■ 代々木第一体育館 - 12/17/93
Page・Plantではない。Coverdale・Pageである。名前の通り、元Deep Purple、Whitesnakeのボーカリスト、David Coverdaleと元Led Zeppelinのギタリスト、Jimmy Pageのプロジェクトである。この二人で一枚アルバムも作ってしまったのだ。その二人の来日公演。というよりもこの一連の日本公演が彼らの唯一のコンサートとなってしまったのである。ただの金目当てかあ、そう思った人も多かったに違いない。
しかしそこはJimmy Pageである。彼にとっては70年代にZeppelinとして来日して伝説のライヴを行って以来の久々の来日なのだ。もう昔のような演奏は出来ないということは、最近のコンサートの映像、音源などから明らかなのではあるが、Led Zeppelinの幻影を求めてやってきたファン達で、この日の代々木オリンピックプールもほぼ満員の状態であった。まあ私もそんな大勢のうちの一人だったわけだけれど...。
何はともあれJimmy Page、となれば当然Zeppelinナンバーを期待するわけである。その期待に違わず、彼らは5曲のZeppelinナンバーを披露してくれた。
まずCoverdale・Pageのアルバムから3曲を演奏してから、いきなりきました「Rock 'n' Roll」。一生懸命にソロをオリジナル通りに弾かんとするPageだが、いかんせん指がついていかない。無茶苦茶ぼろぼろのソロで終了。やっぱ今のJimmy Pageは70年代のそれではなかった、ということが残酷なまでにはっきりとする。よって客からの拍手も暖かい。David Coverdaleも「モンダイナーイ」と叫んでその健闘をたたえる(?)。
つづいて「Kashmir」。淡々としたリフが延々と続く。キーボードの音が大きく聞こえたのは単なる気のせいか。後半には「In My Time of Dying」で、スライドギターを聞かせ、Pageのソロコーナーでこれまたスライドを使ったりして「White Summer」の独奏。このソロの後にPageのMCがあって、非常に和やかなムードが会場をただよったのもつかの間、アンコールでは「Black Dog」の登場である。Davidも頑張って得意のハイトーンシャウトでPageのリフに対抗する。
そしてDavid Coverdaleと言えばWhitesnakeだ。彼らの代表曲、「Here I Go Again」「Still of the Night」なんかもやったが、全くの不評。それはいかにPageを見に来た客が多いか、逆に言えばZeppelinの曲を期待していた客が多かったかを示していた。曲の合間にもZeppelinの曲のリフなんかも少しずつ聞かせたりして、一応そんな欲求を最大限に満たしてくれるような構成になっていた。
しかしながらこのコンサートが終わった後、PageはPage・Plantを、そしてCoverdaleの方は再結成Whitesnakeでツアーをまわるなど、残念ながらその後の両者にはまったく接点が無くなってしまった。ライヴ自体はボロボロだったが、まあ貴重なライヴを観てしまったかな、といった感じでもある。
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Send comments to: Katsuhiro Ishizaki Last updated: 12/31/97
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