定年後の読書ノートより

飛鳥歴史散歩、奈良国立文化財研究所飛鳥資料館編
小冊子「飛鳥資料館案内」は単なる資料館案内書ではない。自分が今まで見たどの歴史参考書よりも、飛鳥の歴史的意義や遺された文化財をこの本ほど完璧にまとめられた資料はない。何度読み返しても、胸はおどる。このメモは、僕の楽しき飛鳥歴史散歩です

飛鳥の意味

1300年前、大陸文化を吸収し、ここ飛鳥に、始めて統一国家を樹立した100年

1400年前の飛鳥

渡来人を掌握した蘇我氏が登場、飛鳥はにわかに仏教文化と天皇政治が確立する。

飛鳥の時代範囲とは

朝鮮の芸術が影響を与えた時代。(関野説)。推古朝より大化の改新ごろまで。

豪族の時代から律令の時代へ

5世紀は天皇、6世紀物部・蘇我、大陸文化伝来で旧国家崩壊。律令国家確立。

飛鳥の宮

推古天皇、豊浦宮より、宮に政治の機能が加わる。藤原京694年持統天皇。

宮柱

根元を地中に埋める掘立柱。礎石未。柱材は滋賀山中より、筏に組んで運んだ。

豊浦の宮

推古天皇の宮。聖徳太子摂政政治。飛鳥寺完成。豪族寺院建設。跡地豊浦寺。

小墾田宮

推古天皇の宮。遣随使小野妹子、隋使者国書持参。蓮華模様の煉瓦出土。

飛鳥板蓋宮

645年蘇我入鹿暗殺。屋根を板葺にした。焼失のため、跡地認定未。

飛鳥川原宮

斎明天皇655年、飛鳥板蓋宮焼失の為、移転。川原寺跡より、土器、下駄、櫛出土

飛鳥浄御原宮

壬申の乱で、兄天智天皇の子、大友皇子を破った大海人皇子。律令国家基礎。

嶋宮伝承地

蘇我馬子邸宅跡を宮。明日香村島の庄で底に石を敷いた池が発掘されている。

水時計の構造

7世紀唐で造られた。最下水槽に浮かべた筏を、上層水槽サイフォンで管理。

藤原宮

持統天皇律令国家首都。1km四方。橿原市。右京、左京呼称。碁盤市街。

戸籍

藤原京時代6年1回戸籍作成。律令制民衆管理。徴税、徴兵資料。

木簡

律令制役所事務処理。墨で書いた札。文書、荷札、付札。当時の郡は以前は評。

飛鳥の石

古墳時代の埴輪・石人とも違い、仏像彫刻とも違う用途不明、ユーモラス歴史造物。

石人像

水が底から噴く噴水石。飛鳥時代庭園石造物。異国風男女風貌。盃噴水口破損。

須弥山石

庭園噴水施設。石人像と同時発掘。山形彫り込み。内側くり貫き。655年頃。

猿石

欽明天皇陵の南田よりの4体、高取城跡1体とは同じ製作と推定。奇怪な姿石。

二面石

橘寺境内。付近から運ばれたもの。善悪二つの顔を表しているとも言われる。

酒船石

奇怪な溝が彫り込んである。周辺は大規模な斎明天皇の両槻宮との関わり。

益田の岩船

用途不明。表面平仕上、四角穴二つ孔。裾周りに石の平面仕上工程を遺す。

浮き彫りのある石

豊浦。須弥山石に似た文様の石4つ。3つはトンネルに利用。

亀石

一説には条理の境を示すのに利用されたという説。腹に益田岩船と同一格子溝。

弥勒石

条理の境界を示すという説。飛鳥川の堰に使われていたとも。信仰対象。

立石

条理制より前の地割りと関係ありとも言われる。自然石を立てたものも発掘。

飛鳥の古墳

蘇我氏台頭=古墳造成。朝鮮古墳の影響大。花崗岩切石、精巧な横穴式石室。

丸山古墳

天武、持統天皇合葬陵。奈良県下最大前方後円墳。横穴式石室。

石舞台古墳

封土の周囲に石を張り詰め、空濠を巡らす蘇我馬子の墓。

花山塚古墳

石を割って煉瓦に似せて積み上げ。朝鮮古墳の強い影響。

鬼の雪隠、鬼の俎

古墳が壊され石室が転げ落ちた。7世紀。花崗岩。

水泥古墳

蓮華文様の石棺。蘇我蝦夷・入鹿の「今来のならび墓」?。

古墳から火葬墓へ

仏教と共に火葬。持統天皇は火葬され、天武天皇の陵に収められた。

墓誌

中国の風を受け、死者の名前、地位、経歴を銅板、骨蔵器の中にいれた。

高松塚古墳

1972年。壁画。粘土と砂の交互積み固め。石室天井に星座、壁に日・月・四神。

高松塚古墳の遺物

唐の海獣葡萄鏡や唐風の刀の飾り金具唐副葬品。終末期の古墳。

壁画

12人の斜め向き人物の顔は、同一型を引き写し。青龍、白虎も原型組合わせ。

星宿

中国・朝鮮壁画と同じ。精密。天帝による全天支配思想。金箔を朱線。

四神

東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武。星宿と日月は一体。

飛鳥の寺

日本書紀680年京内24寺。天武朝、四大寺・大官大寺、薬師寺、飛鳥寺、川原寺。

飛鳥寺(法興寺・元興寺)

蘇我馬子、7世紀前半、三金堂の大伽藍。造営は百済の工人。瓦の模様=朝鮮

舎利容器と木箱

1196年焼失。心礎の上方2m埋めた。本元興寺=飛鳥寺

飛鳥寺の塔の埋納物

塔心礎の宝物は古墳埋葬品と同じ。豪族に仏教広がり。

飛鳥大仏

609年。鞍作止利仏師作。日本最古の仏像。丈六仏、蘇我氏のちから。

飛鳥時代の彫刻

7世紀前半を飛鳥時代、後半を白鳳時代。法隆寺釈迦三尊。百済観音。

銅造摩耶夫人及天人像

脇の下から釈迦誕生。群像。

川原寺

官寺代表。壮麗な伽藍。1塔2金堂3面僧房。中金堂の大理石礎石。

本薬師寺

698年。天武天皇が持統天皇病気祈願。右京の大寺。奈良の薬師寺に対して本薬師。

大官大寺

九重塔。飛鳥最大寺。711年焼失。平城京の大安寺の前身。

山田寺

石川麻麿641年建立。1982年東回廊、古代建築遺跡として発掘

山田寺の仏頭

1186年山田寺より興福寺に移される。白鳳時代の特色を残す仏像

白鳳時代の彫刻

若々しい表現。隋からの新様式。法隆寺夢違観音、橘夫人念持仏。

塑像

木の芯のまわりに土をつけて造る像。法隆寺、東大寺、興福寺に名品あり。

タイル仏

仏像を型押しタイル。デザインは群像、飛天。初唐の影響。法隆寺玉虫厨子等。

端に文様を持つ軒丸瓦、軒平瓦。軒丸瓦は蓮華文。飛鳥寺の簡素な百済系軒丸瓦。

花弁の間をあけた高句麗瓦。獣面の新羅瓦。単弁の上に装飾的弁を重ねた重弁。

宮の建物の大多数は桧皮を葺いていた

飛鳥と万葉集

古事記・日本書紀の日本文学の萌芽は万葉集にある。 


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