定年後の読書ノートより

敗北を抱きしめてー第3章:虚脱―疲労と絶望―ジョン・ダワー著、岩波書店
  • アメリカ側:勝ち誇ったプライドと独善的な自信、輝ける未来計画を携えて登場。しかるに日本側:猛烈な「死の社会化」(鶴見和子の言葉)を経験した日本の民衆。
  • 最終決戦で死を覚悟させる狂信的キャンペーン降伏とは死からの解放崩壊感虚脱状態空腹と物不足深刻な食料難米国からの緊急食糧アメリカのイメージ高まる都会人は農村へ食糧物物交換人々に襲った大破綻に巻き込まれるかも知れないという恐怖天井しらずのインフレ
  • 投書にみる生きるか死ぬかの限界状況。人生とはただ生存の維持のみという限界状況。1945年から1949年までの4年間。1947年34歳山口判事の餓死。法律に従う道を徹すれば山口判事の死の道しかない。衝撃が世間を走る。しかし、人々は自ら、とにかく生き長らえることこそ重要と認識
  • とにかく生きる事だけ考えている状態。たくましさも感じさせるラブレー風な話。さらに悪いことには、食糧難に加えて、疫病が襲った。コレラ・赤痢・腸チフス・パラチフス・天然痘・流行性チフス・しょうこう熱・ジフテリア・流行性髄膜炎・ポリオ・脳炎
  • 虚脱状態の根深い底には、達成不可能な戦争目的を進めた日本指導部無能さへの怒り。しかし特権階級の戦後の自己中心的行動は、腐敗の現実を再認識させただけだった。
  • 未曾有の混乱のなかで、日本に独特の「和」とか「美俗」とか「家族」的団結又は忠誠とかといったお説教は、すべて中味がなかったと民衆は自覚した。
  • 特攻隊は神様だと見ていたが、敗戦後一転して彼等の暴力的行為の蔓延に対し「特攻くずれ」という流行語。
  • 子供の遊びに見る敗戦の悲哀。闇市ごっこ。パンパン遊び、デモ遊び。引揚げ列車。
  • 傾斜生産方式等、インフレ抑制策は結果として不充分。資本家は投資意欲を示さない。闇経済が横行。
  • 敗戦混乱の中で行われた軍需物資略奪や闇融資、証拠書類消滅。軍の全資産の70%は、敗戦混乱の中で略奪処分
  • こうした状況の下で、日本人の中に被害者意識が根を張る。既存の権威への不信と怒り。多くの労働者が急進化「頽廃」が、古い正当性に対する刺激的な挑戦として登場。

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