定年後の読書ノートより

ソフィーの世界(1)、ヨースタイン・コルデル著、池田香代子訳、NHK出版
この度、[ソフィーの世界]を読み直していきたい。再読はこの本の必須条件です。
  • 哲学の世界に入って行く、一番良い方法は、問題意識を持つこと。つまり哲学の問いをたてること。いい哲学者になるためのたった一つの才能は、驚くという才能。世界をわかりきったものと思っている人は哲学者にはなれない。日常にとらわれて生きることへの驚きを深いところに押し込んでしまった人は哲学者にはなれない。哲学者は世界をもう一度まるで始めて見るような驚きで見直せる人です。
  • 神話とは、人間たちはなぜこのような生き方をしているかを説明しようとする神の物語です。最初の哲学者たちの考え方を理解するには、神話で世界をとらえるとはどういうことかを知らねばなりません。神話は人間たちにはわけのわからないことを説明しようとします。やがて人間の生活は飛躍的な発展をとげ、神話的な思考から、経験と理性を踏まえた考え方に発展していきました。
  • 最初のギリシャ哲学者は自然哲学者と呼ばれます。彼等は自然とその営みに関心を寄せました。神話に頼らずに自然を理解しようとしました。哲学者は宗教から自由になりました。自然界のあらゆる変化の根底には元素があると信じました。人間の理性に寄せる強い信念を合理主義といいます。ヘラクレイトスは、見るものは信じなければならない、目にするのはたえまない自然の変化だ。すべての変化は二つの異なる力が働いていると唱えました。自然哲学者デモクリトスは、原子はすべて永遠で、変化せず、分けられないと唱えました。ヘロドトスは、歴史について哲学を確立しようとしました。ヒポクラテスは、病気を予防する最も良い方法は節度と健康な生活態度であると唱えました。
  • アテナイで民主主義が発展しました。ソフィスト達は、人間は、自然にまつわる謎の答えは見つけられないと懐疑主義を唱えました。プタゴラスは、神はいるか、いないか自分には分からないと不可知論を唱えました。ソクラテスは、幾つかの基準は本当に絶対で、いつでもどこでもあてはまる、と唱えました。しかしソクラテスは、人を教え導こうとはしなかった。ソクラテスは、本当の知は、自分の中からくるもので、自分の中から生まれた知だけが、本当の理解だと唱えました。ソクラテスは自分の良心と真理を命より大切だと考えました。ソクラテスは、正と不正を区別する力は理性にあって社会にはないと信じていました。
  • ソクラテスは、人間はだれでも理性を働かしさえすれば、哲学の真理を理解出来ると唱えました。プラトンは感覚世界の後ろに本当の世界があると考えた。これをイディア界と名づけた。プラトンは、知覚するものについて、あるいは感じるものについて、僕達はあいまいな意見しかもてない。けれども理性で認識するものについては、たしかな知に達することができる。
  • プラトンによれば、人間の身体は頭と胸と下半身の3つの部分から成立っている。部分にはそれぞれ機能が割り振られている。頭には理性、胸には意志、下半身には快楽あるいは欲望というわけだ。さらにこれらの機能には、それぞれ理想の状態、つまり徳がある。理性には知恵を目指さなければならないし、意志は勇気をしめさなければならない。欲望はコントロールされて節度を示さなければならない。もしも人間の3つの部分が1つにまとまってはたらくなら、僕達は調和のとれた、まともな人間でいられる。我々はまず欲望をコントロールすることを学び、つぎに勇気を養い、最後に理性に磨きをかけて知恵を身につけねばならないとプラトンは唱えた。

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