第132回天皇賞 レース結果

T氏のレース回顧

競馬において芝2000M・2400Mという距離は特別で、陸上に例えるなら100M競走にあたる花形種目である。
だからこそ1分57秒台とか2分22秒台という数字には、特別な響きを感じる。
かつては、そのスピードを武器に57秒のカベに挑み、夢叶わず府中に散った馬もいた。
でも人々は彼の走りに酔い、彼を愛し、彼を称賛した。
本来競馬は一着を目指すものであり、時計との勝負ではない。
しかし100M10秒台の金メダリストに何の魅力も感じないように、2分を要した天皇賞に見るべきものは何もなかった。
残念。

第132回 天皇賞レース結果

着順 馬番 記号 馬名 斤量 騎手 タイム 着差 馬体重 人気
1 1 1 ヘヴンリーロマンス 5 56.0kg 松永幹夫 2:00.1   510Kg -2 14
2 7 13 ゼンノロブロイ 5 58.0kg 横山典弘 2:00.1 アタマ 500Kg 前走計量不能 1
3 6 12 ダンスインザムード 4 56.0kg 北村宏司 2:00.1 クビ 468Kg -4 13
4 3 5 (外) アサクサデンエン 6 58.0kg 蛯名正義 2:00.3 1馬身 496Kg -6 9
5 7 14 スイープトウショウ 4 56.0kg 池添謙一 2:00.4 1/2馬身 464Kg -2 4
6 5 10 ハーツクライ 4 58.0kg C.ルメール 2:00.4 クビ 490Kg -6 2
7 2 4 (市) ハットトリック 4 58.0kg O.ペリエ 2:00.5 クビ 490Kg +2 11
8 6 11 (父)(市) ストーミーカフェ 3 56.0kg 四位洋文 2:00.6 3/4馬身 484Kg +2 15
9 3 6 (外) タップダンスシチー 8 58.0kg 佐藤哲三 2:00.6 ハナ 520Kg +8 6
10 4 7 (市) ホオキパウェーブ 4 58.0kg 藤田伸二 2:00.6 ハナ 488Kg 0 12
11 8 18 (父)(市) バランスオブゲーム 6 58.0kg 田中勝春 2:00.7 クビ 470Kg 0 16
12 8 16 サンライズペガサス 7 58.0kg 後藤浩輝 2:00.7 クビ 478Kg -8 5
13 1 2 スズカマンボ 4 58.0kg 安藤勝己 2:00.8 クビ 480Kg -4 8
14 7 15 テレグノシス 6 58.0kg 勝浦正樹 2:00.9 1/2馬身 470Kg -2 7
15 2 3 リンカーン 5 58.0kg 武豊 2:00.9 クビ 474Kg 0 3
16 4 8 キングストレイル 3 56.0kg 福永祐一 2:01.1 1 1/4馬身 486Kg -2 10
17 8 17 (市) アドマイヤグルーヴ 5 56.0kg 上村洋行 2:01.1 ハナ 466Kg -8 17
18 5 9 メイショウカイドウ 6 58.0kg 幸英明 2:01.3 1 1/2馬身 518Kg +2 18
ハロンタイム  13.4 - 11.5 - 12.1 - 12.5 - 12.9 - 12.3 - 11.8 - 11.0 - 11.2 - 11.4
上り  4F 45.4 - 3F 33.6
2コーナー  11-6,18(12,5)(7,13)(1,2,10)(4,14,16)3-(15,17)(8,9)
3コーナー  11-6(12,18)5(7,13)(1,16)(10,14)(2,4,17)3(15,9)8
4コーナー  11,6(12,18)(7,5)16(1,13)(10,14)17(2,4)9(3,15)8


<払戻金>

単勝 01 7,580円 14番人気
複勝 01 1,350円 14番人気
13 130円 1番人気
12 970円 13番人気
枠連 1-7 2,200円 8番人気
馬連 01-13 12,340円 37番人気
ワイド 01-13 3,550円 35番人気
01-12 14,660円 102番人気
12-13 2,290円 24番人気
馬単 01-13 47,290円 101番人気
3連複 01-12-13 141,100円 239番人気
3連単 01-13-12 1,226,130円 1667番人気


レース回顧

 ストーミーカフェがハナを奪い、タップダンスシチーが続き…の形は予想された通りだが、ストーミーカフェもただ飛ばすだけの伏兵ではなく進歩している。タップダンスシチーも強引に行く一時のタップダンスではない。

 予想外の流れが展開された。前半の1000m通過は62.4秒。前例のない超スローで、そこから一気にペースが上がったわけでもなく、1400m通過は1分26秒5。4コーナーからの上がり3ハロンが33.6秒。最後の直線だけのレースに持ち込まれた。前半62.4秒の超スローに流れた時点で、中団より後ろに位置したグループはすべて圏外。差し=追い込み一手型は上がり32秒台を記録しているが、テレグノシス、リンカーンなど、後方のままの14、15着だった。レースの流れはみんなの予想とは逆になることは再三だが、さすがにここまでの超スローは、すべての馬に予想外だろう。

 コースロスなく最内の好位にいたダンスインザムードが一気に抜け、好位の外から早めにスパートして地力を示し、上がり32.7秒を記録したゼンノロブロイが差し切るかと思えたが、最内からダンスインザムードと同じコースを通って伸びた牝馬ヘヴンリーロマンスが、ゴール寸前、鋭く抜け出していた。

 アサクサデンエン、スイープトウショウと続いたあたり、中身はマイル戦の、それも超スローの1600mに対する適性が出た形だった。

 この秋、10、9番人気、そして天皇賞を14番人気で快走のヘヴンリーロマンスは、牝馬とは思えないハードな追い切りをこなすなど絶好調だったが、爆発力でロブロイを差したのだから見事。インコースの利を最大限に生かす好騎乗が重なって、牝馬特有の一瞬の切れがフルに生きた。牝馬陣が1、3、5着を占めたあたりも、スローのマイル戦に近いような一瞬の切れ味勝負のレースになったことを示しているだろう。

 03年のように、先行型が前半1000mを56.9秒で猛烈と飛ばすレースがあったり、今回はそれより前半が「5.5秒」も遅いペースが成立したり、あまりレース展開(流れ)が大きな比重を占めないはずの中距離2000mだが、天皇賞(秋)になると、突然、一連のレースとはまったく別の流れになるところが、波乱の歴史の伝統なのだろう。

 有力馬を出走させる陣営が、その有力馬の力を引き出すためにペースメーカーを出走させる欧州型の中〜長距離G1は、個人的には相容れないものがあるが、長い歴史の中、ペースメーカーを出走させたくなる競馬があることも、たしかに理解できる気もする。レースの流れは、Hペース過ぎても、超スローでもレースがこわれた印象を与えるから、難しいものだ。
  
 適度というのは、本当は存在しないのだろう。

戻る