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初めてのキャンプ(下)
バラバラバラ。いきなりの雨音と、顔に当たる雨粒で飛び起きた。
辺りは真っ暗だけど、こんなに寝起きがよく飛び起きる事は滅多に無い。
相棒は何も起きてないかのようにぐうぐう寝てる。
ああ、君は全然起きないんだったよね。特に酒飲んで寝ちゃうと。
たけちんが車の鍵を持っているので、避難しようにもなんとかして起こすしか無い。
たけちんは生まれつき風邪を引かない人種なので放っておいても心配ないが、僕は普通の人なのでやっぱり雨宿りがしたい。
起きなかったら身ぐるみはがして車の鍵を取ろうと決意して起こしにかかったら、意外と二回目くらいで起きてくれた。
二人で手際良く荷物をまとめ、車の中へと移動した。時計を見たら午前3時だった。
車の中はすでにキャンプ道具でいっぱいで、座席をあまり倒す事もできず、何度か首が痛くて目が覚めた。
寝袋のおかげで寒くはなかったが、日が昇る頃にはまぶしいのと、寝るのが大変なのとで、すっかり目が覚めていた。
海を見に行ったらなかなかいい波が来ている。昨日の風もすっかり収まった。
たけちん行こうよ。うーん、まだあ。
昨日の夜起きたのは奇跡だったんだ。起こすのはあきらめた。
買い出ししておいた朝ご飯を少し食べ、海に行く前に寝袋を片付けた。
初めて使った寝袋。何気なく付きっぱなしの値札を見たら、インナータオルケットみたいな事が書いてある。
ああ、これは寝袋じゃなかったんだね。本当の寝袋はきっともっと暖かいんだね。なんかスースーすると思ったよ。
妙に清々しい気分になり、今やフィンが一本の、元トライフィンのボードと一緒に、朝焼けの海に向かいました。
それにしても、アウトドアって素晴らしい。
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