韓国世界遺産を巡る

              

秋の大きな青空を見上げていると、ヨーロッパから帰国してまだ1週間も経っていないというのに、突然また旅に出かけたくなった。

 

「韓国世界遺産7箇所を独りで廻ってみよう。4月から始めた小倉紀蔵先生のNHKハングル講座もいよいよ終講が近づいている。よし、今度の旅は、日本語や英語を使うことは、極力押さえて、ハングル実践の場にしてみよう!」と意気込み、ヨーロッパから帰国して2週間目の、9月25日、中部国際空港を出発した。

高速バス、市内バスを乗り継いで、世界遺産7箇所のスケッチ旅行を重ねた。途中、随分多くの韓国の方々にお世話になった。行商荷物を担いだ年輩のオジサン、「旅行中何か困ったことが起きたら、いつでも良いから俺の家に電話しな」と電話番号を書いたメモを渡してくれた。


慶州へは、東大邱から高速バスを利用した。高速道路脇のバスストップに下ろされ、バスが走り去ってから、周囲を見回し驚いた。「しまった!ここは慶州高速バスターミナルではない」。気づいた時は、もう遅かった。周囲は真っ暗闇の田んぼの中。1kmも歩いて、やっとガソリンスタンドの明かりにたどり着いた。


「ここは慶州でも外れの辺鄙な山奥だよ。市内バスなど走っていないよ。タクシーを呼んであげるから、まあ座ってコーヒーでも飲みなさい」とガソリンスタンドのご主人。「こんな時間でお腹もすいたでしょう」と奥様は早速夕食を準備してくれた。韓国の人々の暖かさが身にしみる、この旅最高の思い出である。

思えば韓国を訪問したのは15年振りだ。最近 海外へ出かける度に実感しているコーリアンパワーの急成長、世界至る所に韓国製自動車が走り周り、電子製品の巨大広告塔は、もう日本を完全に凌いでいる。この力の源泉を知る為にも、久しぶりに韓国国内の実態を見てみたい。


韓国は何処へ行っても高層マンションが建ち並び、道路網は整備され、すさまじい自動車社会の中にある。人々の目には活気が満ち溢れ、忙しく立ちまわっている。ソウル地下鉄網は縦横に広がり、KTXは295km/Hのスピードで、ソウル〜東大邱間を1時間半で結んでいる。
20年ぶりにソウル大学も訪ねてみた。当時はまだ移転したばかりだったのに、今では近代的学舎が建ち並び、堂々たるキャンパスになっている。

 
新設の中央博物館にも行ってみた。東洋館ではシルクロード・ベゼクリク千仏洞、アスターナ古墳群の秘宝が光っている。しかし、大谷探検隊の発掘歴史に関しては一言も触れられておらず、ただ1枚の砂漠の中を進む探検隊の写真だけが展示してあった。学芸員に秘宝出品経過をきちんと明らかにした方が良いのではないかと、口頭進言した。何故ならば、これ等の秘宝は、今や世界的な貴重な人類遺産でもある。


最後に「ユージンとジュンサン」達が学んだ「冬ソナ高校」も訪ねてみた。思えばユージンに似た目黒高時代の、我が青春のマリアンヌは、その後東京でどんな人生を歩いてきたのだろうか。


「冬ソナ高校」正門前の、愉快な土産屋のオバサン「貴方、韓国語がお上手ね」と、すっかりおだてられ、安くもないユージンの写真を思わず買わされてしまった。

 



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