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Primal Scream | カオルくん、いいなあビール。 |
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■ 東京ベイNKホール - 2/13/00
いきなり実名入りで失礼。
ライヴが終わって、友達のMitzさん、Sannoさん、だいらさん、カオルくんの4人と合流した時のこと。 最前列で観ていたというカオルくんがボロボロになった缶ビールを持っていて、一体なんだろ、と思っていたら、「マニが投げたスーパードライ」だと言う。隣で一緒に観ていただいらさんも「中身が飛び散って自分にまでかかった」という。 それも前にいたセキュリティーに当たって跳ねかえったらしい。 要は客席に向かってマニが350ml缶を投げたわけではなく、盛りあがっていた客をぞんざいに扱っていたセキュリティーに怒ったマニが、中身の入った缶ビールをそのセキュリティー目掛けて投げつけたってことならしい。そしてそのビールをカオルくんが拾った、と。 (・・・美味そうに飲んでいてうらやましかったよ。)
そんでもってすべて納得。 自分は結構後ろの方で観ていたのだけれど、ボビーが突然「Fuck the security! Fuck the security! Fuck the security!」といったシュプレヒコールを挙げ始めたり、マニが「Don't fuck with our fans!」とマイクに向けて叫んだりした理由が全然わからなかったから。 (fuckの使い方に関しては「Survival English」を参照のこと(笑))。
なんとファン想いのプライマル・スクリームよ、って感じだけど、いや、全編を通してそんな健康的なプライマル・スクリームがステージを支配していた。何と言っても開演時間の7時ぴったりにショーはスタートしたしなぁ。
赤のパーカーに黒いサングラスのボビー。 どう考えてもニューアルバム「XTRMNTR」の色に合わせたとしか思えず、なおかつ両サイドに設置されているスクリーン(・・・ちゃっちいけど。)の映像色ともマッチングしている。ベースのマニはマッシュルームカット(?)っぽいヘアースタイルに色がたくさん入ったシャツだったかな? 後の残りのメンバーは・・・・まあいいでしょう。 あ、ちょっと待って。 ケビン・シールズ。 彼は地味〜〜〜に赤いギターを弾いておりました。ほとんど顔を上げずにね。
いきなり「I said you're gonna help us !」とフロアに向かって叫ぶボビー。その他はやたらと「fuckin'」なんたらかんたらという話が多いなあと思いつつ「Swastika Eyes」。 これをしょっぱなから、とは思っていなかったのでちょっとビックリ。 でもフロアーはもう熱気ムンムン(死語)。けど自分は風邪気味なのでかなり自嘲気味。人の少ないところでボケっとしている感じ。
ニューアルバム「XTRMNTR」からの曲を中心にショーは進んでいくのだけれども、なにせボビーとマニの元気さがやたらと目立つ感じ。ヨレヨレ感を感じさせずに踊るボビー。ニコニコしながら手を振るマニ。ギターの彼も終始ニコニコで、時にはボビーの声に合わせて歌詞を口ずさむなんてことも。
このショーを通じて個人的に特にすごく良かったところは以下の3点。
(1).... 「Burning Wheel〜If They Move, Kill 'Em〜Out Of The Void」の「Vanishing Point」からの3連発。テクノ&ダブ寄りの音でも、やっぱメロディックな方が肌に合うなあと思った「Burning Wheel」。そしてプライマルの曲の中で最も好きであろうこの曲をオリジナル通りに演ってくれて嬉しかった「If They Move, Kill 'Em」。 そして「technical difficulties」がありながらボビーのヨレヨレバラードが風邪気味な自分の鼻奥をくすぐる「Out Of The Void」。 どれも大変よかった。
(2).... これはローリング・ストーンズ・マニアじゃないと分からないであろう話し。 なんだか知らないけど「リトル・リチャードによって書かれた歌で、Get your rocks off---!!!って歌だ。」と言って始まった「Rocks」が終わったとき、ボビーはなにげにこんなことを言った・・・・「Thank you kindly. I think I busted a button on my trousers.(どうもありがとう。ズボンのボタンが飛んじゃったみたいだな。)」・・・・・・・・・。ね、分かるでしょ? そうです。ストーンズのライヴアルバム「Get Yer Ya-Ya's Out」の1曲目「Jumpin' Jack Flash」が終わったときにミックジャガーが発する言葉と全く同じ・・・・。よく「Rocks」は「ストーンズのパクリだ」と言われてきたことに対するボビーのメッセージなのかは知らないけど、とにかく気が付いたのは俺だけかなあ・・・・なんて勝手に優越感。(=かなりバカ)
(3).... アンコールに演奏された「Medication」。ここ1週間ぐらい、なんだか知らないけどまるで狂ったようにハマってしまったのがこの「Medication」だったのである。「Vanishing Point」収録の曲だが、とにかくこのアルバムの聴き始めは必ず「Medication」。寝て起きたら「Medication」。通勤時には「Medication」。夕飯前に「Medication」。もちろん寝る前にも「Medication」、という感じだったのだけれど、とにかく今のプライマル路線からは逸脱しているこのナンバーをまさか今日のライヴで演ってくれるとは思っていなかったので、このイントロが流れた瞬間、思いっきりガッツポーズ。いまだに好きでいてくれたんだあ、という嬉しさ余って鼻水タラリ。
前述した「Rocks」でみんな前に押し寄せてしまって辺りが閑散としてしまったり、「Higher Than The Sun」の時にファンの子をステージに上げてボビーと一緒に踊ったり、後ろにいた2人のブラスセクションの存在がかなり危うかったり、マニの「こんばんわトーキヨー」という挨拶には思わず「ここはチバだっちゅうの。」とツッコミ入れたくなったり、2回目のアンコールには曲名不明の3コードなナンバーを演奏したり(・・・ボビーはただ「いえーいえーいえー」と唸っているだけ。)、その曲が終わると「かもーーーん!! 手を見せろみんなーーー!!」と叫んだり、とそれなりに色々あった。
けどとにかく、「XTRMNTR」からの曲はひたすら暴力的に、その他の曲はひたすらピースフルに、というまったく異なる印象を与えたのがこのギグの象徴的なところだった。おそらく「Screamadelica」や「Vanishing Point」といったアルバムが出た直後のライヴもそんな感じだったのではないかと思うけれども、プライマルスクリームの作品というのは、いつもいつもその時代の空気よりも1/4歩ぐらい先の音を消化していて、それがゆえにニューアルバムからの曲は先鋭的に、逆にその時代を通過していった過去の曲群は牧歌的に、それぞれ響くんだろうなあと思った。「XTRMNTR」も1,2年後にはとても耳障りのいい作品になるんだろうなあ、なんてことを想像したりして。 今頃になって「Vanishing Point」の良さに目覚めてしまった自分は間違いなくそうでしょう。
とにかく風邪が悪化しなくて良かった。倒れたらどうしようと思っていたからね。 このレポートもライヴ直後に書いてるし、大丈夫でしょう、きっと。
- Swastika Eyes
- Shoot Speed / Kill Light
- Exterminator
- Burning Wheel
- If They Move, Kill 'Em
- Out Of The Void
- Kill All Hippies
- Blood Money
- Pills
- Rocks
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- Kowalski
- Accelerator
- Higher Than The Sun
- Medication
- Movin' On Up
- ?
- Kick Out The Jams (MC5 Cover)
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Page maintained by: Katsuhiro IshizakiLast updated: 2/ 13/ 00
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