定年後の読書ノートより

JICAプロジェクト方式技術協力・タイカラバン工科大学の事例研究
1960年第1次プロジェクト方式技術協力、電気通信訓練センターはその後大学に昇格。

1974年第1次無償資金8億円1984年第2次無償資金37億円、長期専門家派遣72名。 JICAとして40年間の実績を持つプロジェクト方式技術協力。援助額約50億円。

技術協力は開発途上国の国造りの基礎となる[人造り]を目的とした援助。日本の技術や知識を相手国の当該分野で指導的な役割を担う人々に伝え、その人々を通じてその技術が当該途上国の国内に広く普及し、経済、社会の発展に寄与するとした概念の基に実施。

「人造り」は国の基盤や、経済環境に関係なくすすめることが重要。

プロジェクト方式技術協力は、研修員受入、専門家派遣、機材供与の3つの形態組み合わせ。通常5年間。しかし、タイカラバン工科大学では幾つかの特例が認められてきた。

  • KMITLの前身はJICAの技術援助で発足した電気通信訓練センターである。
  • 技術面での独り起ちを目指す当時のタイ社会の人材ニーズに応えたものである。
  • プロジェクト方式技術協力4回、無償資金協力2回。同一プロジェクト援助複数回
  • 学力チュラロンコン大学に次ぐ優秀な大学に成長。日本政府継続援助。40年間
  • 無償資金協力による施設で、機動的な運営。相互の効率化。
  • 授業英語。訓練センターは1973年大学庁の管轄。1961年池田首相
  • 東海大学との協力体制。松前学長。1967年佐藤首相も訪問。
  • 日本郵政省、NTTも直接援助。タイ語の技術系教科書も作成。JICA岩口所長
  • 第2次無償援助新講義棟建設、37億円無償供与と技術協力交互導入
  • 施設、設備、教育水準あわせて高度化。技術系人材ニーズの社会的背景充足
  • 継続的・重点的に援助。投入した資金、人材の効果を最大限に発揮。

所見

成功したKMITLの例とタシケント繊維軽工業大学の案件との比較

  • KMは、成長性のある電気通信事業、TTは成熟産業である繊維。しかも、日本国内には、過剰生産で、輸入圧力に対し、極端な拒否反応あり。
  • KMは当時の首相訪問等、時の政治権力と接近、TTには橋本旧首相の外無関心
  • KMは東海大学、郵政省、NTT等バックアップ有り、TTにはJTCCしかないだろう
  • KMはJICAの後進国支援のテストトライ的意味あり、TTには旧ソ連圏諸国援助。
  • KMは日本の高度成長と同期化、TTは日本の繊維産業衰退時期と同期化
  • KMは人材育成のみ、TTは品質管理思想普及を前面に出し、同時に人材育成
  • KMは高度成長産業、TTは旧国営工場リストラの方向付けと輸入衣料国内産化
  • KMは松前学長という政治力、TTには目下タオルブーメランという反対勢力優勢
  • KMはアジア近隣諸国、TTは旧ソ連圏中央アジア。日本人としても馴染み薄い。
  • タイとは貿易実績大、ウズベキとはあまり貿易実績小。日本進出企業も少ない。

以上の対比から、タシケント繊維軽工業大学は第2のカラバン工科大学にはなり得ない。

しかし、ウズベキスタンが市場経済にはばたく為には、日本政府として是非タシケント繊維軽工業大学を通じて、この国に力を貸して欲しいと願うのは、私一人だけではないと思う。

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