定年後の読書ノートより
自分主義、羽に 進 著、青春出版社
最終章、自分という他人を愛しつづける法、が面白かったので、要点をメモした。原文を摘出してストーリを追っていく。

少数派の意味とは何だろう。志しているものが本物だけに無理を重ねている人も沢山いる。少数派の存在には意味があるだろうか。アフリカでは「リズム外れ」を大切にする。リズムは、それぞれの共同体が、まわりの環境に合わせて生きていくために、足並みを揃える役目を果たしている。しかし、環境―大自然はいつかは変る。変る時に村中が同じリズムで生きていたら全滅してしまう。環境に合わせて変っていくエネルギーの種子をいつも持ち続ける為に、共同体はリズム外れの人を大切にしなければならないという。この考えに深い賢さを感ずる。今は何の役にも立たない少数派こそ、人類の生き延びる唯一の希望を握っていると評価しているのです。

太平洋のある島。島を開発するならお金をいくらでも援助しますと申し出た。島民曰く。お金持ちになるとどんな良いことがありますか。それは今私達がやっていることではありませんか。別に働かなくても、金持ちにならなくても、私達はこのままで良いのです。とにかく食べて、生きていければ、いやなことで無理にしたくない。文明はもともと人間の欲が作ったもの。欲がエネルギーを生み、エネルギーが欲を生み、文明は栄えてきたのです。文明と欲とは切り離せない関係にあるのです。

何かをやらなければならないと頑張る社会の中で、のんびりした少数派の人間は、しばしば軽蔑されるのが実状である。

人々は言う。向上心がない?少数派は応える。そうですね、他人をおしのけて、上にいくつもりはありません。その時代の常識というものは、あとになってみると、驚くほど非常識だったりするものです。

世の中には、幸福であっても満足しない人がいる。成功しなければダメと信じて疑わない人がいる。成功のため、不幸になってもやむえないと考えている人がいる。その人達にとって、成功こそは幸福の全てなのだ。成功さえしてしまえば、幸福はこっちのもの。家族の幸福が成功という評価基準になってくると、幸福も競争の対象になる。自分はどのくらい幸福か、それを常に他人と比べる。幸福とは、ひとりひとりにとって、特別なもののはずです。私達は偉人にウンザリしてます。文明人の歴史は、たえざる偉人同士の戦いの記録でもありました。偉人達は権力を求めます。強い力が偉人の周りにミニ偉人を集めるのです。しかしどんなことがあっても、必要な人。それはさめている人です。理屈と実際にバランスがとれている人です。いろいろなことに穏やかな興味を示し、地味にゆっくりと、どんな自慢話でも、どんな悩みごとでも、とにかく終りまでじっくりと聞いてくれる人。小さなことでも、いろいろと工夫をする人。毎日の生活で、発見したり、発明したりしてくれる人、そんな人がそばにいてくれると私達は幸せです。

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