パルク・デ・プランスの巨大スクリーン PARC DES PRINCES
石上特派員
00.9.7 PARC DES PRINCES isigami
1. 先週の土曜日9月2日の夜、(開始後10分ぐらいしてから)Parc des Princesで行われたフランスリーグのPSG.-バスティア 戦を見た。見だして数分経ったとき、一瞬だが、アレッと眼を疑ってしまった。たぶんこの試合のスカパーの画面を見ていて同じように感じた人も多かったのでは、と思う。
2. カメラが退いて、ピッチとスタンドが映し出されたとき、満員のバックスタンドの中央に巨大なスクリーンが出現した。両側から鉄骨の塔で支えられた、10m x 20m近くありそうな巨大なスクリーンだ。
3. もっとも、まもなくスクリーンの枠や鉄骨の塔が描かれたものだと認識されてしまったから、この驚きは数秒しか続かなかったが。カメラがパンしたり、ズームアップ&ダウンしたりすると、それにしたがって巨大スクリーンは当然のように移動、拡大・縮小していく。
4. なかなか楽しい、tv らしい(ゲームっぽい)アイデアだ。放送していたアナウンサーは、この仕掛けが初めて使われた番組なのにも関わらず、このことを特に仰々しく言わずに、しばらくしてから一言、e'cran virtuel=virtual screenに監督の顔が映っている、というようなことをしゃべっただけなのも好ましかった。
5. 奇妙なことに、試合を見ながら10分ぐらいのあいだ、ぼくはずっと試合会場がStade deFrance だと思いこんでいた。陸上トラック部分がないこと、スタンドが満員なこと!など、明らかに一目でわかる違いがあるはすなのに。
6. virtual screenにつられて、ここはクラシックなParc des Princesなはずがない、新しいStade de Franceにちがいない、とぼくの単純な頭脳は思いこんでしまったのだ。もうとっくに、スクリーン自体ははreal でなくvirtual だとわかっていたにもかかわらず。最初の、「real だ」と受け取った視覚情報が尾をひいてしまったわけだ。これは本当のことです。
7. そういえば、2002年ワールドカップ開催を決定するFIFAの大会のプレゼンで、国立競技場に巨大なvirtual screenをつくりだして東京のファンにライブ映像を見せる、という目玉提案があったが、あれはどうなったんだろう。あれはただのプレゼン=でっち上げ、だったのか(初めからそうは思ったが)、電通の人がいたら教えてもらいたい。