定年後の読書ノートより
故宮博物院、世界の博物館21、講談社
中国故宮博物院は2つある。すなわち台湾台北故宮博物院と中国北京の中国故宮博物院である。日中戦争当時、北京に迫りくる日本軍戦火を避けて、南京、重慶と博物館宝物を疎開させた国民党政府は、第2次世界大戦後、蒋介石政府の所有物として、米国第7艦隊に宝物を積み込み、台湾に脱出、長く台中山中深くに隠されていた。自分が始めて台湾を訪問したのは、昭和40年9月だったが、当時日本商社の人達が酒の席では、かの第7艦隊によって運び込まれた宝物は、原爆でもびくともしない台中シュルターに隠されていると、うわさされていた。そしてまた、あの宝物が台湾にある限り、大陸は台湾を武装攻撃してこないだろう。何故ならあの宝物は人質みたいなものだからとうわさにおひれがついていた。その宝物を、始めて台北故宮博物院で見学出来たのは、昭和47年12月だった。その後何度も台湾を訪問したが、その都度、台北故宮博物院には必ず訪問し、素晴らしい中国古代の宝物に出会えるのを楽しみにしている。

大陸側の中国故宮博物院を訪問したのは、昭和59年5月だった。大和門前庭の石畳に立った時は、中国故宮博物院の建物のスケールのすごさに感動した。こんなすごいものを中国人は北京の中央に作り上げた。中国の歴史に再度脱帽。中国故宮博物院の建物屋根のこはく色を梅原龍三郎が東洋の誇りと称したが、確かに北京飯店西楼2階の窓から見た中国故宮博物院の屋根瓦の琥珀色は美しかった。

この講談社豪華本21にある中国故宮博物館の宝物写真は、文化大革命以後に中国各地で発見された宝物の数々が主体であり、正直展示物内容としては、蒋介石が台湾に持ち去った宝物の方がはるかに価値は高いし、内容も豊かである。

中国は、博物館が豊かであるが、その中でも展示物が豊富な上海博物館はすごい。入口エントランスホールに展示されている恐竜実物大骨格模型も驚かされるし、古代史の部屋に展示されているシルクロードの石膏窟壁画実物は間近に見学出来て面白い、しかしシルクロードの石膏窟壁画実物は、上海博物館に出かけなくても日本の大谷探検隊がシルクロードから持ち帰った壁画が、戦中ソウルに疎開、その後ソウルの中央歴史博物館に展示されていることは、皆様ご存知だろうか。

中国故宮博物館前、天安門広場に面する中国歴史博物館と中国革命博物館は、2つとも国立博物館として格調高い。その中でも、中国革命博物館は、いつも中国北京に出かける人にはここは是非共一度は尋ねる価値がありますと推薦している。

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