定年後の読書ノートより
中国現代史、人民教育出版社歴史室 編著、1995年発行、ブレーン出版
昨日BOOKOFF店にて、1冊100円の本を10冊購入、その中の1冊(原価980円)。どうも中国人民解放軍の教育用教科書を日本語訳にして出版したものらしい。何故ならあまりにも国家主義歴史観が前面に出過ぎているから。

幾つかの言葉は、日本語に意訳されていないので、意味把握に苦労する。「大革命」という言葉が最初に出てくる。どうも辛亥革命のことらしい。「9・18」事変とは、1931年9月18日日本軍による南満州鉄道柳条湖附近の線路爆破を意味し、「1・28」事変とは、1932年1月28日日本軍による上海攻撃を意味する。

中国情勢について、この本では、米国と日本は中国争奪の主要なライバルであり米国は豊富な経済力をバックに、日本の軍事的侵略に融和的政策をとっていたが、日本による中国制覇、南方進出政策の推進にしたがい、日米間の対立が激化していったとしている。また日独ファッシズム勢力の狂気じみた発展に直面して、コミンテルンはファッシストが世界戦争を引き起こす前に、革命的勝利を勝ち取るという左翼的政策を誤って定めたと。このことは直接中国共産党内の左翼的誤りの発展を招き、中国革命に大きな危害をもたらしたと。「革命は鉄砲から生まれる」と日本の武装革命を干渉した毛沢東の言葉にこそ、おいおい日本の戦後革命路線に干渉したのはお前さんの方ではではないかと言いたくなる。

この本で、「文化大革命」内乱はこんな風に書いてある

「文化大革命」の発生は、左翼的誤りが階級闘争として発展した悪い結果である。文革の10年間、国民経済の損失は総計約5000億元になると。「文化大革命」は指導者の誤りによってなされた運動であった。文化大革命は反革命集団に利用され、党・国家・各民族人民に対して、建国以来最もひどい挫折と損失をもたらした。

この本を読んで、実感したことは、ここに書かれているのは、現代をこう見よと指示する国家的視点の歴史書であり、少なくとも、国民ひとりひとりの生活など、眼中にはない歴史観である。勿論マルクス・毛沢東の教えは、国家至上の原理原則であり、歴史に登場するのは英雄・偉人のみであり、その他大勢の大衆がどこにいようか、どんな生活をしていようが、そんなことには関心がないと言い切る歴史観である。正直こわい歴史観だと思う。そしてまた、此処に描かれた中国は強国を目指す大中国建国思想であり、大中国軍事国家思想である。とても、この本でこれ以上、中国現代史を勉強しようという気持ちは起こらない。幸い、山川出版社の中国現代史の本も同時購入してきたので、明日からはそちらの本で詳しく中国現代史を勉強しようと考えている。

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