定年後の読書ノートより
どうしたら幸福になれるか、再読11、WBウルフ著、岩波新書&一光社
10章、失敗の類型―ノイローゼについてー

ノイローゼは、現代機械文明に特有な疫病である。この現代の疫病、ノイローゼは、病気などというようなものではなく、人生から逃げ、生活の問題から逃避しようとする、人生に対するひとつの態度、生き方である。

ノイローゼは、人間行動の常識についての無知に基いた恐怖の上に造られたひとつの生き方である。ノイローゼは、「私はしない」という代わりに「私は出来ない」と言い、社会的な責任から逃げようとするひとつの生き方である

ノイローゼ患者は自分の人柄を礼賛することにことの外興味を持っている。こうした生き方は、子どもにおいては自然だが、成熟した大人の利己主義は利己的なノイローゼである。

ノイローゼ患者は自分の能力を人前で試すような危険を犯さないし、常に見せかけの優越感をでっち上げることに熱心である。

ノイローゼ患者は。社会的な責任を回避しようとする。ノイローゼ患者は、明白な論理をつくって、「私はしない」の代わりに「私は出来ない」といい、自分の失敗をいいことにしている。ノイローゼ患者は、人間としての完全さを台無しにして、自分の肉体に平気でかがり針を突き刺すようなことをして平気であり、得意気であり、他のひとと違うと自己満足を味わっている。

ノイローゼは因果関係からではなく、目的因から解釈されるべきである。

ノイローゼについての役立つ知識と、その意味について重要な鍵を我々に与えてくれたのは、フロイトではなく、同じウイーンの精神病理学者で、フロイトに逆らった協力者、アルフレッド・アドラーだった。アドラーは、どんなノイローゼについても、知らねばならぬ重要なことはそのノイローゼの目標あるいは目的であるという。

アルフレッド・アドラーは、ノイローゼは社会と労働と性の充足という3つの大きな問題の完全な解決をはぐらかす戦術であると診断した。

ここをクリックすると目録に戻ります