経済学入門

経済学入門、ローザ・ルクセンブルク著、岩波文庫
ローザ・ルクセンブルクは1907年より1912年まで、ドイツ社会民主党のベルリン中央党学校で経済学の講義を受け持っていた。その講義録をまとめたのが本書である。しかし、本書をきちんと読むと判るが、資本論の入門書といわれる本書において、不思議なことに、利潤率と恐慌に関する理論的展開が抜けているにも関わらず、最終章では数行にてその内容のまとめが書かれている。本来前の方に、このまとめに相当する理論展開が書かれていたであろうと考えられる。これは彼女を虐殺した官憲が当日原稿を持ち去ったのだと思う。兎に角1919年1月15日裏切りの社会民主党系ノスケ指令長官の命を受けた兵士は突然、彼女の居を襲い、虐殺へと突っ走った。

またローザ・ルクセンブルク自身も、恐慌論を扱った「経済学入門」最終章の「資本主義経済の諸傾向」の理論的展開にはあきたらず、当面する帝国主義の本質を見抜くには、資本論第2部こそが重要な意味を持ち、資本論第2部に関連して、「資本蓄積論」にて恐慌を詳しく理論的展開をおこなっているとのこと。

実は小生も、この度、不破哲三氏の「再生産論と資本論」を学ぶ機会に、いよいよ念願の資本論第2部に挑戦してみようと意気込みはじめている。当面まずローザルクセンブルクの「資本蓄積論」を勉強せねばならないと決意し「資本蓄積論」を勉強する近道は彼女の「経済学入門」を読むことであると知ってこの本を手にした次第。

ローザ・ルクセンブルクの「経済学入門」は「資本論第1部」への適切な入門書であるとも言われる。確かに読んでみて、この本は資本論と同じ視点に立ち、同じテーマを扱いながら、実に判りやすく、短く簡潔にまとめている。しかし目下自分が一番関心があるのは、恐慌論であり、マルクス経済学が、恐慌に対して何が原因で、どうすれば我々は恐慌の本質を把握できるのか、恐慌論をこれから資本論第2部で勉強したいと期待している。

恐慌については「経済学入門」でもこんな記述があった。

価格変動と恐慌とは、一部は日常的に、一部は周期的に、盲目的かつ無秩序な生産と社会の諸要求とのあいだに均衡をもたらす

(要するに恐慌とは、生産と需要との暴力的均衡ということなのか)

恐慌については、次のローザ・ルクセンブルクの資本蓄積論で詳しく学ぶとして、本書で経済機構の大きな変革に関して大変印象的な文章に出会った。

人間社会は全体として絶えず矛盾に陥るが、そのために破滅するのではなく、反対に、矛盾に陥るとはじめて運動し始める。つまり社会生活の矛盾は、いつも発展するように、文化の新しい進歩に向かって、解決される。偉大な哲学者ヘーゲルが言うように、「矛盾は導き去るものである」。そして純粋の矛盾におけるこの運動こそは、まさに人類史の真の発展の仕方なのである。

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