Slash's Snakepit ギルビーの方がうけてる

川口リリアメインホール - 5/27/95


Guns N' Rosesの(元)ギタリスト、Slashのソロプロジェクト、Slash's Snakepitのアルバム発表に伴う来日公演である。同じくGuns N' Rosesの(元)ギタリスト、Gilby ClarkeとドラムのMatt Solumも参加しているということで(結局Mattは日本公演には来なかったが)、非常に期待は大きかった。この日は祝日ということで、まだまだ日の高い5時30分(いや4時半だったかも)という早い時間での開演であった。何といってもコンサートが終わっても外はまだ明るかったぐらいだから...。

そんな調子が狂ってしまいそうな時間設定をものともせず、ショーが始まるとSlash、Gilbyともにステージを暴れまくった。くるくるまわるSlashと、ひざを折りながらポーズを決めるGilby。当時最高の人気を誇った、最高のギターコンビである。これが世界最高のレヴェルなんだあ、とえらく感動してしまったことを思い出す。

しかし時がたつにつれSlashのテンションが落ちていくのは手に取るように分かった。ひとつにはいまいちSlash's Snakepitの曲は客が乗り切れないこと。当然のことだが、ボーカルがアクセルでないことが非常に大きい。そしてSlashの言う英語が通じないこと。「元気かよう」と聞いたのに全く反応してもらえず、「は・わ・ゆー!!?」とでかい声で言われてしまった。その直後動きが急激に減ったことを私は見逃さなかった。

一方大健闘だったのが、Gilby Clarkeの方である。彼のソロアルバムから2曲ほどやったのだが、これが最高。客のノリもこっちの方がよかった。彼の「Tijana Jail」は私のお気に入りで、Slashの長いソロもフィーチャーされている。曲調もポップで、Slashのものが典型的なハードロックっていうのに比べると、より時代にマッチしているようにも思えた。

カバーなどもはさんで、約1時間半のコンサート。当然こちらとしては不完全燃焼である。まあGunsの曲をほとんどやらなかったということもある。やったのは「My Michell」のイントロ部分をちょっとだけ。「Bad Apple」なんかやってみてえ、なんてSlashもインタヴューで言ってたものだから、ちょっと期待してしまったこっちも悪かった。しかしアクセルなしのSlashって正直辛いなあ、としみじみ思ってしまったことも事実である。あのわがままギターに対抗しうるだけのボーカルとキャラクターっていうのはアクセルをおいて他にはいないよなあ、とつくづく再認識させられたコンサートであった。


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Last updated: 12/31/97