状況に応じた実習のアレンジについて
 

1.実習アレンジの意味

 

 生涯学習分野において初心者を対象としたGWT(体験学習)に大切なのは、GWT(体験学習)が「楽しくちょっとためになる」という印象を参加者に持たせ、もっとGWT(体験学習)をやってみたいという動機づけを行うことである。そしてそのためには、ふりかえりにきちんと取り組める働きかけをすることが重要である。具体的にGWTネットワークが依頼をうけて実施するGWT(体験学習)では、@ふりかえりの意味をはじめに丁寧に説明することAふりかえりにあてる時間を充分の設定すること(最低でも20分以上)B個人のふりかえりの時間は書き終わっても時間内は他の人と話をしないことをルール化すること(自分自身と向かい合う時間を阻害しないためと説明)等を特に意識して行っている。

 また、もうひとつ意識して実施しているのが実習時間に合わせた『実習のアレンジ』である。GWTネットワークが実施する実習は、オリジナル実習だけではなく市販の書籍に掲載されている実習も行うが、ほとんど書籍に掲載されているまま使用することはない。まずその時のねらいに合わせた「ふりかえり用紙」を作ると共に、その時の対象、実習時間によって、実習自体のアレンジを行う。これは設定した時間内にグループの90%以上が課題達成できる難易度を目標にしている。なぜ、このようなことをするかを説明すると、特に初心者を対象とした場合に(別紙の導入段階)、時間内に課題を達成できないと、「実習」と「ふりかえり」の頭の切り替えができず、ふりかえりの時も実習のコンテンツにこだわってしまう傾向が強くあるからである。

 時間内にグループとしての結論または課題解決が出来たという実習に対する満足感・達成感を参加者が感じた上で、ふりかえりに集中してもらう、そのための実習のアレンジである。

 このアレンジについては賛否両論あり、「時間内に課題解決しなくても、体験学習はプロセスから学ぶのだから問題はない」という意見があると推測するが、GWTネットワークでは経験者またはフォローアップが可能な状況(別紙で説明する「学習段階」「修得段階」のGWT(体験学習))ではアレンジは必要ないが、「導入段階」のGWT(体験学習)では重要だと認識している。 

 

2.実習アレンジの方法

 

 GWTネットワークが採用している具体的な実習のアレンジ法は次のようなものである。

 

 @実習の難易度を複数設定し、グループ毎に選択できる方法

 Aヒントカードを作成し、グループの希望によって提供する方法

 B課題解決に活用できる、小道具(模造紙・定規等)を必要なグループに配布する方法

 C課題解決に活用できる、フォーマット、白地図等を作成し配布する方法

 D追加情報という形で、全体の課題解決の状況に応じて情報の付加をする方法。

 Eグループで検討しなければならない課題の選択肢を少なくする方法

 F情報カードの枚数を調整する方法(ダミー情報の増減)等

 


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