定年後の読書ノートより

科学的社会主義―第2課:科学的社会主義の哲学ー岡本博之編、新日本出版社
はじめにー科学的社会主義の哲学
第1章―弁証法的唯物論
第1節―唯物論
第2節―唯物論的弁証法
第3節―人間と世界の認識
第2章―史的唯物論
第1節―唯物論の世界観
第2節―社会の発展・国家と革命
第3節―人類社会の発展史

 

  • はじめにー科学的社会主義の哲学
    • 哲学は、理論的に体系だてえられた世界観についての学説である。人々がどういう世界観をもっているかということは、その人の生き方をきめるうえで大きな役割を果たす。
    • 科学的社会主義の哲学は、弁証法的唯物論と史的唯物論の2つから成立つ。

    第1章―弁証法的唯物論

    第1節ー唯物論

    • 唯物論と観念論の違いは、物質と精神、存在と意識との関係について、どちらを本源的に見るかの違いである。
    • イギリスでは、1640年から1688年に封建社会が倒されて、資本主義が生まれた。この革命でベーコン・ホッブス・ロックなどの唯物論者が現れた。
    • 18世紀フランス唯物論の弱点。物質の運動を力学的運動に限られた。世界が質的に深まっていく発展を見抜けなかった。人間社会に唯物論を貫けなかった。
    • ドイツでは、世界を変化し、発展するものとして見る弁証法が発展していた。
    • 物質の運動形態として、力学的運動形態、物理的運動形態、化学的運動形態、生物学的運動形態、社会的運動形態がある。
    • 意識が実践をみちびいて目的どおりに世界を変革するには、事実をありのままとらえると共に、社会の発展法則についての正確な知識にもとづく科学的分析力を持つことが必要。
    • 不可知論を解決するには人間の才知よりも人間の行動、実践である。
    • 客観的観念論というのは、人間の精神以上の超自然的な精神的なものが世界の根源だというのです。代表的なヘーゲル。
    • マッハ主義とは実証主義のことであり、唯物論と観念論のどちらでもなく、事物が人間の感覚の複合なら人間誕生以前の自然は、誰の感覚複合なのか。人間は頭脳の助けを借りて考えるのであり、感覚は中枢神経の機能であり、頭脳と神経系という物質なしに意識や感覚はない。マッハ主義は自分以外のあらゆる事物と全ての人々の存在を否定する唯我論になる。
    • 肉体労働から離れている知識人は、ややもすると、具体的な事実から離れて、抽象的に思考する傾向があり観念論に傾きやすい。

    第2節―唯物論的弁証法

    • 研究方法、全体から切り離し、固定し、不変と見る習慣。これらはイギリスのベーコン・ロックなどの唯物論。形而上学。肯定と否定、原因と結果、いつも絶対的な対立。
    • ヘーゲルの弁証法の欠陥。時代の知識と見解が限られていた。
    • 唯物論的弁証法は世界が絶えず運動し、変化し、発展していると見る。全ては長い発展の結果と見る。発展し、連関し、統一した全体を形づくる。
    • 変化・発展が何故起こるか、これを明らかにするのが弁証法。対立物の統一と闘争の法則、量的変化と質的変化の相互転化の法則。否定の否定。
    • 多数の矛盾がある時は、決定的な矛盾を見出す。主要な矛盾は、決定的な役割を果たす。
    • 事物の変化はまず量的変化から始る。量が一定の限度に達した時、質の変化が起こる。
    • 事物の発展は、たんに古いものの消滅、否定ではなく、同時に古いもののなかに成長してくる積極的な意味を持つ、新しいものの出現、肯定という形をとる。
    • 古いものにかえるのではなく、はるかに高い段階で、低い段階の一定の特徴、性質等々を繰り返し、ラセン状を描いて進む。

     

    第3節―人間と世界の認識

  • 認識における実践の役割評価。認識は弁証法の観点からすれば、思考が認識対象に接近する無限の過程。
  • 認識は人間の実践にもとずいてうまれ、発展する。認識の結果を、世界を替える実践的活動に利用するために、法則を認識する。
  • 認識の発展は生き生きした直観から、抽象的思考への運動です。
  • 論理的思考の基本的形態は概念です。概念は、事物の2次的部分をすてて本質的な、一般的な側面を反映する。概念がうまれる基礎は実践です。
  • 論理的認識は感覚的認識にくらべて抽象的で一般的ですが、事物の本質と法則とを全面的に深く反映する高い段階での認識である。
  • 分析的方法と総合的方法は科学的認識の統一的な方法の切り離せないように作用しあっている要素である。。
  • 帰納というのは、多数の現象から一般的法則を導き出す方法。演繹とは、対象全体の知識から、他の事物にも知識をひろげる方法。
  • 帰納によって引き出された法則や結論は演繹によって試される
  • 原子についての今日の学説は相対的真理であって、同時に絶対的真理を含んでいる。
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第2章―史的唯物論

第1節―唯物論の社会観

  • 大工業の発達にともなう階級闘争の発展が、マルクス・エンゲルスが唯物論的歴史観をうちたてる研究のとりかかりである。
  • 社会の諸階級は経済的諸関係の産物である。経済的構造が現実の土台を作り、上部構造はこの土台から説明されねばならない。
  • 問題は歴史の最終的な推進力となっている動力を探すこと。歴史的変動をもたらす階級をみちびく動機をさぐること。
  • 階級闘争がおこる基礎となるものは、人間が生きていくための物質的生活資料の生産における人々の関係。
  • 衣食住の問題を解決するためには、労働し、これらの物質的生活資料を生産することが必要です。その生産がどのように行われるか、精神生活に決定的影響を持つ。
  • 史的唯物論の根本である社会的存在が社会的意識を規定するという命題は、弁証法的唯物論の認識論で、人間の意識は存在の反映であるという、もっとも一般的な規定と切り離せない。
  • 生産関係は社会の生産力の発展段階におうじて発展する人間の社会的関係であり、人間の意志から独立して存在する。
  • 社会の土台が上部構造を規定すると同時に、上部構造から土台に反作用しますが、その中で決定的役割を果たすのは、やはり土台です。

第2節―社会の発展・国家と革命

  • 社会全体を規定するものが生産様式の発展であること、生産様式は生産力と生産関係との2つからなる。
  • 社会的生産力はたえず発展する性質をもっていますが、生産様式のもうひとつの側面である生産関係は、いちど出来上がると固定する性質をもっています。
  • 社会的生産力がある段階までくると、それまで生産力の発展を促す役割を果たしてきた生産関係が、逆に生産力の発展をさまたげる障害にかわります。
  • 生産手段の所有者は、生産物はもっぱら他人の労働の生産物であるのに、ひきつづきその生産物を取得します。この矛盾のなかに、現代のすべての衝突がすでに萌芽としてふくまれている。
  • 抑圧されている階級が、革命によって古い生産関係を変革して新しい生産関係をうちたてようとするとき、支配階級は国家権力をつかってこれをおさえつけようとします。したがって、社会革命はどうしても国家権力の問題にぶつかります。
  • 階級は、以前その発生が不可避であったように、やはり不可避的に消滅するだろう。階級が消滅するとともに、国家も不可避的に消滅する。
  • 国家の統治形態の違いは、国家が支配階級の支配のための機関であるという国家の本質を変えるものではありません。しかし、国家の統治形態が民主主義的であればあるほど、支配階級に反対して闘っている階級にとってはとっても有利に作用する。

第3節―人類社会の発展史

  • 血縁で統合した氏族が社会の単位。氏族協同体。生産力の発展につれて、氏族共同体は崩れ家族が統合した村落共同体。
  • 分業はいっそう進む。奴隷性国家が国家のはじまり。生産力が高まり古代文化が発達した。
  • 日本では奴婢と呼ばれる奴隷制はゆるやかに発展した豪族は奴婢を所有し、その配下に部民ー伴部を隷属。7世紀後半には天皇中心の中央集権国家が成立した。
  • 封建制の生産関係の特徴は、生産手段、土地の封建領主の所有と農奴制。
  • 資本主義の生産関係の特徴は、資本家による生産手段の私有と労働力を売り資本家の搾取に甘んじる労働者の存在。
  • 労働者階級を抑え、内政と侵略的な外交をおこなうため、国家機構がますます強大になり、強大な軍事力と警察等の抑圧機関が強大になる。
  • 19世紀の終り頃より帝国主義の段階に入り、自由競争に変り独占があらわれ、植民地、発展途上国に進出してその資源を取り入れ、労働力を搾取する。
  • 資本主義から社会主義への移行は、国家権力をにぎることによって行われ、社会的所有が行われる
  • 社会主義では能力に応じて働き、労働に応じて分配する。共産主義では能力に応じて働き、必要に応じて受け取る。

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