「資本論」と産業革命の時代

マルクスの見たイギリス資本主義 −

玉川寛治著、1999年11月20日初版 新日本出版 2200円

はじめに

「資本論」を学ぶことはルールなき日本の資本主義を民主的に改革していくことです。この本は1999/3より8月まで6回雑誌[経済]連載を加筆推敲、史料、写真、イラストも豊富に追加して、資本論と産業考古学の新参考書のひとつに加えられました。膨大な内容から焦点を絞ると、産業遺産を求めて旅をする貴方には第1章、産業革命の技術に関心を持つ貴方には第2章、産業革命の歴史を求める貴方には第3章、闘いの魂を学ぼうとする貴方には第4章、マルクス、エンゲルスをもっと知りたい貴方には第5・6章をお薦めします。なおこの本は資本論と密接に連動していますので、是非資本論上製版を座右にして、引用箇所を資本論で丹念に読み取りながら楽しまれることをお薦めします。

1、農村に密着した繊維産業―イギリス産業革命初期の産業遺産からー

2、「資本論」時代の技術革新

3、緊張と危険―劣悪な作業環境

4、子供と女性保護、標準労働日獲得の闘い

5、マルクスの機械の研究

6、エンゲルスとランカシャー

あとがき

マルクスが資本論執筆の過程でエンゲルスに問い掛けた技術的質問をこの本で玉川氏はエンゲルスに成り代わって応えている。

資本論は今も我々に組み尽くせない示唆を与えてくれる偉大な古典である。

玉川寛治氏は、繊維メーカの技術者として現場経験豊かで、かつ産業革命以降英国及び日本の繊維産業がどのような歴史を重ねて来たかを長く研究してこられ、また資本論上製版翻訳委員の一人として、資本論を当時の紡績技術に通じた技術者として取り組んでこられた方で、この「資本論と産業革命の時代」をテーマとする著者として、現代日本で最適な方であると思います。定年後玉川氏はこの本の内容充実を目的に何度もマンチェスターを訪れ、現地調査も深められています。私もこの本が一人でも多くの人に読んで頂けるように、呼びかけを続けたいと思っております。

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