定年後の読書ノートより
どうしたら幸福になれるか、再読12、WBウルフ著、岩波新書&一光社
第11章、協力の類型―愛と結婚―

創造的な自己彫刻という芸術のもっとも美しい表現は、愛と結婚である。愛は自我の拡張を促進するばかりではなく、あらゆる人間が持っている異性に向かうあの貴重な感情の充足である。しかし愛と結婚のつまづきはどこにでも一杯ある。

幸福な結婚をした夫婦は、性の幸福を当然なことと思っている。それはちょうど食べたものを何でも良く消化する人が、彼等の夕食を良く消化したぞといいふらしたりしないのと同じである。幸福な愛の関係は、自尊心というもについての思いやりがあり、きめ細かい社会感情を持ち、共に相手を犠牲にして鼻を高くしようなどとかからない。

暮らし向きがちゃんとしていることや、宗教上の信仰が一致していること、社会的に対等であること、それに神経症的な親類がいないことなども、必須とはいえないまでも、理想的な性の結合をかためるために、大変役立つものである。2人の人間が、お互いに愛し合う時には、彼等はお互い同志だけではなく、彼等の背後にある育ちや、習慣全体という計量し難いものまでを含めて愛することになる。

もし、結婚ということが今よりもっと難しく、離婚ということが今よりもっと容易だとしたら、男も女も今よりずっと幸せに違いない。

愛は友情というものに、異性間の協力という要因がプラスされたものだ。愛は友情プラス性と言っても良い。最善の忠告はこうだ。

結婚する前に、相手の男性を良く知るように努めてみること。が、ひとたび彼と結婚したとなったら、あるがままの彼を受け入れ、それを最大限に生かすよう心がけることだ。

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