■ Texas A&M University-Commerce, Commerce, TX - 7/ 9/97
大学内にはってあったバンド紹介のチラシによると、このバンド、Sister7はテキサスのダラス、オースティンエリアで名を挙げている4人編成のオルタナ系バンドである。実際私もオンラインのチケット・インフォなどで彼らの名前は何度も目にしたことがあって、何でも全米ツアー中らしい。そんなメジャーな(?)バンドが、この学生数7千の田舎大学に来て、無料のライブをしていいものかしばし考えてしまったが、密かに楽しみにしていたのも事実である。
しかし私はそのライブの日を、インド人の友人から電話があるまですっかり忘れていたのであった。その時すでに夜の9時すぎ。行ってみるとショーは佳境を過ぎていた。たった数曲しか聴けなかったが、単純にいえば非常にいいバンドであった。まったく何の予備知識もないバンドではあったけれども、女性ボーカルは小柄ながらもパワフルに唄い、ギターはヴァン・ヘイレンモデルで太い音から繊細なラインまでノートにとらわれない自由な奏法を披露していた。でもバンドでもっとも光ってみえたのが、ボブ・マーリーのような黒人ベーシストで、ルートを確実にならしつつ、時折見せるフリーキーなラインで、バンドに高いグルーブをもたらしていた。ソングライティングも申し分なく、平凡な言い方ではあるけれども、本当に様々な音楽を巧みに取り入れ、確実に自分達の音楽を鳴らすグループであった。こういう素晴らしいロックバンドがテキサスにもいるのだなあ、と改めてアメリカのポップミュージックの層の厚さを垣間見たような、本当に最初からショーを観てみたかった、そんないいバンドであった。
さすがに田舎で、客は数えるほどで拍手もまばらではあったけれども、一緒に行った友人達も皆絶賛していて、今度は絶対ダラスに彼らのショーを見に行こうと、お互い誓い合った。
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Send comments to: Katsuhiro Ishizaki Last updated: 8/ 25/ 97
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