定年後の読書ノートより
中日新聞新春社説、人類融和への道標、年のはじめに考える
微温的平和状況は同時テロ事件で吹っ飛んだ。先進国の人々は、バーミャンの仏像破壊を強く非難しましたが、近くに住むアフガン国民の生活ぶりには無関心だった。豊かな国が貧しい国に手を差し伸べるのは当然で、そうした政策を怠ってきたところに、途上国でテロリズムや反米感情を醸成する一因があると言えるかも知れません。

もう一つの原因は、冷戦時代に封印されていた民族ナショナリズムの台頭です。

さらに一つは、グローバリゼーションと多元的価値観の相克です。グローバリゼーションが「アメリカ化」と同じではないかとの批判が渦巻いています。人類の融和は簡単ではありません。そこに至る道標として3つの努力目標を提起したい。

  1. 地球上から貧困を無くす為、先進国の努力義務を設定する。
  2. 民主主義の浸透を広め、民族ナショナリズムの暴発を予防する。
  3. 異文化を理解するため、世界賢人会議を開催する。

各国が内向きでなく、目と心を外に向けて理解しあうよう、日本の指導性を発揮する。

「社説読後感」

社説にありがちな抽象論ではないか。例として貧困を無くすには、貧困が何故生まれてくるか、この社会科学的解析を土台とした視点に立つべきで、各国が慈善的救済をして貧国が解決できるものではないことは明らかだし、弱者への偽善が弱者の独立心を押さえてしまうことを危惧する。

民主主義普及の土台は、その国の経済的安定が基盤である。民主主義と掛け声ばかりが先行して、民主主義が掛け声だけで達成されるような幻想を、懐いているとは思わないが、多分に中日新聞新春社説は理想論が先走っているような、印象を受ける。

人類の融和という理想主義を掲げるなら、それなりに高い倫理性を伴った、毅然とした、努力目標を国民に示して欲しかった。

ここをクリックすれば、読書ノートの目録に戻れます。