Reef 押し倒しで横綱の負け。

新宿リキッドルーム - 2/5/00


「整理番号13番」・・・・・よって最前列レポートになるはずだったのだが、この日突然仕事が入ってしまい会場到着が開演時間をちょっと過ぎた頃になってしまってまったく申し訳ない。でも、「ステージ左側の方にささーっと歩っていくKatsさんが見えた。」という審査員席しげやんの言葉通り、迷うことなく、当然のごとく、何はともあれギターのケンウィン側アンプ目の前をキープする。そりゃあそうだ。自分はこの人のギターを聴きたくて、それもアンプからの生音を聴きたくてここに来たようなもんだから。

前座の日本人バンドのプレイが終わって待つこと20分。クシが通らなそうなほどハチの巣状態のアタマをしたジャックがレッチリのフリーみたいに「New Bird」の歪んだベースラインを弾き始めてショーはスタート。いやまあ、今月のロッキングオン=渋松対談での言葉そのまんまに、前座の日本人バンドはただ単に音をでかくしただけのロックもどきみたいなもんだったなあ、と感じさせるほど、リーフが弾き出す音っていうのはクリアーで耳障りが滑らか。(・・・でもその前座バンドも良かったよ。特にベースの人がかっちょよかった。)普通こんなに前の方で観ていると、音がアタマの上を通過して行くような心地悪さを感じてしまったりするものだけれど、リーフに関してはそんなことは全くない。ヘッドフォンでCDを大音量で聴くよりもさらに音の輪郭がくっきりと聞こえてくる。さすがだなあ、さすがだね。

自分のレポートは、いつもこの辺で各メンバーの様子をきっちりと伝える、というのが一種の通過儀礼となっているけれども、今日もその習慣にきっちり従い、一応見たまんまにメンバー紹介を行いたいと思う。 

まずボーカル=ゲイリー。ラコステの赤いポロシャツの襟を立てているのが妙に気になる。しかしヘッドフォンできっちりバンドの音をモニター。なおかつそのヘッドフォンからのコードをポロシャツに穴を空けて背中から隠れるようにしてある。さすがプロフェッショナル。 

そしてドラム=ドミニク。リーフロゴのTシャツ。いつもニコニコ。フロアに投げるためにあるようなたくさんのドラムスティック。そして目の前に投げられたでかいペットボトル。 この人もヘッドフォンでしっかりモニター。 

ベース=ジャック。かなりでかい。ベースの位置はいわゆる「低」。弾いている時間より客を煽っている時間の方が長い。途中から袖なしのシャツに。途中の1曲だけ左利きのベーシストが登場。開演前のセッティングの時、左用のベースが1本あってありゃあなんだろう?と思っていたその謎がこれで解ける。

ギター=ケンウィン。マーシャルとローランド(?)のアンプ。ギブソンレスポール(ノーマルチューニング)、フェンダーストラトキャスター&テレキャスター(ドロップDチューニング)という「ギタリストぉ!」的なセッティングで、なおかつ新曲だけはなぜかギブソンSGでガシガシカッティング。 なんか知らないけどショーの最初の方はやたらニコニコ。ジャックに見つめられてなおさらニコニコ。でもゲイリー&ジャックがジャンプしてもこの人だけは絶対に飛ばない。指は動けど体は動かず。ステージ上での移動距離は半径2メートル以内。

なんかこう、モロに白人で、それが4人揃うと妙にアイドルチックで、それが目の前どーーーんにいて、ちょっと引き気味になった自分(笑)。ゲイリーの目がやたらでかくて、それがまた歩み寄って目の前に来て、ニコニコだかニヤニヤだか分からない笑顔を見せて、オロオロしそうになる自分。 ちょっと苦手だ、こういうのって。

ニューアルバムで1,2位を争うぐらいに大好きな「Who You Are」。そしてケンウィンがテレキャスターを持ったからひょっとして?と思ったらもう演ってくれた「Place Your Hands」。ゲイリーは全然歌わずに客の合唱を目を閉じて聞き入るのみ。自分も丸々1曲全部歌えるが、久しぶりに大声を出したので、喉の奥から出血の気配が・・・・・。 

「縦じゃなくて横だろう!」というツッコミを入れたくなるような周りのノリに辛酸「I Would Have Left You」。ゲイリーがアコギを、ジャックがエレピをそれぞれ担当してフロアーからの歌声に応える「I've Got Something To Say」。シングルカットはされたけど、こんなに人気があるとは知らなかったなあこの曲。ゲイリーが初心者みたいに指の位置を確認してギターを弾き始めたにはちょっと笑ったけど。

歌い終わって曲名を明かしたニューチューン「Get Away」では、「ほんとに新曲?」と思わせるほどジャンプ&ダンスの嵐で、てっきり自分の知らないシングル曲かなんかだと思ってしまった。でもこれはこの曲に限ったことではなくて、この日披露された新曲のいずれも非常にノリやすいポップチューンばかりで、ダレるどころかフロアーの盛りあがりがさらに大きくなった印象的だった。(・・・それともアルバム聴いてない人が多かったのかな?)

ニューアルバム「Rides」からはあまり演奏されずに(・・・「Wandering」もやらなかった!(悲))、「Come Back Brighter」「Summers In Bloom」「Good Feeling」といったファースト、セカンドの曲を中心としてショーは展開されていく。それは嬉しくもあり悲しくもありって感じだけれども、駄曲はひとつもなく、どれもこれもまるでシングルカットされた曲のように大手を振って迎え入れられていたのはすごかったな。ケンウィンのファンキーなカッティングのお陰なんだかわからないけど、「Wake」みたいなマニアックな曲を最後に持ってきて、なおかつダイナミックにフロアを揺るがせるところはリーフの底力だな。

「ゲイリー!ゲイリー!ゲイリー!」と叫ぶ女の子(=多分。)を指差してニコニコのゲイリーだが、突然何かにとりつかれたように「Fuckin' thank youuuuuuuu!!」と叫んだのにはビビった。 いやもっとビビったのはアンコール2曲目の「Speak Lark」(・・・・新曲だと思っていたがよく調べてみれば「Place Your Hands」のシングルカップリングだったと知る。)の時のこと。自分の前方の鉄柵に足を掛けて仁王立ちのゲイリー。 まさか、まさか、まさか、と思っていたらそのまま両手を広げてフロアーにダイブしようと体を預けてくる。「うわあー、ゲイリーの顔が目の前に迫ってきた!!」と慌てて手を挙げた瞬間、将棋倒しに合って横綱Katsもフロアーに撃沈。ゲイリーも近くで撃沈しているのを横目に見ながらどうにか体を起こして下敷きになっている人達を救出しようとするも汗で滑って無駄骨に。大きなケガをしたような人はいなかったようだけど、危ないっちゅうの!! そして下敷きになってしまった人、ごめんよーー。

けどそれが功を奏したのか、それともただ単にやけくそになったのか、周りの雰囲気はさらに殺気立ってエライことに。 ケンウィンがドロップDのサンバーストストラトを持ったので、「来るか?!」と思ったらやっぱり来ました「Naked」。ちょっとテンポダウンしていてノリにくかったけど、ギターソロでしっかりのけぞらせてくれました。ステージの両サイドにフロアーに向かってマイクが立てられていたので、ひょっとしてライヴレコーディングされているかもしれません。

とにかくやっぱり狭いハコで、なおかつその前の方でライヴを観るのはいいなあ、という当たり前のことを再確認。このところドーム、武道館と大きな会場でのライヴばっかりだったのでその実感も人一倍。そしてずっとケンウィン&ゲイリーを見上げていたので、首が嬉しい悲鳴を上げ始めたのには笑った。

しげやんがミキサーさんからセットリストをゲットしたのでそれを転記させてもらいます。どうもしげやん!


  1. New Bird
  2. Who You Are
  3. Place Your Hands
  4. I Would Have Left You
  5. I've Got Something To Say
  6. Sweety
  7. Get Away (new song)
  8. Come Back Together
  9. Summers In Bloom
  10. Good Feeling
  1. Undone And Sober
  2. Lately Stomping
  3. Super Hero (new song)
  4. You Are Old
  5. Wake

  6. Trashy (new song)
  7. Speak Lark
  8. Naked


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Last updated: 2/ 6/ 00