定年後の読書ノートより

遺跡を測る、伊東大作著、奈良国立博物館
遺構実測技法として大きく写真以外の測量写真測量がある。

写真以外の測量

アリダード平板測量(小規模発掘調査用)
基点と目標物を結び、目標物の角度と距離測定、高さをポール軌跡で記録。最近では眼鏡付きアリダート、光波測距儀組み込みアリダードもある。

オフセット測量(基準方眼設定)
メッシュを組む作業、高さ測定作業が能率的ではない。何時でも、何処でも出来るメリットは大きい。

やり方測量(杭に貫板を打ち、貫上に座標軸をマーク。)
作業能率は高いが、杭を打ち込み作業は遺構を痛める。建築遺構に多用される。

トータルスティションによるオフセット測量(CP利用し、角度、距離同時測定)
メッシュは地面に糸を張るので作業容易。最近はミラー追尾装置組み込みもある。

写真測量(大規模地形測定には効果的)

遺跡の航空写真測量。昭和29年、カールツァイス社図化機C-8導入。1/1000縮尺。 平城京垂直撮影。図郭割重要。地表の球体影響補正調整。見瀬丸山古墳は航空写真で1/1000写真測量。地形模型には不可欠。条坊研究等、環境条件詳細把握可能。写真測量により鎌倉大仏修理の際、重量計算に実力発揮。 ステレオカメラSMK-40等により、発掘遺構の図化のみならず、建築物、城跡の石垣、仏像等の実測。

櫓による撮影(櫓の移動が大変)
規模が小さく、立面を主眼とする対象物に今も使われる。

ヘリコプターによる撮影(低速巡航は極めて困難)
レンズの歪曲収差、周辺部で5ミクロン以下。撮影時間は早く済む。費用がかかる。

バルーンによる撮影(風の影響を受けやすい)
SMK-120に替わる、焦点距離150mmの軽量カメラ製作。バルーン費用は安価。

クレーンによる撮影(28tの自走車を発掘区内にいれられるか)
半径25m、高度20mまで撮影可能。経済的撮影方法である。

ロープエイによる撮影(ポールを組むのに時間がかかる)
撮影は早く、単カメラで良く、TVカメラによるモニターも可能。

はね釣瓶方式とバイポット方式による撮影
ポールの先端にカメラを懸垂する方法。ポール1本がはね釣瓶方式。ポール2本で支えるのがバイポット方式。遺物の出土状況で使い分ける。

図化機による解析
ライカAC―3解析図化機。図化機とは、写真撮影したステレオ写真を、オペレータが実体視しながら写真上の3次元座標を測定し、製図台に描画する機械。

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