資本論 第2部 を読む前に  不破哲三

第2部は資本論全体系のなかで、どのような位置にあるのか。

資本論第2部は、資本論全体の重要な要をなすぶぶんである。それは恐慌論の展開で本番にあたる部分である。資本論第1部では、流通過程における資本の運動は、研究の対象にはしていなかった。第2部では、資本が市場経済の世界に登場し、命がけの飛躍を経験しなければならない。第2部は、恐慌問題の本番の舞台である。


流通過程で、恐慌問題は、より立ち入って考察される。資本の総流通過程またはその総再生産過程は、資本の生産部面と流通部面との統一であり、両方の過程を自己の諸部面として通過するところの一過程である。この過程のなかに、さらに発展した恐慌の可能性またはその抽象的な形態が存在する。


恐慌という事態は、それ自体同時に再生産過程であるところの流通過程においてはじめて現れる。


第2部の草稿としては、第1草稿から第8草稿まで8つの草稿がのこされているが、マルクスは、第1草稿をほとんど削除してしまったエンゲルスの編集に誤りがあったと指摘する。第1草稿は1865年、第8草稿は1881年、マルクスが亡くなったのは1883年、資本論第2部が創刊されたのは、1885年であった。


不破さんがこのような論理を展開したのは、「61年〜63年草稿」を読み込んだからであるが、エンゲルスはこの草稿を読み込む機会に恵まれなかったのが原因だという。エンゲルスは資本論の読みにくい原稿を清書する、そして編集する仕事に追われ、とても「61〜63年草稿」を丹念に読み解く余裕は無かったと書いておられる。