映画 阪急電車  -片道15分間の奇跡-      監督    三宅喜重

                          原作    有川 浩

                        主演女優   宮本伸子


久しぶりに気持良い映画を見ました。気分は爽やか。自分自身の気持ちのどこかに見知らぬ他人に対しても温かく見守って上げたくなるような気持ちが沸いてくる心地良い映画です。難しい哲学や倫理観がチラチラして、著者の主張がプンプンするような映画ではありません。全巻に気持良い軽やかな音楽が流れている観やすい映画です。

思えば孝子と新婚生活をスタートし、子ども2人が生まれ、長男が小学校に通うまでの15年間、私達は阪急沿線東洋紡仁川社宅の鉄筋マンション2階で毎日を迎えた。甲山のふもと、ゆるやかな起伏の途中にあり、朝の出勤は甲東園駅から乗車、帰りは仁川駅で下車 ゆるい坂道をゆっくりと歩くのが日課でした。西宮北口駅から宝塚駅までの阪急沿線は、日本でも有数の閑静な高級住宅街であり、この沿線の乗客は上品で知的水準も高いと評価されている。高校時代に住んだ東京目黒 自由が丘近辺より、西宮沿線の方がはるかに太陽が明るくまぶしい。

電車は、いつも
ぴかぴかに磨かれ西宮沿線高級住宅街の雰囲気が車内にさわやかに流れている。映画のストーリーは男と女の機微に触れたエッセイ風な出会いと別れである。顔が綺麗だ、美人だと言われても、大切なのは自分を大切にする人間の生き方ですよとストーリーは語りかける。

甲東園にある関西学院大学を心の中心広場とし、沿線各駅に住む人々の何でもないやりとりが幾つかの重奏曲を奏でている。いじめがあり、DVがあり、セックスがあり、裏切りもある。しかし、それらは何も怖がることではない、素直に、真っ直ぐ向かっていけば、貴方は必ず幸せになれますよと著者は語りかけている。

こんな穏やかな物の観方は一般にお金持ちだけが心情としていることかも知れない。所謂平穏な人生観であり、阪急西宮沿線の人々にこそふさわしい ゆっくりとした時間が流れる穏やかな中産階級バラ色のユメかも知れないと映画はつぶやいている。

確かに、この沿線に15年間幸せな毎日を送った自分にも、この映画はノスタルジアを感じさせ沿線の美しさを思い出させる楽しい見事な映画でした。

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                 2014626日 記