定年後の読書ノートより
どうしたら幸福になれるか、再読13、WBウルフ著、岩波新書&一光社
第12章、幸福な成熟―感情移入のコツー

どうしたら上品に年をとることが出来るか。

人は、元気な時代に、自分が年を取った時の為の準備をせねばならない。

人は老年になるに従い、助けのない状態、無力な状態に逆戻りしていく。諸君がもし、優しさや、趣味に十分な投資をしているのなら、老年になることを怖れることはない。諸君は、自分自身の体力が衰えても、かっての優しさと趣味に投資した努力は、幸福という利子を諸君に運んでくれるだろう。

老年になってからの、つまらなさに対する最良の保険は、視界を広げて、世界について、精神的な弾力性と生き生きした関心を強く身につけておくとということだ。

肉体とは違って、精神は年を重ねても衰えはしない。多くのこの上なく幸福な人は、「ユーモアのセンス」という一種の客観性を必ず身につけているものだ。

身体の老化は避けられない自然の法則だ。我々は誰でも、年をとって死ぬものだ。だからこそ、我々は上品に年をとるという芸術を学ばねばならない。人は年をとればとるほど、自我を越えた、何か社会的な運動とか活動に身を入れていくのが望ましい。

上品に年をとるということは、すでに若い時代から開始せねばならない。幸福な老年時代を過ごしたいと思う人は、読書や音楽、文学や芸術に親しみ、多くの人々と交わりという冒険を試みることをおろそかにしてはならない。

生きるという芸術に挑戦する人は、学ぶことを決して止めない。上品に年をとることを望む人は、絶えず新しい考えや、物事への強い関心によって自分を高めている。

人生は、我々に沢山のことを教えてくれた。だからこそ、我々は勉強し、勉強し、勉強して行かねばならないという格言の意味が理解できるのだ。しばらくの間でも、知ること、新たな、より大きな視界を求めることをやめることは、精神的な死に我々を近づける。

世界の歴史は、かってなかった程に、人生を生きるに値するものにした。充実した生き方をするという問題が、これほど大切になってきた時代はなかった。

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