ダブルキャスト&季節を抱きしめて

フュージョンストーリー
〜役者と桜のポジティブ〜

作:みー

前書:このSSでは、全ての設定を変更しています。

    何故この人が!?とか………どうして!?とかは無視してください。

 

 

登場人物。

主人公 1:ダブルキャストの主人公。マンションに住んでいる大学生。

赤坂志穂:明るいおてんば少女。何気に料理が上手かったり。

赤坂美月:志穂の姉。意外にも、妹よりも3サイズは下だったり………

主人公 2:季節を抱きしめての主人公。編集部に通う大学生。

桜井麻由:「主人公2」の幼馴染。料理が得意で、好きなものは肉じゃが。

桜井麻美:麻由の妹。編み物が得意な反面、料理は×。

桜:季節を抱きしめてに登場した桜です。人物ではありませんが、一応。

  万年桜という設定になっています。

?:謎の格闘技を使う人。何処の誰かは不明

彩:彼(上記)の恋人。彼女も同じく、格闘技を使う………らしい。

 

 

 

その他、2作品に出て来たサブキャラも登場します。

設定はそのままです。

(主人公の表記は次のようになります)

主人公1=#「」

主人公2=♭「」

 

 

麻由「4月に〜な〜ればぁ〜♪」

♭「何歌ってんの?」

麻由「え?知らないの?『季節を抱きしめて』って、大藤史が歌ってるんだよ?」

♭「僕、歌に興味ないし」

麻由「ふ〜ん。季節を〜だ〜きしめて〜♪」

麻由はイヤホンで聞いている。

 

 

一方。

志穂「潮騒の〜奥揺れてる〜」

#「志穂、それって何の曲?」

志穂「え?知らないの?『door』って、小畑由香里が歌ってるんだよ?」

#「僕、歌に興味ないし」

志穂「ふ〜ん。開けてごらん夏のドア♪」

志穂はイヤホンで聞いている。

 

 

似た者同士の二人であった。

 

 

それから数日後。

♭「!」

麻由「?………誰?この人」

トモコ「ごきげんよう」

♭「随分と派手な格好だね」

トモコ「悪い?」

麻由「あの、二人はどういう関係なんですか?」

♭「ただの友達」

トモコ「友達ぃ?」

麻由「?」

♭「あ、そ〜なの。そこまで言われちゃぁ、しかたないか」

トモコ「私、これからデートなの」

♭「へぇ〜。で?そのボランティア精神旺盛な男はどんな人?」

トモコ「どういう意味?」

♭「事実、僕と麻由が付き合っているってだけで、その態度じゃないか。

  デートってのもおかしいし、そんな格好でうろつくのも怪しい」

トモコ「どうしようと、私の勝手でしょ!」

♭「………」

 

 

翌日。

♭「へ?麻由が映画デビュー?」

#「そう。志穂も出るんだけど、いいかな?」

♭「まぁ、お前のとこなら問題ないと思うけど」

#「どういう意味だよ………」

♭「いいけど、麻由に手を出すなよ?」

#「やったら僕が志穂に殺される」

ゴスッ

#「いてっ!」

志穂「誰に殺されるって?」

#「え………あの………その………とにかく!麻由ちゃんの準備!」

♭「お、おう!」

 

 

そして映研。

遙「よ〜し、上出来上出来!」

麻由「あれでよかったんですか?」

遙「OKOK!ほら!次のシーン撮るよ!」

剛田「撤収!いそげ!」

部員たち「うぃ〜っす」

花園「セットの回収も忘れるなぁ!」

部員たち「うぃ〜っす」

麻由「あ、私も手伝います」

遙「いいよ。主演女優に怪我でもされたら困るからね」

麻由「はぁ」

遙「それに、全部重たいものばかりだよ?」

麻由「え?でも、剛田さんや花園さんは軽々と持ってますよ?」

遥「あの二人は例外」

麻由「………」

続いて、波止場のシーン。

二村「シーン15!カット3!よ〜い、スタートっ!」

麻由「でも、私にはそれ以上は聞けない」

志穂「どうして!?今日まで一緒だった私に、どうして………」

麻由「あなたが、優しすぎるからよ………」

二村「カーット!」

剛田「おつかれさん」

麻由「ふ〜」

志穂「その調子その調子」

麻由「ちょっと、見られてると………恥ずかしいかな」

美月「でも、本当に素人とは思えないですよね?」

遙「確かにそうね。でも、実際、志穂ちゃんだってそうだったわけだし」

 

その夜、部長の別荘で。

麻由「ふ〜」

志穂「どうしたの?」

麻由「………………」

志穂「演技、とても上手だと思うよ。まぁ、遙さんから見ればどうなのかわからないけど」

麻由「いえ、そうじゃなくて………」

志穂「ん?」

麻由「どうして私なんでしょうか?」

志穂「さぁ?単なる、部長の好き勝手だったりして」

麻由「………それならいいんですけど………」

志穂「何か悩みでもあるの?」

麻由「私、トモコって人に恨まれてるんでしょうか?」

志穂「ああ、あの人ね。そんなこと、どうってことないよ」

麻由「でも、彼と付き合いだしてから、彼女が私に………」

志穂「気にしない気にしない。付き合ってるんだから、それでいいじゃない」

麻由「………………」

志穂「私だって、彼と付き合ってから気付いたことだけど、部長さん………

   彼が好きだったみたいだし。まぁ、今は誰かさんと付き合ったのか

   そうでないのかはわからないけど」

麻由「………………」

志穂「それに、今はOBだけど、かつてこの部を守っていた凄い人がいたの」

麻由「凄い人?」

志穂「何だかよくわからないけど、何とかっていう格闘技を使う人で、

   凄く強かったの」

麻由「あの、剛田さんや花園さんよりも?」

志穂「うん。身長は173なんだけど、小柄とは思えないほどの力だったし」

麻由「へぇ〜」

志穂「さぁ、もう部屋に戻ろう。これ以上は部長さんにも心配かけちゃうし」

麻由「はい。明日もお願いします」

志穂「は〜い」

 

 

???「………………」

 

 

翌日。

麻由はテキパキと動いている。

演技も、昨日とは遥かに違い、上手くなっている。

志穂をも超えてしまっただろうか。

志穂も負けじと、麻由同様以上の動きを見せている。

#「なぁ、あの二人………何かあったのか?」

♭「さあな」

・「負けずと、彼女たちは好敵手(と書いてライバル)であり、友でもある」

#&♭「せ、先輩!」

・「どうも。にしても、凄い演技力だな。彩より上かな?」

彩「さぁ?」

♭「え?でも、どうして二人が?」

・「な〜に、部長殿に頼まれて」

遥「あ、ごめんなさいね」

・「いえいえ。前部長からの命令もありましたし」

遙「で、例の物は?」

・「はい。全部揃えておきましたよ」

遙「でも、よく揃えられたわね」

・「学園祭に使う衣装なんて、友人から簡単に獲得できますし」

遙「でも、これはないんじゃない?」

・「しかたないでしょ、それしかなかったんだし」

彩「違うよ。それが良いって、勝手に持ってきたんだよ」

・「………何故知ってる?」

彩「………どうせ、その程度だと思ったし」

・「………」

遙「まぁ、無いよりはいいか。ありがと」

 

 

そして数日後の学園祭。

女「先輩!来てたんですか!?」

・「あ、ああ」

数人の女子生徒が集まる。

#「さすが、強い人は凄い」

♭「あの人も、負けず嫌いなのだろうか?」

#&♭「いや!『女たらし』なだけだ!」

ゴスッ!

#&♭「いてっ!」

・「小声でも聞こえてるよ!」

#「痛いっすよ」

・「まぁいいや。お前らのクラスの店は何なんだ?」

#「いえ、映研として活動ですから」

・「あ、そうか、部活は部活で活動だったっけ」

#「はい」

 

 

映研部:浜辺の喫茶店。

・「………何だこりゃ?」

#「題して!」

♭「可愛い乙女の!」

#&♭「浜辺の喫茶店」

・「(なるほど、前回の『かこひめの寝屋』の大人気の影響か)」

麻由「あ、先輩、来てたんですか?」

・「おう。さっき到着したとこ」

麻由「あれ?彩先輩は………どうされたんですか?」

・「ああ。何か買い物があるとかって」

彩「ふ〜、おまたせ」

・「何を買ってたんだ?」

遙「ああ、私が頼んだの」

・「………何を?」

彩「休憩も必要だから、適当に缶ジュースを」

・「適当って?」

彩「えっと〜、十六茶に………」

・「ちょっとまて、お茶ばかりじゃないだろうな?」

彩「………あ、あれ?おかしいな………………ファンタとかも………」

・「………やはり俺が付いていくべきだった」

佐久間「買い物が未熟では、先輩もまだまだですね」

・「あ〜ら。どこかの色男が登場か」

佐久間「お久しぶりです。はい、僕が適当にジュースを買ってきましたよ」

・「………1リットル………………でかい………」

彩「………紙コップは?」

佐久間「………………」

・「………無い………わけじゃないだろうな?」

佐久間「い、いやだなぁ〜、ちゃんとここに………………ここに………」

一同「………………」

・「無いなら無いって言えよ。ほれ」

彩「え?何で紙コップなんか持ってるの?」

・「どうせ、ペットボトル系があると思ってな」

♭「さすがOB、かつては主演男優でリーダー的に優れていた人だ」

#「いや、紙コップなんて、100%予想できるよ」

♭「へ?何で?」

#「答えは簡単、自分もペットボトルのジュースを持ってきてるから」

・「ほぉ、さすが部内一の探偵君。なら、そのジュースは何処にある?」

彩「確かに、リュックサックにはジュースが入ってない」

麻由「え?」

志穂「じゃあ、どうやって持ってきたの?」

美月「まさか、服の中とか?」

ぽふぽふっ

彩「それはないみたい」

・「………」

麻美「じゃあ、ズボンの裾?」

ぽふぽふっ

彩「それもないみたい」

麻由「じゃあ、ジャケットの中!」

ぱふぱふっ

彩「全然ダメ、何も入ってない」

・「せいぜいCDプレーヤーくらいだ」

志穂「わかった!その妙に膨れている袋!」

・「残念、これは部長さんに頼まれた小道具の材料」

志穂「えぇ〜。じゃあ何処にあるの?」

・「………」

すっ

志穂「?」

麻由「?」

彩「え?なに?」

麻美「ま、まさか」

美月「彩さんのリュックの中!?」

#「それも、縦に3本」

彩「え!?私そんなもの入れて………………入ってる」

#「そう、必ず来る相手のリュックかカバンに入れておけば、後は自動的に

  その人が運んでくれる」

・「なるほど、既にバレていたのか」

#「ちなみに言うと、Qoo、CCレモン、ペプシコーラの3本」

・「なにっ!?………って、既に出てるじゃん」

#「…バレちゃった」

彩「何時の間に入れたの!?」

・「お前が朝、準備している時に」

彩「でも、あまり重たくはなかったけど?」

・「それは、俺がリュックサックのベルトを微調整して、肩に負担がかからないように

 していたからな」

彩「………」

・「それに、3本で重さを感じないお前もお前だな」

彩「………」

・「さすが、元女子空手部総帥」

麻由「え!?先輩って空手部だったんですか!?」

・「映研に通ってたのは、空手部の集まりが悪い時だけ」

麻由「そうだったんですか」

・「それに、こいつの格闘技は世界………」

ガスッ!

・「ふごっ!」

彩「それ以上は言わないって約束でしょ」

・「い、言って………ない」

#「男には痛いな」

♭「そうだな。男にしか味わえない痛さだもんな」

 

 

そして、夕方。

映研部の打ち上げ。

・「へぇ〜、麻由ちゃんがそんなに上手いのか」

遙「明日には開演だから見に来てよね」

・「へいへい」

遙「それにしても、随分と大きくなったわね」

・「悪うございましたね」

遙「でもさ、あの二人、どう思う?」

・「まぁ、演技力は見ない限りわかりませんが、どうしても見なければならないと

言うのであれば、明日は休みですから見に来ますけど」

遙「よろしく頼んだよ」

 

 

数日後。

・「ほっ!はっ!」

彩「よっ!やぁっ!」

♭「さすが、元女空手部総帥と、格闘技王の先輩。共に互角だ」

#「そうかな?僕はどう見ても、彩先輩が追い込まれているように見えるけど?」

♭「そうか?どう見ても互角だぜ?」

遙「いえ、彼の言う通りよ。映画のためとはいえ、あの二人に協力してもらってるけど

  本気でやってるみたいだし。それに、彼は全く汗を掻いていないのに対し

  彩さんは汗だらけ。普通の人が見れば、単なる互角。

  でも、彼女はどうだったかは知らないけど、彼は修行を怠らなかったみたいね」

♭「動きでわかるんですか?」

遙「かつて、私がまだ、主演していたころ、彼が教えてくれたのよ」

#「へぇ〜、部長にも主演していた頃があったんだ」

遙「あるわよ!」

 

そして、数日後。

・「へぇ〜、映画館で上映か」

 

 

麻由「わ、私がですか!?」

遙「そう、プロダクションの方からも以来が来てんの」

志穂「で、でも、映研の方は………」

遙「平気平気。しばらくは報酬の方でやっていけるから」

志穂「でも………」

遙「いざとなったら、過去に撮った物を合成して、新たな映画でも作れるし」

麻由「大丈夫ですか?」

遙「それに、こいつらがいるし」

麻由「そ、それでしたら………」

遙「ほら、行ってきなって」

麻由「………」

志穂「………」

 

 

それから1年後、志穂と麻由はプロデビューを果たした。

サイン会や握手などもスケジュールという物が二人の時間を奪ったが

それでも暇を作っては映研を訪れたり、デートをしたり。

その後の二人がどうなったのか………


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