定年後の読書ノートより
カラマーゾフの兄弟、第11編、兄イヴァン、ドストエフスキー著、河出書房
娼婦グルーシェンカは、足繁く兄ミーチャに面会した。娼婦グルーシェンカは、令嬢カーチャに激しい嫉妬を感じながら、いつもミーチャの心は自分のつなぎとめておかないと不安に襲われる激しい、我が侭な性格だった。アリョーシャはグルーシェンカに言った。兄はアナタを愛してますよ。カーチャはもう兄の心にはいません。グルーシェンカもアリョーシャも兄ミーチャの無罪を信じていた。しかし2人は最近兄の精神状態が少しオカシイと気にしている。兄は何故か、自分に執って不利な証拠に弁解しようとしないし、自己の無実を積極的に主張しようともしない。

ホフラコーヴァ夫人は巨額の資産をもつ未亡人。いろいろな若い男達が近づいてくる。事件当夜訪ねてきた官吏ベルホーチンは、毎夜頻繁に夫人の部屋に訪問、夫人もすっかりお気に入り、学僧ラキーチンもその一人。しかし、ラキーチンは理屈っぽく、夫人の心を捉えることは出来ない、腹いせにゴシップ雑誌に夫人やミーチャ、グルーシェンカの悪口を書き立てる。

アリョーシャはホフラコーバ夫人の娘リーザのもとに頻繁に通う。しかしわがままなリーザはアリョーシャを焦らせたり、困らせたりして素直になれない。子供を虐殺して楽しんだユダヤ人の話をして、リーザはアリョーシャを困らせる。

アリョーシャは兄ミーチャを監獄に訪ねる。すでにラキーチンが来ていた。ゴシップの種探しと訪問目的は明らかだ。兄はラキーチンを追いだそうとしない。兄は包容力が大きく、知的会話が好きなのだ。兄は自分はグルーシェンカによって、真人間になったと言い切る。グルーシェンカと結婚出来るだろうか、ミーチャは呟く。イワンは密かにミーチャとグルーシェンカをアメリカへ逃亡させようと、カーチャと秘策を練る。アリョーシャは兄ミーチャにいう。「僕は貴方が下手人とは1分間だって信じたことはありません。」と。ミーチャは喜ぶ。

しかしイワンは兄ミーチャが犯人に違いないと信じている。イワンは兄ミーチャを「人殺し」「冷血漢」と決め付ける。しかしアリョーシャより、兄は無罪だと教えられるが信じれない。イワンはスメルジャコフを訪ね、確証を得ようとする。スメルジャコフは、自分は犯人ではないと主張するが、一方では、イワンに父を殺したことによってイワンこそ、大きな利益が得られたのではないか、こうなるのを一番望んでいたのは、貴方ではなかったかと詰め寄る。2度目の訪問時、イワンは自分が父を憎く思っていたことを一番詳しく知っていたのは、スメルジャコフではなかったかと詰め寄る。3度目スメルジャコフは自分が父フォードルを殺したとイワンに告白する。しかし、すでにイワンはすっかり精神バランスを崩し、その夜、とうとう気が狂ってしまう。そしてそこにアリョーシャが駆けつける。「スメルジャコフが首を吊って自殺した」と。

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