定年後の読書ノートより
飛鳥・奈良時代―日本の歴史(2)―吉田孝著、岩波ジュニア新書
岩波ジュニア新書は判りやすくかつ学問的な姿勢が貫かれているので好きです

飛鳥時代中国とはどのような関係にあったか。日本は中国から冊封を受けなかった故、優越意識を持ち、朝鮮等隷属的朝貢国化せざるを得ない国々を番国と呼称し、差別視していた支配者意識は、なにかその後の日韓関係を忍ばせる。従って当時の大陸技術の伝達者である渡来人を支配層は、王化を慕って渡来し国家秩序に従った人々と位置づけ理解していたと知り随分勝手なものだと苦笑する。

姉妹が一人の男(欽明天皇)の妻になり、それぞれの子供(用明と穴穂)が結婚して、その子が厩戸皇子(聖徳太子)であったと真面目に聞かされると、「おっぉおっぉ」となる。聖徳太子は蘇我氏に係累する完全な近親結婚の子供だったわけ。

この本にもあるように、歴史を学ぶ楽しみのひとつは、異国を訪れた時の心のときめきと似たところがある。そこには私達と異質な考え方、感じ方をする人々との出会いがある。

著者はこう書いている。「人間にはもちろん共通する面も多いのですが、時代や地域・民俗によって考え方、感じ方は多様です。自分達の考え方、感じ方を絶対的なものとして固定的に捉えないで、自分自身を相対化すること-そのことは、この激動する現代に、地球上のさまざまな人々が共存しながら未来を切り開いて行く上で、必要なことです。」と。

とにかくこの本は面白い。飛鳥時代を新しい目で見直すことが出来ました。それにしても「職貢国」に描かれた遣唐使・倭の使者、鉢巻をして、裸足で、あまりにもおとなり百済の使者と比較してその姿たるやお恥かしい。あの鑑真和尚が苦難を押して来てくれた日本を代表する外交使節です、もう少し堂々と描いてほしかったね。

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