オーロラの舞台

2011/02/19更新
時間も金も有限である。
 場所は慎重に選定しなくてはならない。
 

 観測場所としては、大別すると二箇所になる。北米か北欧か。
 その他にもアイスランド・極地などあるが、あまり一般的ではないようだ。
 さて、北米で有名なのはアラスカとカナダ。北欧ではノルウェー・フィンランド・スウェーデンだ
ろう。どちらの地方もツアーが組まれ、オーロラと遭遇できるに違いない。
  2003年は、カナダのホワイトホースが舞台となった。
 3日の観測のうち、1日目は半天を覆うような見事なカーテン状オーロラが観測された。2日目
も北天から天頂に伸びる柱が観測できた。3日めは雪。まぁ、満足のいく条件だったと思われ
る。
  2005年3月はイエローナイフ。3日にわたり天空を舞うオーロラを堪能できた。
 2006年1月はもう一度ホワイトホース。大きな動きのオーロラではなかったが、新月でじっくり
と撮影ができた。周動写真が撮れたのがうれしい。
 2007年1月はフェアバンクス・チェナ温泉。はっきりしたピンクがカーテンの裾に輝いていた。
 2008年1月はもう一度フェアバンクス・チェナ温泉。曇りがちな悪条件の中、中規模のオーロラに遭遇。ガイドさんが覚えていてくれたのがうれしかった。
 2008年12月は三度、フェアバンクス・チェナ温泉。最終日に今までで最大規模のオーロラに出会えた。
 2010年2月は四度フェアバンクス・チェナ温泉へ。規模は小さかったが、写真展を行うことが決定していたので、いい写真が追加できた。また、看板屋さんとの出会いもあり、写真展に向けた準備ができた。
 2011年2月は、初の北欧、フィンランド、サーリセルカ。オーロラは観られたが、なかなかに難しい撮影だった。
 さて、次回は?


 北欧???
 しかし・・・である。
 北欧の特徴として、全体的に気温が高いらしい。暖流の影響で、特に海沿いは顕著だ。地域
データを取り寄せるたび、驚かされた。
 北緯60度をはるかに超えているのに、東北程度の寒さでしかない?北海道の方が寒い?(こ
の辺、収集したデータに偏りがあるので私もあまり信用していない)
 暖かいとそれだけで降水量も多くなり、晴天率が低くなる。雲の上でどれだけ光っていよう
が、見えないのでは意味が無い。

 2007年にフェアバンクスで知り合った方から、2008年12月に絵葉書を頂いた。その方はフィンランドに10月末から滞在されていたということだが、結局見られなかった……という絵葉書だった。国際郵便が遅れたのでないとすると、一月くらい滞在されていたようだ。
 
 いろいろとデータを取り寄せたが、オーロラの観測率を比較すると、北米の方が5倍〜6倍に
なると試算された。(偏りのあるデータを使用して試算しているのだから、あまり信用はできな
いが)
 観測率が低いならば、それを補うのは、機会(チャンス)の増加しかない。自分の運に絶対的
な自信を持っている方ならば問題ないだろう。
 私は、自分の運を過信しないことにしている。

 『北欧オーロラは、お金と時間が腐るほどあるヒトでなくて
は難しい』・・・・・・これが、結論だ。
 さらに、北欧(ヨーロッパ全般)から帰国した場合、時差の修正が大変だ。あれはつらい。で
きれば二度と経験したくない・・・・・・




 と、行きもしないくせに文献調査しただけで悪い情報を記載していたが、それは良くない。
 行って、体験してから言えばいいのだ。

 そんなわけで、2011年。初めてフィンランドに行って来た。
 サーリセルカは確かに通常便を使っていくアラスカよりも、時間的に早く到着する。
 カナダのホワイトホースとほぼ同等と思われる。
 ホテルから徒歩圏内でオーロラが観られるというのも嘘ではなかった。
 
 うん。嘘ではなかった。

 でも、手放しでお勧めはできない。
 
 
 同じ時間・同等の金額を支払うならば、ぜったいに北米をお勧めする。
 アイスランドや極地にいけるほど時間もないし。(反論もあると思うが)

では、北米のどこに行くか?
 北米では有名な観測地が多い。アメリカのアラスカ(フェアバンクス・チェナ)、カナダ(イエロ
ーナイフ・ホワイトホース・フォートマクマレー・フォートスミス)などがやはり有名だろう。個人旅
行でいけるならば、その他の都市もあるのだろうけれど。
 やはり選択としてはツアーに参加したい。これは、経験から。
 一歩間違うと、本当に死にますから。
 限られた観測時間。一秒たりとて無駄にできない。

 休憩所も何も無いところで、
 時間制限もなしに、
 防寒も不完全で(ツアー参加だとかなり高性能な防寒着を現地でレンタルできる)・・・・・・
 自律できない方が行くと、ホテルのそばで凍死するかもしれませんね。冗談でなく。


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