている。音もでかいぞ！ 曲は「Is There Any Love in Your Heart」だ。続いて｢Stop Draggin' Around」へとなだれ込む。テンポが格段に速くなっていて、小気味のいいナンバーに変貌していた。

「Always on the Run」では長ーいインプロビゼーションを交えてのメンバー紹介。レニーも気持ち良さそうに首を振り、ギターを淡々とカッティングしている。途中で「Eluthiria」のフレーズも飛び出して客を熱狂させていく。「Sister」も同様に長く余裕のある演奏であった。

「Mr. Cab Driver」から「Flower Child」へのメドレーもスムーズで、客も歌う歌う。最後の「Let Love Rule」でレニーは客席にまで飛び降りて、客とのコミュニケーションを計らんとしている。ここでも長い長いサビの大合唱。なおかつアカペラで歌わせたかと思うと、突然バンドの演奏が入って終わるという、劇的なフィナーレを演じて見せた。

しかしこれだけでは終わらない。アンコールで「It Ain't Over Till It's Over」と、待ってましたとばかりに「Are You Gonna Go My Way」が登場。さらに音圧は高まり、それと同時に客のテンションも最高潮に高まってのエンディング。誰もがもっともっとと願わんばかりの様子で、アンコールを呼ぶ声と拍手が鳴り止まなかった。