定年後の読書ノートより
日本経済新聞新春社説、行動力は危機直視から、日本再生残された時間
日本は明らかに、戦後最大の経済的危機に直面している。しかし本当の危機は、危機であるのに危機感が十分に生まれていないことにあるかも知れない。日本の危機とは、景気循環を重ねるたびに需要刺激策による景気の回復期間が短縮し、下降が厳しくなりがちなことと、91年以降の年平均の経済成長率が1%でしかないことである。

小泉政権の構造改革路線は、この構造的な側面を真剣に対応しようとしている点では評価できる。だが、問題もある。第1は、環境的な下降局面に対処するマクロ経済政策が弱いことだ。第2は構造改革についても、税金のむだ使いを無くすという改革に重点があり、冨を産み出し、成長トレンドを押し上げる政策が弱体なことである。

大競争時代にあり各国が懸命に走っている時、ゼロ成長目標は静止ではなく後ずさり、失速を意味する。危機の現実を直視することが、行動への出発点である。

「社説読後感」

デフレ経済下、状況は単なる不況の深刻化という段階ではない。構造的な危機が進行している。率直に言えば恐慌が接近している。恐慌回避の一つとして、民間の活力を産み出すこと、その為には、富の産み出しと分配にもっと民間活力活性化が望まれている。節約だけではこの恐慌を回避出来ない。政府はマクロ経済政策が必要なのだと日経は力説する。民間活力回復の基礎となる、富の産み出しに関してもっと積極的な施策が必要だと日経は提起する。

積極性を主張する日経からは、節約、引きこもり姿勢は世界的視野から判断して敗北に結びつくという。しかし、本当に世界的拡大競争に打ち勝って、民間活力の冨増殖がすべてに最優先するのだろうか。

国民生活向上が、経済に求める国民の期待だとすれば、我々はもう一度、バブル崩壊は国民に何をもたらしたか、想起すべきではなかろうか。恐慌が近づいているのは事実かも知れない。ならばこそ、国民は国民生活の向上こそが何よりも大切なのだと主張し、あのバブル崩壊から学んだ教訓を今ここで想起する必要があるのではなかろうか。

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