Limp Bizkit ほんとばか。

Reading Festival - 8/25/00


ウェス! ロンドン近郊にしては珍しく、快晴のフェス初日。そんな真っ昼間からリンプビズキットである。この日のメインステージにおけるラインナップのちょうど真ん中あたりに出演することになっていて、彼らのために取られている時間はたったの50分。短すぎ! 

6万を超える大観衆で、まだフェスが始まったばっかりで、なおかつリンプだからして、自分はかなり臆病になっていたので、気持ち後ろの方に陣取ってみる。

ちくしょう。あんまり見えねえ。

リンプの青い垂れ幕がステージ後方に掲げられると大歓声。「INTRO」にのってバンドが現れるとこれまた大歓声。人という人が後ろから前へと流れ込んでくる。(踊りもしないのに。)

「リーディングフェスティバルに呼んでくれてありがとう。俺らはねえ、「れ」じゃなくて「りー」だと思ったんだよ。みんな本を読まなくっちゃな(=Everybody got to read.)。さあみんな座って座って・・・・・。アメリカ人だからな。しょうがねえよな・・・。 おめえら、ファッキン・フーファイターズを観に来たのか? それともファッキン・オアシスを観に来たのか?」と言いながらうろうろしているのは赤い帽子に黒Tシャツのボーカル=フレッド・ダースト。顔面どころか髪の毛も真っ白のウェスも、ギターをぶん回しながらステージ上を暴れまわっている。でもライヴでのリンプって、レコードに較べて音がちょっと薄めに聴こえるのが残念なんだよなあ。 それにこれだけでかい会場だと音が拡散するみたいで、なんだか音の歯切れが良くないようにも聴こえるし。

「Break Stuff」はオリジナルよりも長めに演奏されていて、その後半部分がかなりかっこいい。「女の子はいるかぁ〜!? いたら男は女を肩に担ぎ上げてくれ〜! そしてそんな女の子に捧げる歌だ〜!」と言って始まったのは「Faith」。原曲は地元出身のジョージ・マイケル。よって大合唱・・・・となるかと思ったらそうでもない。フレッドが曲の途中を客に歌わせようとするがあんまり反応がよくない。もうこの曲もなんだかんだで10年以上前の曲。ここに来ている若いやつらはひょっとして原曲を知らないのか? ワム!ファンの自分としてはちょっとショック。「Get the f**k off!!」もひとりで盛り上がっちゃったよ。

中指! 「中指を空中に突き上げろ!さあみんな!」と言われれば従順にその通り行動に移してしまう我々。「さあ、みんなジャンプだ。さあ、こんな風に。さあこんな風に・・・・Just Like This !!!」という中々かっこいいMCと重なるようにして「Just Like This」のイントロが流れる。サビではみんな歌うぞ。周りの女の子がキャーキャーうるさいし。

そしてまたこれが始まった。「コーンを聴きたいやつはいるか?」「いえーい!」・・・・・コーンの「ブラインド」のイントロを弾いて寸止め。「レイジアゲインストザマシーンは聴きたいか?」「いえーい!」「さあ、ボムトラックだ! おーーいえー、おーいえーー!」・・・・・レイジの「ボムトラック」のイントロのみの寸止め再び。「さんきゅー。ウェスは歌えるんだけどしゃべれはしないんだよ。」・・・・・メタリカの「マスター・オブ・パペッツ」をウェスがギターを弾いて歌う。「さんきゅー。さあ、こんなのはどうだい。ハウスオブペインは好きかぁ? あん?」・・・・・ハウスオブペインの「ジャンプ・アラウンド」を完全にフルバンドで演奏。これだけはそれまで静まり返っていたオーディエンスも大合唱&大ジャンプで迎える。おい〜〜〜、へんな所で盛り上がるなよ〜〜〜。

紙吹雪! サビをアカペラで歌ってみせてからイントロへ突入の「Nookie」。これもかっこよかったなあ。それにしてもここで宙を舞った紙吹雪はすごかった!! まったく視界が利かなくなるし、演奏している本人達も紙吹雪をかぶりまくりだし、風でどんどん後ろの方に流れていく壮絶な光景。これは屋外じゃないと雰囲気出ないだろうなあ。これを屋外でやったらなおさら大変なことになるかもしれないけれど、花火を2発も上げることはできないかもしれないな。

「もう1曲だけやるぜ。これは次の新しいアルバム"Chocolate Starfish and the Hot Dog Flavored Water"に入るかもしんないやつで、ミッションインポッシブルにも入っているやつで・・・(大歓声)」と言い終わるか終わらないかのうちに「Take A Look Around」へ。このライヴを通じて1番反応が濃かったような気がするこのナンバー。歌うの大好きイギリス人は、歌えるところはとにかく歌う。踊らなくても歌うのは大好きなのさ。そしてステージからまた花火が上がる! しかしこれってまるでメタリカみたいだ・・・・。

ゴミ! ステージはすべて終了したが、大量に撒かれた紙吹雪だけは地面のみならずステージ上にも残ってしまった。結局その後のブルートーンズもプライマルもオアシスも、紙吹雪で汚れたステージで演奏するハメになってしまったのだ・・・・・。

やっぱりやるなあリンプは。

しかしこんなリンプでも、こんなフレッドでも、「あんまり前に押すなよな。誰にもケガをしてほしくないからな・・・・」などという言葉が口から出ていた。言わずもがな、これは大量の死亡者が出てしまった7月のデンマークにおけるフェスでの悲惨な事故の影響である。そしてこの事故は、このリンプだけでなく、その後の他のバンドのパフォーマンスにも少なからず影を落としていることが、追々分かっていくのであった。



  1. Intro
  2. I Am Broke
  3. Break Stuff
  4. Faith
  5. Re-Arranged
  6. Just Like This
  7. Blind(Korn) - Bombtrack(RATM)
    -Master Of Puppets(Metallica)
    -Jump Around(House Of Pain)
  8. Nookie
  9. Take A Look Around


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Last updated: 9/ 10/ 00