ISOを変えると、何が変わるのか?


★まず、ISO感度とは何か?
 『ISO感度』とは、細かいことを取っ払って大雑把に言うと、
 『どのくらい弱い光を記録できるか?』の指標。
 つまり、ISO感度が高い(数値が大きい)と、弱い光が記録しやすくなる。

 カメラにはシャッター速度があるのはさすがに説明を省くが、
 大雑把な考え方として、『ISO感度が2倍になれば、シャッター速度が半分で良い』となる。

 シャッター速度が速くなれば、手振れもしなくなるし、早いスピードで動いている物体も、止まって撮影できる。
 星の撮影だって、短い時間で撮れてしまう。

 ならば。

 『じゃ、ISO感度って、高ければ高いほどいいんだ〜』
 
 と、思う方がいるかもしれないが、それは誤りである。
 その証拠を下に示す。
 
 写真の脇に、ISO感度とシャッター速度を示してある。
 よく見てもらえばわかるが、ISO感度が高くなれば、画像はどんどん荒れてきている。
 小さな写真では問題ないが、大きく伸ばすなんて、とても出来ない画像になる。

 私はオーロラ写真をISO1600で撮影する。
 これは、画像の荒れと、できるだけ速いシャッタースピードの限界点だと考えている。
 
 ISO感度による画像の荒れ具合は、カメラ本体の性能に依存する。
 機種選択の項でも書いたが、安い一眼レフカメラより、高めのコンパクトカメラのほうが、この性能は格段に良い。

 普通の写真ではあまり問題にならないため、メーカーでもコスト削減し、機能を劣化させている場合がある。

 だが、星・星景の撮影では、この機能が大きく影響する。
 キャノンの場合、黒い背景に全体的に赤いノイズが走るようだ。
 最新のカメラでどこまで向上されているかわからないが、2010年にメーカーに確認したところ、『そういう仕様です』と回答があった。



(1)フラッシュなし・蛍光灯
明るいところでは高感度側のノイズも目立ちにくい。
(でも伸ばすには耐えられない)
画像 ISO シャッター速度
100 1/5秒
400 1/20秒
800 1/40秒
1600 1/80秒
3200 1/160秒
6400 1/320秒
12800 1/640秒



(2)フラッシュなし・暗視野
ISO12800にすると、シャッター速度1/1250? 手ブレもしないですな。
強い光があるときはノイズも目立たないのでそれなり。
画像 ISO シャッター速度
100 1/10秒
800 1/80秒
1600 1/160秒
3200 1/500秒
6400 1/640秒
12800 1/1250秒



(3)フラッシュなし・暗視野・長時間露出
やはり高感度側に行けばいくほどノイズが増えます。
残念ながら真っ暗なオーロラ撮影には3200以上は不向きなようです。
(手前の赤い光はコンパクトフラッシュのアクセスランプ照り返し)
画像 ISO シャッター速度
1600 80秒
3200 30秒
6400 15秒
12800 8秒