定年後の読書ノートより
読売新聞社説、―新世紀、元気な日本をめざそうー200111日読売新聞
新たな世紀について、いろいろな未来像が語られている。IT革命、グローバル化、バイオサイエンス、ナノテクノロジー、宇宙科学の進展、或いは地球環境の悪化。日本は新たな世紀にも、国家的活力を維持していかねばならない。

日本再活性化へのカギとなる戦略的課題の一つとして、少子高齢化の進行に伴う人口構成の変化という問題がある。早急に社会保障システムの再考が大切である。すなわち必要なのは、中負担、中福祉の日本型社会保障制度の再構築だ。

21世紀は、激しい国家間競争の時代である。その競争に伍していくには、創造力と覇気にあふれる有能な人材群の育成が欠かせない。国際的な教育競争の時代である。前世紀後半社会主義幻像に引きずられた、いわゆる「戦後民主主義」教育では、とかく平等のみを強調する結果として、若者らの能力を摘まんでしまいがちだ。才能ある若者の資質が伸びていく人材育成システムが必要だ。

日本は国家としてのアイデンティティの明確化に取り組む必要がある。歴史と伝統文化を踏まえた国家の個性、独自性、国民の国家意識といったものを設定すべきである。

すでに国会には憲法調査会が設置された。日本が自ら考える国家像、国家目標の明示が必要だ。

改革には摩擦も伴う。政治に求められるものは、改革への果断かつ機動的な政策実行のスピード感覚だ。

<小生の読後感>

読売新聞の社説は、いわゆる新自由主義による日本改造論である。政治的には民主党が志向する方向に近い。注目すべきところは、競争激化による効率化社会の到来。そこには、戦後構築された国民主体の生活擁護思想は見直し修正され、憲法改正を国民的テーマとして取り上げて行こうとする姿勢である。極めて危険な方向と言わざるを得ない。

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