The Rolling Stones ギターの音きこえない・・・

東京ドーム - 3/6/95


奇跡の初来日を果たしてからちょうど5年。待ちに待ったこれが初めてのストーンズ体験である。ステージなどほんとに小さくしか見えないような席だが、興奮でそわそわして時計を10秒おきに見ながら、開演を今や遅しと待っているような状態であった。

ジャングルのようなビートをドラムのチャーリー・ワッツがたたき出し始めると、ボーカルのミック・ジャガーがステージ袖から登場。アメリカではステージ下からでてきたとのことである。「I wanna tell you how's gonna be!」と歌い始めると、ギターのキース・リチャーズとロン・ウッドが出て来るといった仕掛けだ。曲はうわさ通り「Not Fade Away」。スローなスタートだ。ライティングも暗めで怪しい雰囲気を出している。しかし音はドームらしくとても悪い。半分以上ノイズに紛れているといった感じである。客の反応も鈍い。歓声も少ないような気がする。

ぱっとライトがステージ上に点いたところで、「Tumblin' Dice」、そして「You Got Me Rocking」とストーンズ特有のノリを持った曲が続く。以外なナンバー「All Over Now」「Live with Me」なども序盤に演奏した。初期の大ヒット曲「Satisfaction」も早々と登場していたが、なんと頭のキースのギターの音が出ないというハプニングも。最も大事なところでそれはないだろう、とちょっとがっかりさせる。

中盤では北米ツアーでは一回しかやらなかったアコースティックセットでの演奏である。ロンとキースはアコースティック・ギターを抱えて椅子に腰を下ろし、チャーリーのドラムセットがステージ前方にせり出て来るといった仕掛けもあった。曲は日本人に特に人気のある「Angie」。そして個人的に非常に好きな、カントリーっぽい曲、「Sweet Virginia」である。この時ばかりは音の抜けも非常によく、まるで小さいバーかなんかでストーンズの演奏を聞いているような錯覚にすら陥った。

やがて「Miss You」「Honky Tonk Women」など演奏した後、キースがフロントに登場。ここでサプライズ登場、Steel Wheelsアルバムから「Slippin' Away」である。個人的にこの曲はストーンズのバラードベスト3に入るような曲だと思っていたので、これは嬉しすぎた。オリジナルよりもさらにダルになっていて、キースのしゃがれ声が上手く絡み合って非常にいい味を出していた。

またミックがフロントに戻ると、今度はストーンズ代表曲のオンパレード。「Street Fighting Man」「Sympathy for the Devil」や、「Start Me Up」「Brown Sugar」などなど。そしてアンコールで「Jumpin' Jack Flash」である。まあ花火や火薬類はしょぼかったが、会場が東京ドームであるからして、それは仕方あるまい。全23曲2時間ものコンサートを堂々とやってぬけたストーンズ。感動は少なかったが、この後さらに2回も東京ドームに通いつめてしまったことを考えてみても、まあ並みのライヴでなかったことは確かである。


- Set List - 3/6/95

  1. Not Fade Away
  2. Tumblin' Dice
  3. You Got Me Rocking
  4. It's All Over Now
  5. Live with me
  6. Sparks Will Fly
  7. Satisfaction
  8. Angie
  9. Sweet Virginia
  10. Heartbreaker
  11. I Go Wild
  12. Love Is Strong
  1. Miss You
  2. Honky Tonk Women
  3. Before They Make Me Run
  4. Slippin' Away
  5. Sympathy For the Devil
  6. Monkey Man
  7. Street Fighting Man
  8. Start Me Up
  9. It's Only Rock n' Roll
  10. Brown Sugar

  11. Jumpin' Jack Flash


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Last updated: 12/31/97