定年後の読書ノート
読売新聞新年社説、2003年1月1日、読売新聞
他社に比較して、読売新聞新年社説スペースは一番大きい。しかし、その内容はアメリカに追従する保守主義に過ぎない

このままでは日本経済は恐慌に陥りかねない。昭和恐慌の背景になった米国大恐慌と今の日本の経済状況は幾つかの点で極めて酷似している。かって米国フーバ大統領は、危機の実体を見ようとはしなかった。

不況下で、経済から非効率な部分の切り捨てを急ぐ政策を取り続けた。いうなれば、「破壊」を進めれば、その後には新たな「創造」が生まれてくると主張した。「構造改革なくして成長なし」という小泉首相のスローガンも「改革」の後に来るという「成長」の具体的ビジョンはない。

昭和恐慌をまねいた浜口内閣のキャッチフレーズは「財政整理」だった。小泉改革の意味はどうあれ、当面は財政再建よりも「景気回復」を優先すべきだ。2003年は、日本経済が恐慌に陥るかそれとも危機的状況から脱出できるか、歴史的分岐点になる。

日本は国際政治上も重大な岐路に立つ。米国との同盟関係を将来にわたって維持する基本原則が重要である。米国は、イラク問題が一段落すれば、次は北朝鮮問題と取り組む。この時日本は、国家の安全保障の問題にかかわる、この異常な国とどう向き合うか。

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