定年後の読書ノートより
現代社会と経済学の課題、平野喜一郎、新日本出版社
氏の講演ポイントメモ。

近代(1950年まで)のキーワードは、啓蒙思想、個人の尊厳、まじめ、労働、生産、合理性である。他方、ポスト・モダン(70年代後)のキーワードは、集団・遊び・環境・共生・関係である。ポスト・モダンでは時間がなく空間だけ。

均衡理論の経済学、利子と投資の関係、所得と貯蓄の関係等々、現象の数量的な相互関係、均衡関係だけを問題にする。ここでは利子とはなにか、消費とはなにかなどは問わず、もっぱら関係だけを問題にする関係主義。この均衡理論には空間だけで時間がない。均衡理論とポストモダンは共通する

スミス=自由放任ではありません。政府のやるべきことをいろいろ指摘しています。国富論は何処から読んでも理解できます。マルクスの資本論は体系的に学ばねば理解出来ません。

マルクス=資本論は資本主義を否定しているのではありません。肯定的理解のうちに否定の契機をつかむ弁証法的観方を述べているのです。

ケインズ=不確実性をキーワードとしています。資本主義を多少修正していけばうまくいくとはいっていません。資本主義を危機的なものとみています。すべては市場にゆだね、規制緩和推進、市場一辺倒は均衡経済論の考え方ですが、市場論理は社会を弱肉強食の場に追い込んでいきます。

マルサスやリカードも自由放任の世界です。リカードは現実の社会は階級社会であるときちんと見ているが、資本家の立場に立っているのです。

ブルジョア経済の矛盾は、生産と消費の矛盾です。資本は自己増殖する価値です。生産と消費の矛盾が頂点に達するとき、過剰生産恐慌が起きるのです。

これからは生き方と経済的認識を重ねた努力が必要です。近代的な個人の尊厳を基礎にしながら、人々の協同・共生をどう打立てるか、これがこれからの生き方の基本です。経済学には大義があるべきです。それは社会的弱者を救うことです。

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