■ 横浜アリーナ - 2/29/00
■ 横浜アリーナ - 3/ 5/00
■ 横浜アリーナ - 3/ 5/00 (reported by しげやん)
▼ 2月29日
「テ、テ、テレキャス!!!????」・・・・・・といきなりギターの話で申し訳ない(笑)。しかしビックリしたなあ。いや、ステージ前に張ってあった暗幕が落ちた瞬間、ステージに誰もいなかったこともビックリしたけれども(爆)、それよりも何よりも(恐らく)テープで流された「Fucking In The Bushes」の後、ノシノシと登場したメンバーの1人=ノエル・ギャラガーの手にしたギターが、フェンダーのサンバーストのテレキャスターだったことにビックリした。(キースリチャーズとか浜田省吾とか(笑)、ブルーススプリングスティーンとか、その手の人が使っているギターです。) 何せ「フェンダー嫌い」で有名なノエルがまさかフェンダーの王道ギターを手にするとは・・・・。で、この瞬間に1曲目が「Go Let It Out」だということはなんとなく想像が付いてしまった。なぜならアコースティックっぽい音を出せるギターだから。
とまあ、メンバーチェンジでセカンドギタリストとしてゲムが加入したこともあってどうしても最初の興味はそっちの方、つまり2人のギタリストに対して向けられてしまうのは病むを得ないのだが、いや、セカンドギタリストと呼ぶにはもったいないなあというのがこのライヴを通じての印象だぞゲム。なぜなら前から4列目、なおかつそのゲムの真正面という自分のポジションにあって、イヤが上でも目と耳に飛び込んでくるゲムのギタープレイは、コードカッティングに終始していた前任のボーンヘッドと比べ物にならないぐらい達者で快活。はっきり言ってノエルのそれを上回るぐらいの勢い。なにせ「Go Let It Out」で手首をクルクルさせながらいきなりノエルのソロパートを奪い、弾きまくって弾きまくったのがこの影のセカンドギタリストだ。ノエルとボーンヘッドのパート両方を丹念にコピーしたに違いない。 頭をフリフリ、両足フミフミ、ギターをガシガシする裏で結構練習してましたね、あなた。
さて、お待たせしました。ボーカルのリアム・ギャラガーです。ブラックの靴とジーンズのその上にコート着込んで、目にはサングラス、もちろん手には黒いタンバリン。「Go Let It Out」の時からシャラシャラ鳴らして、しょっぱなから向かって右側のスピーカーのところに這いつくばって客を煽りながらタンバリンシャラシャラ。ステージから距離がないせいか、このリアムのタンバリンの音がすべて生音で聞こえて、もうどこへ行ってもシャラシャラだ。でもスナップを利かせたタンバリング(?)はさすがうまい。たぶん。
次の「Who Feels Love?」では、ノエルのギターアンプの横のところに白いカップに入った紅茶(?)を何気にスタッフが置き、それをリアムが飲むといった一幕も。「もう一杯くれい!」みたいなゼスチャーをしてもう1杯もらっていたリアム。その後はペットボトルのミネラルウォーターを、その蓋を観客席に蹴飛ばしておどけながら飲んでいたリアム。ステージ前に仁王立ちして遠くの一点を凝視し続けるリアム。がに股歩きで手をブラブラさせているのに、歌に入るやいなやスッっと腕を組み、応援団ポーズになり、そのまま動かないという様はなんとなく滑稽でありながら、これがリアムだよなあ、俺は俺でなければならないだよなあ、と思わせる、そんなリアムなのである。
イントロで鳴らされるドラムのビートからすでに大歓声「Supersonic」。ノエルのギターは白のリッケンバッカーからこれまた高そうなギブソンレスポールスタンダード(・・・最近の写真とともに写っているやつ。)だ。ぶっといイントロが会場に響き渡って、リアムがシャウトして、ゲムが何気に細かいプレイを聴かせて・・・・・って書いてきたら思い出したベースのアンディ・ベル。ベース自体がなんだかオアシスっぽくない黒のゴツいものなんだけれども、ボーダーシャツとブロンドヘアーのカッチョメンはバンドの華。果たしていつまでいられるか分からないそんな人なので、ここで見られるだけでかなり貴重。
短く曲紹介をしての「Some Might Say」。この曲はブレスが少ないので一緒に唄っているとかなり疲労困ぱいする。だんだん頭に血が通ってこなくなるのが自分で分かる。そしてこれまた何百万円はしそうなギブソンレスポールにカポを付け、オリジナル通りにヘリコプターが飛ぶ「D'You Know What I Mean?」。アルバム「Be Here Now」からは演奏しないのかな?と思っていたのでこれはちょっと意外。でも前回の来日公演時の演奏よりも数段グルーヴしていたと思う。足元のエフェクターを調節しながらのアウトロでこの曲はフィナーレへ。
ちょっとばっかりサプライズの「Acquiesce」ではやっとこノエルのボーカルが聞けた。それも終わりの終わりにストーン・ローゼズ「Sally Cinnamon」のギターフレーズを挿入するオマケ付き。そしてそのままノエルのボーカルで「Sunday Morning Call」。ここでステージのバックにゆったりとした絵が登場し、キーボーディスト横のターンテーブル(?)の色とマッチングしてすごく綺麗。これはオアシスとの結構意外なマッチングである。いやん、まいっちんぐ。
ちょっとテクニカルトラブルがありながらニューアルバムの中ではちょっと地味目の「Gas Panic!」へ。アルバム発売後1週間程度しか経っていないのに、すべて歌えるオーディエンスが周りに何人もいる。すべて歌える曲といえば次の「Roll With It」はそれに輪をかけてすべて歌える曲だ。「ろーうぃずぃ」とマンチェ訛りで紹介するとやはり大歓声。「You gotta roll with it, you gotta take your time, you gotta say what you say, don't let anybody get in your way・・・・・」と一気に歌い続けるとこれまた酸欠で頭がボーっとしてくる。リアムには届いていたんだろうか、こんなみんなの声が。
個人的なこの日のセカンド・ベスト・サプライズ、それは次の「Stand By Me」。シングルになるにはなったけどやっぱ地味だよなあ、という選曲だったけれど、ゲムが柔らかくギターのカッティングを始めるとそんな思いもどこへやら。前回の来日時には声がガラガラで柔らかく歌えなかったこの曲だけれど、さすがに世界ツアー初日とあってリアムの声は絶好調。はっきり言ってニューアルバムでのボーカルよりも伸びがあってファーストの時みたいな豪快さと透明さが戻っている感じがした。そんな状態で歌われる「Stand By Me」が悪かろうはずはない。リアムのボーカル的には本日のベスト。
これまたギブソンギターからぶっといイントロが聞こえてきて、ホワイティーのスネアがカンカン勇ましい「Cigarettes & Alcohol」。「俺、昔はこの曲嫌いだったんだよなあ」なんてことを回顧しながら、R&R的ノリから見るとこの曲の演奏が本日のベスト。アウトロでリアムが消えて、前回のツアー同様、残ったメンバーでレッド・ツェッペリンの「Whole Lotta Love」へ。メロディーラインはオルガンがサポート。しかしここでのオブリガードもゲムが弾いていたのにはビックリした。自分の視線の先にはノエルよりもゲムがいた時間の方が長かった。
マンチェ訛りで何を言ってるんだかさっぱり分からなくて頭の中が「?」マークで一杯になったけど、ピアノのイントロで目が覚めた「Don't Look Back In Anger」。これもイントロと曲間のオブリガードはゲムにお任せという感じなのだけれど、はっきり言ってノエルのオリジナルを完コピ(笑)。しかし最後の伴奏なしで「Don't look back in anger〜♪ I heard you say〜♪」と歌うところをみんなで合唱できたことにはちょっと感動。イギリスとかだったら客の歌でノエルの声なんて聞こえなくなっちゃうんだろうなあ、なんてことを想像しながらだったけど。
本編ラストにはちょっと不似合いかな?ってな「Live Forever」。「さんきゅー、ちあーず、ぐっない!」・・・・・・・・・・・・・・程なくしてステージに戻ってきて「Champaign Supernova」。ゲムとノエルとのユニゾンプレイが印象的。 今思えば、いやあやっぱりこの壮大で幻想的なナンバーで終わりかあ、やっぱり俺の予想が当たったぁ〜、と思ったのもほんの束の間の出来事だったなあ・・・・・・。
ノエルがまたカポ付きのギターを取り出して、「次のが最後の曲で・・・・」とか言う。ここまでゴールデンヒットパレードを連ねて、あと一体何をやるのかいな? と思っていたら、「ろくろすた」との発言がボソっとノエルの口から出た。何を言ってるのか分からなかったのだけれど、ノエルのコードカッティングに引き続きゲムが3弦の6フレットをグイーーんとチョーキングしてチョーキングダウンすると一発で分かりました、「Rock & Roll Star」!!!! ・・・・・・・・・・・絶叫。 演るとはまったく思っていなかったので、これが本日のナンバーワンビッグサプライズ。「とぅなーーーーーぃ、あまろっくんろーーーすたーーぁ」と歌うリアムの姿的にもこれがこの日のナンバーワン。
タンバリンを下に投げつけ、また拾って客席に放り投け、ギターを弾くマネをするリアム・ギャラガー。ドラミングのポーズまで披露したリアムは、まるで「これがロックンロールスターっちゅうもんや!」というのを体で表現しているみたいな感じだった。 フィードバック音を自分の足で止め、自分で上着を拾って、ステージを颯爽と後にするノエルの姿は、これまたロックンロールスターっぽくない佇まいで結構笑えたが。
オアシスの来日公演って、過剰な期待と、その過剰な期待によってある意味で勝手に描き塗りつぶされたイメージとに、そのライヴ自体がマッチングするかしないかとの狭間でいつも賛否両論を巻き起こすが、今回(今日)、自分が感じたところでは、なんとなくみんな「オアシスのライヴってこういうものよ。」ということをを理解できるようになったんじゃないかなあと思えるようになった。それは自分を含めてのことだし、「なすがままにしていればいいのよ。歌いたいやつは歌って、席はあるけど踊りたいやつは踊ればいいのよ。」という本来あるべきライヴのオーディエンスとしての基本的なスタイルをこれまでのオアシスのギグから学び取ってきたのかなあ、なんてことを感じたのである。周りはどうだ、あいつは踊ってねえ、こいつは歌ってねえ、合唱するのがオアシスだ、などという、自分の不満はすべて他人のせいだ、みたいな視点から脱却して、まさにこの日リアムが我々に指をかざして歌った「You need to be yourself」、というフレーズが、ようやく我々個人1人1人のものになれたんじゃないかと感じた。
- Intro: Fucking In The Bushes
- Go Let It Out
- Who Feels Love?
- Supersonic
- Some Might Say
- D'You Know What I Mean?
- Acquiesce
- Sunday Morning Call
- Gas Panic!
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- Roll With It
- Stand By Me
- Wonderwall
- Cigarettes & Alcohol
- Don't Look Back In Anger
- Live Forever
- Champaign Supernova
- Rock & Roll Star
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▼ 3月5日
笑いたければ笑ってください。筆者はこの日、大事なチケットを紛失してしまいました。通勤用のバッグに入れっぱなしにしておいたのが悪かったのか、それとも立見チケットということでぞんざいに扱っていたのが悪かったのか、探してみてもチケットはどこにも見当たらない。来たことがある人には分かるだろうけど、我が家にはモノというモノがほとんどなく、このモノがあるとすればココ!というところを2,3探して無ければ家にそのブツが無いことはほぼ確実、といったそんな状態だからして、よって何者かが勤務中にチケットをバッグの中からパクったものと諦めて、この日のライヴはなし・・・・・・・・といきたいところだがそこはKats。とりあえず向かいましたよ横浜アリーナに。
最寄の新横浜の駅に着いたのが開演をとうに過ぎた6時15分ごろ。でも前回は前座もあったし・・・・と考えたけれども、ダフ屋すら見当たらないこの閑散とした駅周辺を見るに付け、「前座があったら当日券でも・・・」との目論みは見事に外れ、どうにか途中からでもオアシスを観ようと会場に駆け込む数人のオアシスフリークを横目にアリーナ周辺をトボトボ歩き始めたワタクシ。そして見つけましたスイートスポット!! 関係者用の駐車場付近! 機材車の真横! 聞こえる聞こえる、リアムの「とぅしぇいかろーんうぃみ〜〜〜♪」という声が! おお!「Shakermaker」だ!(・・・とは言っても質の悪いブートレグみたいな音だけど。)
駐車場入り口付近に座り込み、オアシスの演奏に耳を傾ける自分。「Shakermaker」という反則ナンバーに引き続き「Acquiesce」のリフが聞こえてくる。気のせいかリアムよりもノエルの声の方が張りがあって外までよく聞こえる。「Sunday Morning Call」「Where Did It All Go Wrong?」での彼の声も非常によく通っていて気持ちがいい。今日は余り寒くないので、外でじっとしていても全然平気だ。
女の子の「キャーーー!!」という声が外まで聞こえてきた「Roll With It」。でも観客の歌う声は外までは響いて来なかったなぁ。それに対抗するわけではないけれど「Stand By Me」ではリアムの声に合わせて一緒に歌ってしまった。タバコを吸いながら夜空に向けてオアシスの曲を歌うという、中にいる人間には到底できやしないことをここで出来るという幸福感。でもほんのちょっとだけ風がでてきて冷え込んできた。
「Wonderwall」の途中でいきなりオーディエンスのこの日一番と言ってもいい大歓声が聞こえてきた。なんだろうなあ?リアムか誰かがフロアにでも降りたのかな?などと推測していただけれど、後で友人達に聞いたところによると、ここでリアムは歌詞を思いっきり間違えたという。なんだかラリっていたみたいだったとの弁もあり。ピアノの音色がアウトロで綺麗に響き渡ってこの曲もお終い。
ホワイティーのバスドラの音が横アリ外の窓ガラスをビリビリ振動させて始まった「Cigarettes & Alcohol」。やっぱりいいなあこの曲。終わりはやっぱりLed Zeppelinの「Whole Lotta Love」。ノエルのギターのフィードバック音まで聞こえてきた。
ノエルの歌声が夜空に響き渡った(笑)「Don't Look Back In Anger」。終わりのところで軽く「さんきゅー」。メロディーを若干違えて歌っていたところが印象的。そして本編最後は「Live Forever」で、ノエルのギターソロが2弦の17フレットを使うところを15フレットのチョーキングで済ましていたりした。(・・・・・俺ってかなりバカっす。どうでもいいことっす。けど気になったっす。)
アンコールが始まるまでちょいとタバコでも買いに行くか・・・・・・と思っていたらいきなりスタートしてしまいました「Rock N' Roll Star」。「あれ〜〜? シャンペン・スーパーノヴァはぁ??」というツッコミも許さぬままにショーは合計1時間半弱で終了。程なくしてアンコールを求める拍手と共におびただしい数の人間が横アリのゲートから吐き出され始めた。「よかったー!」とか「すごかったーー!」などという声は一言も聞かれないまま・・・・・。
友人達の会話の中にも「調子が悪かったみたい」「不完全燃焼かなあ」などという声が異口同音に聞かれたこの日のギグ。外で熱燗でも飲みながら「おお!ワンダーウォールじゃん!」とかやれたらもっと良かったろうになあ、なんて考えていたが、オアシスの音を会場の外でただ1人聞くという貴重な経験だけを胸に、「チケットは立見だったからまあいいかあ。ネタ的にはこっちの方がちょっとだけ美味しいもんね。」などと思ったオアシスの休日公演でした。 でも本当は途中からでも「金払って中に入りたい!」と自分を突き動かすような音が聞こえてきていたらもっと良かったんだろうなあ、などという思いもあり、ちょっと複雑です。
- Intro: Fucking In The Bushes
- Go Let It Out
- Who Feels Love?
- Supersonic
- Shakermaker
- Acquiesce
- Sunday Morning Call
- Where Did It All Go Wrong?
- Gas Panic!
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- Roll With It
- Stand By Me
- Wonderwall
- Cigarettes & Alcohol
- Don't Look Back In Anger
- Live Forever
- Rock & Roll Star
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