定年後の読書ノートより
科学的社会主義―科学的社会主義とは何かー岡本博之編、新日本出版社
はじめにー日本における労働運動の発展と科学的社会主義の導入と成長
第1章―科学的社会主義成立の歴史的条件
第2章―人間知識の総和
第3章―科学的社会主義の3つの源泉と3つの構成部分
第4章―近代民主主義のもっとも発展的な継承者としての科学的社会主義
第5章―科学的社会主義の歴史的発展
第6章―科学的社会主義の歴史的特質
第7章―進んだ資本主義国の革命の問題
第8章―科学的社会主義の離村の日本に置ける創造的発展―日本共産党綱領の路線

はじめにー日本における労働運動の発展と科学的社会主義の導入と成長

  • 1886年工場労働者の数は11万人、1898年41万人。日本における近代的労働運動は、1897年、日清戦争の後に始った。
  • 1900年治安警察法。我が国の労働組合運動は生誕したときから、絶対主義的天皇制政府は、徹底的な弾圧を加え、民主主義的自由の闘争に直面した。
  • 孝徳らは冒険主義に傾斜、天皇制政府はこの弱点につけこんで、1910年「大逆事件」をでっちあげ、社会主義に対する国民の恐怖をかきたて、圧殺した。
  • 大杉栄の無政府主義的潮流に対し、十月革命を契機に思想闘争は科学的社会主義が優位となり、1922年7月15日日本共産党が創立された。

第1章―科学的社会主義成立の歴史的条件

  • 日本における空想的社会主義。安藤昌益。19世紀のフランスのサン・シモン、フーリエ、イギリスのオーエンらの社会主義学説。
  • 産業革命は1760年〜1830年。機械制大工業への発展をうながした技術的変革とそれにともなう社会関係の変化。エンゲルスが命名。
  • フランス革命「人権宣言」自由・平等・友愛は新世紀を告げる封建勢力に対する人民大衆の主張であり、1830年7月革命で貴族階級の政治的支配は打倒。
  • イギリス・フランス・ドイツなど西ヨーロッパ諸国で資本主義的生産様式が確立され、革命的プロレタリアートが歴史の舞台に登場。科学的社会主義の歴史的条件。
  • 1830年代、ドイツはブルジョア革命の前夜。マルクス・エンゲルスはプロレタリアート解放諸条件の理論的総括から科学的社会主義の学説を打立てた。

第2章―人間知識の総和

  • 当時のいくつかの社会主義理論は大衆的な労働運動との結びつきはもっていなかった。一方、労働者階級は、科学的革命理論を必要としていた。
  • 人間知識の総和としてのマルクス・エンゲルスの研究総和。マルクスは研究成果を一般化する前に、関連した材料をすべて消化した。資本論は24年間して公にした。
  • エンゲルスもマルクス同様、人類の知識の全宝庫をもって、自分の知識をゆたかにし、これを科学的社会主義の血肉とした。まさに人類知識の集大成である。

第3章―科学的社会主義の3つの源泉と3つの構成部分

  • 理論的源泉。ドイツ古典哲学、ヘーゲルの弁証法とフォイエルバッハの唯物論。イギリスの古典経済学、アダム・スミスやリカードの労働価値説を発展させて、剰余価値理論。フランス社会主義、サン・シモン、フーリエの社会主義思想。
  • ドイツ古典哲学の変革を逃避する思弁的な観念論哲学、進歩的・積極的側面としての現実の研究にたいする弁証法的方法。フォイエルバッハは、世界の認識は可能とする唯物論。しかし人間の感性的活動、実践としてとらえていなかった。
  • マルクス以前の哲学は世界の解釈に過ぎなかった。人間の実践活動が認識の基礎であるとする立場にたって、はじめて世界を正しく説明することが出来る。
  • 先ず物質的手段の生産と経済的発展段階が土台をなし、その土台から国家制度、芸術、宗教的観念さえも発展し、説明もそうあらねばならない。逆はオカシイ。
  • 市民社会の解剖学は経済学。社会の経済法則の認識から社会主義の歴史的必然性が導きだされる。商品の価値をそれに含まれる労働量によって規定する労働価値論。
  • リカードは賃金と利潤を、労働によってつくりだされた価値のふたつの構成部分とみなし、賃金の低下は利潤を上昇させ、その上昇は利潤を低下させると結論した。
  • マルクスは、弁証法的唯物論の方法と史的唯物論の命題を、経済関係の研究に適用することによって、経済学を根本的に変革した。
  • 資本論にて、マルクスは近代社会の経済的運動法則を明らかにした。剰余価値説は資本主義の基本的生産関係の本質をあばきだし、階級闘争の根源をあきらかにした。
  • マルクスは、「資本論」によって資本主義的単純再生産と拡大再生産について分析し、過剰生産恐慌を不可避的にもたらす資本主義的実現の深刻な矛盾を分析した。
  • フランス唯物論の教説、「もし人間がその環境を人間的なものによってつくれるものであるとすれば、ひとはその環境を人間的なものにつくっていかなければならない。
  • 空想的社会主義は階級闘争の創造力に気付かず、新社会実現の為、もっぱら説教、著作、小実験により、思想体系の優秀さを人々に納得させようとした。
  • 資本主義の発展そのものが、社会主義を実現する物質的条件を作り出す。搾取のない社会をつくる勢力は、近代賃金労働者階級である。
  • 大工場の協同作業は、労働者に協同行動を教える。搾取者の抵抗をおさえるプロレタリアートの執権、国家権力を握るのは労働者階級である。
  • 権力獲得は強力革命だけではない。平和的手段で革命を達成する可能性をさがさねばならない。その可能性はある。多数者の利益のための多数者革命。
  • 無自覚な大衆の先頭にたった自覚した少数者が遂行した革命の時代は過ぎ去った。長期にわたって、ねばり強く、多数者の支持ををえた革命の勝利。
  • 労働者の組織性、目標と任務、闘争の方法と手段の理解。マルクスは勝利するためには、労働運動は科学的社会主義の理論をもっていなければならないと主張。
  • 社会主義の段階では、生産力と労働生産性は資本主義より早い速度で発達するが、生産力はありあまるほど物資を生産する段階に達していない。各人は能力におうじて働き、労働量におうじて社会的生産物の分配を受ける。
  • 共産主義の段階では、精神労働と肉体労働の対立がなくなり、労働が生活要求となり、社会の冨は豊かになり、各人は能力に応じて、各人はその必要に応じて。

第4章―近代民主主義のもっとも発展的な継承者としての科学的社会主義

第5章―科学的社会主義の歴史的発展

  • 日和見主義とは、ブルジョアジーとの協議、闘争回避、拒否の姿勢。小ブルジョア潮流とは、ブルジョアシーに公然と奉仕する潮流、言葉の上では急進的で、実際はブルジョアジーにひざまずく潮流。
  • 20世紀、世界資本主義は、その最高の最後の段階として帝国主義の段階に入った。民族解放運動の高まり。万国のプロレタリアと被抑圧民族団結せよ。
  • 強力革命を余儀なくされている国と平和的、合法的手段による革命の可能性のある国。死滅しつつある資本主義と成長しゆく社会主義との共存と闘争。
  • 1935年第7回コミンテルン大会における反ファシズム統一戦線。その結果、戦中、戦後の各国共産党の勢力拡大。発達した資本主義諸国の革命での創造性の問題。
  • 民族解放運動における人民民主主義の勝利、普通選挙法にもとづく議会制度を徹底的に改革し、権力を掌握した人民のための機関とする国家形態。

第6章―科学的社会主義の歴史的特質

  • 階級社会では、あらゆるイデオロギーは、なんらかの階級の利害の現れ。なんらかの党派のイデオロギー。社会に生きる者は、社会から自由ではありえない。
  • 科学的社会主義は、資本主義社会を革命的に社会主義社会に変革していくためにもっとも偉大な思想的武器である。
  • 現状を変革するためには、真実を徹底的に追究していくことを必要とする。労働者階級は社会の発展法則客観的に研究することを務めねばならない。
  • 科学的社会主義の理論を、現実をたちきる型紙としてではなく、理論と運動の創造的な発展をうながす導きの糸として生かさねばならない。

第7章―進んだ資本主義国の革命の問題

  • 出来るだけ犠牲の少ない民主的平和的方法で、民主主義革命・社会主義革命をなしとげ、社会主義・共産主義社会の建設に進むことが、資本主義の労働者階級とその前衛部隊の任務となっている。
  • ロシアは経済的後進国であった。高度に発達した資本主義国の多くは、代議制民主主義がかなり定着をとげ、それは人類の価値ある遺産の一つとして、普遍的にみられるようになってきた。
  • 国会で安定した多数を占め、統一戦線政府を堂々と樹立し、革命の条件を有利にし、民主独立の日本から社会主義の日本へと、平和的、民主的な方法で前進出来る展望が開かれている。

第8章―科学的社会主義の離村の日本に置ける創造的発展

―日本共産党綱領の路線

  • 1961年第8回大会で、全員一致で採択された日本共産党綱領。帝国主義と民族問題にかんする命題、革命の成長転化の理論の真髄を日本の現状にあてはめ、アメリカ帝国主義による高度に発達した独占資本主義国の従属化の新しい形態という問題に、理論的解明を与えた。当面する革命を反帝反独占の民主主義革命と規定し、それが社会主義に急速に発展する展望。
  • 日本共産党は、対米従属状態にある発達した資本主義国の革命運動の問題を正面からとりあげ、理論的、実践的に解明した。

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