定年後の読書ノートより
どうしたら幸福になれるか、再読(6)、WBウルフ著、岩波新書&一光社
第5章、道具についてー性格とパーソナリティー

自己彫刻にはどんな道具が使えるだろうか?我々は生きることは芸術だと学んだ。幸福な生活を防げる2つの大きな力、すなわち怖れと劣等感を生み出す環境について論じてきた。補償というきわめて大切なテクニックについて述べたが、その結果、遺伝的あるいは環境面がどんな状況であろうとも、われわれを強いて不幸な状態にとどめるような状況はない。人によってさまざまだが、どんな人も、必ず何等かの補償テクニックを利用できる。

人間の子どもは皆、現実の不完全さという、ハンディキャップをもって人生をスタートする。しかも自分のハンディキャップを自覚しているために、その自覚はいっそう重くなる。自分がどんな目標に向かって努力しているか、子どもの意識の奥深い所で、漠然と公式化されているが、大抵は自覚しているものが結晶化される。

たとえば、自分は小さく弱いと感じている少年は、無意識の目標では、100%男らしい男になりたいと願い、交通巡査という目標が結晶化している。その目標は子どもの時に経験したマイナスを、プラスに置き換えるという意味を持つ。

どんな生き方もすべて、子ども時代のマイナスの状況から無意識の目標であるプラスの状況に向けて、懸命に努力するという形をとる。

子どもは周りを見回して目標に到達するための方法や手段を探す。このような、方法や手段をまとめて、性格とかパーソナリティーと呼ぶ。性格とかパーソナリティーは、個人が人生目標を達成する為に利用する道具、工夫、習慣、反応、情報、感情をすべて合わせたものである。われわれは、目標達成に向けて努力しながら、その目標に適した道具とそれを使うテクニックを身につける。

内向性、外向性というレッテルは性格を記述していない。誰それはが性格が良い、あの人は悪いという声をたびたび耳にする。人間性を学ぼうという人が、真実仲間を理解したいと思うなら性格とかパーソナリティーに関する評価を絶対化してはならない。もし隣人を理解したいと思うならば、まず、相手の立場に立つことだ。

ここをクリックすると目録に戻ります