S.S.トップへ戻る
「スキャンダル」ショートストーリー
約束のその後
作者・咲良
(このストーリーは小野塚警部補が逮捕された後の出来事です・・)
「・・・・・。」
終わった。
やけに眩しい朝日が目にしみる。
「沙紀君・・・」
心配そうな目で加々美さんが私の顔を覗き込んでくる。
「私は・・大丈夫。加々美さんこそ・・怪我はないの?」
「え?いや。僕は大丈夫・・・痛っ!」
よく見ると加々美さんの足から血が流れている。
「加々美さん!」
「大丈夫だってば・・ほら。ただのかすり傷だろ?」
「あ・・・」
本当にかすり傷だった。私は安心したような恥ずかしい気持ちに襲われた。
「・・・バカ!」
リョウさんが苦笑いをして、こういった。
「俺はとりあえず妹の墓前まで行って来る。おまえらは・・どうするんだ?」
私と加々美さんは顔をあわせる。
「沙紀君。あの約束・・忘れてるんじゃないのか?」
「え・・?」
あ・・思い出した・・。中華街に行こうって加々美さんが言ってくれたんだ・・。
「思い出したかい?」
「ええ・・。今から行くの?」
私はリョウさんのほうを見る。そうするとリョウさんは笑ってこう言った
「行ってこい・・・。」
そこで私達はリョウさんに別れを告げ横浜中華街へ足を運んだ。
やっぱり朝早いことも会って人通りは少ない。
「沙紀くーん・・?ここでいいかい?」
加々美さんは小さな料理店を指差しながら言った。
「え?ええ。ここでいいわ。」
カラン・・。
私達は静かに店の中に入った。
そしてあのときの約束どおり注文は、
「モーニング点心2つ!」
二人とも声がそろってしまった。
他のお客さんはにやにやしながらこっちを見ている。
そして、私と加々美さんも顔を見合わせ笑った。
今までで一番美味しい朝の食事だった。
そしてその後加々美さんの調査であの組織が壊滅していないことが分かった。
それを聞いたとき私は戦う決意を決めた。
その次の日、私は久しぶりに編集部に行った。
その日は編集長しかいなかった。
「沙紀!お前今まで何してたんだ!?」
編集長の声が編集部内に響く。
「・・・戦っていたんです・・。そして、これからも・・」
そう言うと編集長が呆れたような納得したような顔でこういった。
「そうか・・・でも、終わったら帰って来いよ。」
編集長の言葉に涙が出そうになったが我慢し、私はうなずき編集部を出て行った。
そして加々美さんと2人で組織と戦うため、私は待ち合わせ場所へと急いだ・・。
END
S.S.トップへ戻る