1. はじめに

1999年10月の或る日、古本屋の店先で、ジョルジュ・ポリツェルの「哲学入門」初版本を100円で見つけた。学生時代読書サークルで、この本の新書版を一生懸命輪読し、当時哲学とはこういうものかと判ったような気になった我が青春の古典。しかし今から思うと、この本は易しい言葉で要点を簡潔に語られているので、かえって哲学書と思想書との明確な区別を飛び越していまい、自分で哲学とはこういうものかと思い込み厳格な知識体系を軽視し、その後一連の岩波文庫の西欧古典哲学さえも、総て観念論の烙印を押して、これを謙虚にひも解く機会も自ら閉ざし、結果として、なんて独断的な表面的知識を自分独りで勝手に作ってしまったのかと苦い思いを胸にしている。

当時は、観念論とか、不可知論は、映画のスクーリンみたいなもので、観念論者と言えども、いざとなれば走り来る自動車から身を避けるし、いざ崖からは飛び降りるかと問い詰めれば逃げていまい、結局は口先だけの詭弁に過ぎないのだと自分なりに合点し、唯物論以外のすべての哲学には、自分で勝手に前時代遺物ブルジョア御用哲学と烙印を押していた傲慢な気概があったことは否めない。

しかし定年を迎えて、あらためて自分の思索の中に、古代の哲人達が人生をどのように考えてきたか、何の思索も自分のものとは出来ておらず、何と底の浅い、恥かしい人生であるかを反省し、知の世界を再構築すべき必要を実感し、ホームページに読書ノートを重ねている。この本を手にした機会に、もう一度この本のーワードをノートし、ジョルジュ・ポリツエルの教えたところを学び直したい。

第1部 哲学の諸問題

1−序論


1−1、哲学の根本問題

1−2、観念論



1−3 唯物論

1−4 唯物論と観念論と、どちらが正しいか?

1−5 第三の哲学はありうるか?不可知論


2部 哲学的唯物論

2―1 物質と唯物論者

2−2 唯物論者はどんな人間か

2−3 唯物論の歴史

  1. 形而上学の研究

3−1 形而上学的方法とはなにか





4部 弁証法の研究

4−1 弁証法研究の手引き

4−2 弁証法の法則、弁証法的変化

4−3 相互作用

4−4 矛盾

4−5 量から質への転化、または飛躍による発展の法則

第5部 史的唯物論

5−1 歴史の原動力

5−2 階級や経済条件は何からうまれたか?

第6部 弁証法的唯物論とイデオロギー

6−1 イデオロギーへの弁証法的唯物論の適用

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