大磯の鉄塔

あの大震災にも耐えた「命の灯台」

97.08.12
修正 99.01.03


 神戸須磨から、淡路島行きのフェリー(注 1998年4月に航路廃止)に乗ると、45分で淡路島の「大磯」に行くことができる。1994年、この大磯に巨大な鉄塔がそびえ立った。この鉄塔、神戸の中波放送局、AM神戸(ラジオ関西)の送信アンテナである。
 もともとは、淡路島の最北端「岩屋」に送信施設があったラジオ関西。ところが、明石海峡大橋によって受信障害のおそれが出てきた。そのため本四公団の全面負担で94年11月およそ5km離れた「大磯」に移転したのである。
 移転から2ヶ月もたたない95年1月17日、あの大震災が神戸・明石と淡路島を襲った。送信塔は幸いにも倒壊をまぬがれ、地震発生から15分後には、被災地に被害情報・生活情報・安否情報を発信する「命の灯台」となったのである。
 もし移転が3ヶ月遅かったら・・・・神戸唯一のAMラジオはどうなっていただろう・・・・
 私が大磯の鉄塔を見ると、あの1月17日を思い出す。しかし、あの鉄塔が「AM神戸」の送信アンテナと知る人は、残念ながら少ない。

 

写真 AM神戸大磯送信所


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